都市伝説①チョコを食べるとニキビができる?
チョコレートはニキビの原因ではありません。
しかし、チョコレートを食べてニキビができることはあります。
それは、チョコレートが直接的な原因となるのではなく、チョコレート菓子に含まれる脂質や糖質がニキビの原因となるのです。
糖質を摂りすぎると
甘くておいしいチョコレートには、糖質が多く含まれています。
糖質を分解するためには、体内のビタミンB2が使われます。
ビタミンB2には、皮脂の分泌量を調整する働きがありますが、糖質の分解に使われてしまえば、皮脂の分泌量がうまく調整されなくなります。
つまり、糖質を過剰に摂取することで、間接的にニキビができやすくなるのです。
低糖質なチョコレート
糖質は制限したいけどチョコレートは食べたい、という方には「ハイカカオチョコレート」がおすすめです。
カカオの割合が多いハイカカオチョコレートは、低糖質なものが多く非常に人気があります。
ただし、糖質が低くても脂質が高い商品もあるので注意が必要です。
脂質を摂りすぎると
脂質の多い食事ばかりしていると、皮脂の分泌量が盛んになります。
皮脂が多く分泌されると、古くなった角質や汚れと混ざり、毛穴が詰まりやすくなります。
毛穴が詰まると毛包が無酸素状態になるため、アクネ菌が活発化します。
さらに皮脂はアクネ菌の餌ともなり得るため、過剰な皮脂分泌が原因でニキビができやすくなるのです。
ニキビの原因
このように、チョコレートの中に含まれる糖質や脂質がニキビの原因になり得る、ということが分かりました。
一方で、チョコレートには「カカオポリフェノール」「亜鉛」「カカオプロテイン」といった美肌効果が期待できる成分も豊富に含まれています。
食べ過ぎないよう、適度に取り入れられると良いですね。
都市伝説②牛乳を飲むとニキビができる?
牛乳を飲むとニキビができやすくなる、と言われています。
乳脂肪が多く含まれているため、脂質の摂りすぎでニキビができるのでは?
と思われがちですが、実はIGFと呼ばれるインスリン様成長因子が深くかかわっているのです。
IGFとは?
簡単に言うと、IGFとはホルモンを分泌させる成分。
育毛などに使用されています。
悪い成分ではないのですが、過剰に摂取してしまうとニキビができやすくなったりニキビが悪化したりする可能性があります。
つまり、乳脂肪ではなくこのIGFの摂りすぎがニキビの原因となるのです。
IGFが含まれる食品
牛乳と同様に、豆乳やスキムミルクにもIGFが含まれています。
そのため、飲みすぎるとニキビが悪化しやすくなります。
健康に良い牛乳
ご紹介したように、牛乳にはニキビの原因となる成分が入っています。
しかし、ビタミンやタンパク質、カルシウムといった健康維持に必要な成分も多く含まれています。
飲みすぎは良くないですが、適度に飲むことは健康に良いとされているのでご安心ください。
都市伝説③ニキビはうつる?
ニキビが移ることはありません。
空気感染やタオル、メイクスポンジ等を介して移るのでは?と思っている方もいますが、感染するものではありません。
タオルの使いまわしが良くないと言われているのは、ニキビが移るからという理由ではなく、衛生面からです。
何日も洗濯していないタオルを使用することで、ニキビが悪化したり炎症を起こしたりする可能性があります。
こういった理由から、タオルは清潔なものを使いましょう。
ニキビの原因の一つであるアクネ菌は「常在菌」です。
誰もが持っている菌で、感染力はありません。
都市伝説④ニキビは遺伝する?
ニキビ自体は遺伝しませんが、肌質や肌のバリア機能、皮脂の分泌量といった肌の性質は遺伝します。
「尋常性ざ瘡」と呼ばれ、皮膚の病気の一つであるニキビ。
しかし、ニキビは「遺伝性疾患」ではありません。
遺伝性疾患とは、遺伝子情報が原因で起こる疾患を意味します。
つまり、「ニキビが遺伝する」のではなく「ニキビができやすい肌や体質が遺伝する」という表現が正解なのです。
都市伝説⑤ニキビを潰したら増える
ニキビを潰しても増えることはありません。
「ホクロを数えると増える」という迷信のようなものですね。
だからと言って、自分でニキビを潰すことはやめましょう。
指でニキビを潰すと、雑菌が入り悪化したり、周囲の皮膚や細胞を傷つけてしまいます。
ニキビを潰し膿が出た後、その部分が赤くニキビ跡のように残ってしまう可能性も。
そうすると、ニキビを潰すとニキビ跡が増えることになってしまいます。
どうしてもニキビを潰したくなったら、皮膚科を受診しましょう。
皮膚科では「面皰圧出」と呼ばれる方法で、ニキビの中身を取り除く治療を行います。
ニキビの進行レベルや膿の状態によっては面皰圧出した方が良い場合もあるので、自分で潰すことは避け、必ず医療機関を受診してください。
都市伝説⑥お肉を食べたらニキビができる?
