ニキビの種類と原因
白ニキビ(閉鎖面皰)
◆白ニキビの原因
・栄養バランスの崩れ
・生理周期の乱れなど
白ニキビは毛穴に角質が詰まった状態で、できはじめによく見られる若いニキビです。
本来は排出されるべき皮脂が、毛穴の途中で詰まって膨らんでいるので白っぽく見えます。
白ニキビは他の段階のニキビに比べると治りやすいのでこの段階で治してしまいたいですよね。
黒ニキビ(開放面皰)
◆黒ニキビの原因
・皮脂分泌過多
・メイクや皮脂汚れ
・肌の乾燥など
毛穴に古い皮脂や角質が詰まり、更に空気に触れ酸化することで黒くなったニキビ。
ついつい角質を絞り出したくなる、小鼻にできやすいのが黒ニキビ。
非炎症性皮疹と呼ばれる状態で、白ニキビより進行しており、放置しておくと痕が残ったり更に炎症を起こし化膿したりします。
これ以上悪化させないことが重要です。
赤ニキビ(紅色丘疹)
◆赤ニキビの原因
・ストレス
・ホルモンバランスの乱れ
・肝機能の低下
・肌表面への刺激など
毛穴に角質や皮脂、老廃物が詰まったところにアクネ菌が繁殖して炎症を起こした状態が赤ニキビ。
赤ニキビはいったんできてしまうとなかなか治りません。
長引かせるとクレーターのようになり、後々まで傷跡として残る場合もある厄介者。
黄ニキビ(膿疱)
◆黄ニキビの原因
・ホルモンバランスの乱れ
・皮脂分泌の増加
・メイクや皮脂汚れ
・ストレス
・不規則な食事など
黄ニキビは化膿して膿を持っているので、かなり進行した状態と言えます。
ニキビの原因であるアクネ菌のほかに、黄色ブドウ球菌も入り込み増殖してしまっているのです。
早めに治療しないと炎症が一気に悪化し、長期化すると痕になるので要注意です。
膿を持ったニキビはつい潰したくなってしまいますが、潰すとえぐれたように凹んでしまうことがあるので触らないようにしましょう。
紫ニキビ(嚢胞)
◆紫ニキビの原因
・便秘
・食生活の乱れ
・ストレス
・紫外線
・睡眠不足
・生理不順など
紫ニキビは膿を持ったニキビに血が溜まり、紫色に見えます。
場合によっては大きく腫れあがったり盛り上がったりすることも。
紫ニキビは重度の皮膚炎なので皮膚科の受診をおすすめします。
種類ごとの治し方
白ニキビ
白ニキビには皮膚科のお薬などで、毛穴のつまりを取り除く治療が効果的です。
ディフェリンはピーリング作用があるので、毛穴のつまりを取り除く効果が期待できます。ベピオは元々海外でニキビ治療として使用されていたお薬ですが、日本でも使用が許可されました。
ピーリング作用だけではなく、アクネ菌の増殖を抑える効果があります。
白ニキビにはダーマペンやケミカルピーリングもおすすめです。美容皮膚科などで受けることができる施術で肌質改善にも繋がるので、つるっとした肌質を手に入れることができますよ。
また、ホルモン治療も効果的です。女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが乱れ、男性ホルモンが増えると毛穴が詰まりやすくなります。
ホルモンバランスを整える治療では女性ホルモンであるエストロゲンや、エストロゲンと似た化学構造を持つイソフラボン、低用量ピルなどが用いられます。
ホルモンバランスの乱れが原因で白ニキビができる方は検討してみてはいかかでしょうか。
黒ニキビ
黒ニキビに効果的な治療は、白ニキビと似ています。
ディフェリンやベピオといった毛穴のつまりを取り除く塗り薬や、ビタミンのお薬が有効です。
ダーマペンやケミカルピーリングも効果的なので、是非カウンセリングにお越しください。
黒ニキビは毛穴のつまりが酸化した状態なので、その詰まりを取り除くために「面皰圧出(めんぽう あっしゅつ)」と呼ばれる治療を行う皮膚科もあります。
面皰圧出とはコメドプッシャーと呼ばれる器具を使い、ニキビを潰して芯を取り出す治療法です。
ニキビの中に潜んでいる原因菌や古い角質が一旦取り除かれるので、ニキビの治りを早める効果が期待できます。
自分でニキビを潰してしまうと悪化する可能性があるので、面皰圧出したい場合は医療機関で行いましょう。
黒ニキビに対するセルフケアとしては、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCの摂取をおすすめします。
ビタミンを多く含んだ食事やサプリメントを摂取することでニキビが劇的に改善することはありませんが、ニキビの予防としてはとても良い方法です。
ビタミンB2:ターンオーバーを促す
ビタミンB6:バリア機能を強化する
ビタミンC:美肌や美白効果がある
赤ニキビ
赤ニキビは毛穴のつまりが炎症を起こした状態なので、炎症を抑えるお薬が効果的です。
処方された抗生物質を服用することで、アクネ菌の繁殖や増殖を抑えることができます。
よく用いられる抗生物質には、クラリス錠やルリッド錠、ミノマイシン錠といった内服薬、アクアチム(ナジフロキサシン)軟膏やダラシンT(クリンダマイシン)といった塗り薬があります。
ディフェリンなどの塗り薬は初期段階のニキビに効果的なお薬なので、赤ニキビにはあまり効きません。
赤ニキビは悪化するとニキビ跡やクレーターになる可能性があるので、早めに医療機関を受診しましょう。
赤ニキビには面皰圧出も効果的です。
赤ニキビとなるアクネ菌や毛穴のつまり、角質をコメドプッシャーで押し出します。
面皰圧出は自分では行わず、必ず医療機関で行ってくださいね。
黄ニキビ
黄ニキビは炎症を起こしたニキビがさらに膿を持った状態なので、まずは患部の炎症を抑える治療が必要です。
重症化してしまったニキビには強力な抗生物質が用いられます。
テトラサイクリン、ミノサイクリン、エリスロマイシンといったお薬が一般的です。
膿を出すために面皰圧出を行う皮膚もあります。
また、黄ニキビにはホルモン治療が有効的です。
低用量ピルや男性ホルモンを減らすお薬を使用することで黄ニキビが改善しやすくなります。
黄ニキビは膿を持ったニキビですから、治療は長期戦です。
膿や炎症が収まるまでには時間がかかるので、焦らずに治療を受けてくださいね。
紫ニキビ
紫ニキビはニキビの進行レベルでいうと最終段階になります。
炎症を起こしたニキビが膿を持っているうえに、血が溜まって腫れあがってしまった状態ですので、膿や腫れ、血液を取り除くためにメスを使った切開を行うこともあります。
副腎皮質ホルモンであるステロイドを使った治療を行うこともあります。
紫ニキビの治療は、黄ニキビよりもさらに時間がかかります。
腫れや炎症の治療が終わってもニキビ跡が残ってしまうことが多い紫ニキビ。
炎症の治療後は肌の凸凹を無くす治療、というように数々のステップを踏む必要があります。
完治は極めて困難ともいわれる紫ニキビですが、正しい治療を効果的に行うことで少しずつ改善します。
あきらめないで根気強く向き合うことが大切です。
まとめ
今回はニキビの色ごとの原因や治し方についてご説明しました。
ニキビには段階や種類によって名前がつけられており、原因や治療法が異なります。
今回ご説明した治療がニキビの状態によって必ずしも適切、とは限らないので必ず医師の診察を受けて適切な治療を受けてくださいね。