お肉を食べてもニキビはできません。
むしろ、新鮮なお肉はお肌に良い食品ではないでしょうか。
タンパク質が多く含まれるお肉には、血や肉や骨を作り、肌や髪、爪の健康を支えます。
体内に取り込まれたタンパク質は、生命の維持に必要不可欠な部分にまず届けられます。
その後、肌や髪、爪といった優先順位の低い部分に届けられるのです。
タンパク質が不足すると
タンパク質が不足すると、肌がボロボロになったり、髪にツヤがなくなったりします。
しかし、逆にタンパク質を摂りすぎると、余った部分が脂肪に変わり、体内に蓄えられてしまいます。
つまり、適量を摂取し続けることが大切なのです。
タンパク質の適量とは
1日に摂取すべきタンパク質の量は、男性が約65g、女性は約50gと言われています。
毎日の運動量や体重、目標によっても異なりますので、平均値として参考にしてください。
肌にいい食品
コラーゲンには、お肌をプルプルにするイメージがありませんか?
タンパク質の1種であるコラーゲンは、美容と健康にとても重要な役割を担う成分です。
ですから、コラーゲンが豊富に含まれた動物性食品は美肌に良いとされています。
例えば、鶏の皮、軟骨、手羽先、豚骨スープ、牛スジ等はコラーゲンが豊富です。
その他、水溶性ビタミンや脂溶性ビタミン、必須脂肪酸、食物繊維が多く含まれた食品は美肌に良いので、できれば毎日取り入れたいです。
また、腸内環境を整えるヨーグルトや乳酸菌飲料も糖分に注意して積極的に取り入れましょう。
肌によくない食品
スナック菓子やスイーツの中には、ニキビができやすくなったり肌荒れを起こしやすくする物質が含まれています。
例えば、糖質や脂質がたっぷりと入ったケーキやドーナツ、酸化した油を使ったスナック菓子、糖分が多いアルコールやジュースの飲みすぎには要注意です。
また、胃腸に負担がかかりやすい香辛料や、利尿作用でビタミンを流してしまうカフェインの摂りすぎにも注意が必要です。
ニキビができてしまったら
ニキビ治療にはセルフケア、皮膚科での治療、美容皮膚科での治療などさまざまな方法がありますね。
医療機関でニキビ治療を受けることはとても大切ですが、治療を受けている間も自宅でのセルフケアは怠らないようにしましょう。
化粧を落とさずに寝てしまったり、ゴシゴシと力を込めて洗顔していませんか?
スキンケアやセルフケアの正しい知識を身につけることはとても大切なことです。
肌タイプごとのケア
肌の水分量・皮脂量のバランスによって、肌タイプは4つに分けられます。
・普通肌 ・乾燥肌 ・脂性肌 ・混合肌 |
肌タイプによっても、正しいスキンケアは異なります。
また、ニキビの状態や炎症の有無によっても、治療法は異なります。
自己流でニキビを治そうとしてもなかなか治らないという方は、医療機関に相談してください。
医療機関でニキビ治療
当院では、「ケミカルピーリング」「ダーマペン」「フラクショナルCO2レーザー」「美容点滴」といった方法でニキビ治療を行っております。
ニキビの状態や肌タイプによって、合った治療法の提案もさせていただきます。
なかなか治らないニキビに悩んでいる方は、お気軽にカウンセリングにお越しください。
まとめ
今回は、ニキビに関する都市伝説をいくつかご紹介しました。
全くのウソである情報もあれば、間接的に正しい情報もありましたね。
ニキビができてしまったらまずは健康的な生活、正しいスキンケアを行い、医療機関で適切な治療を受けてください。