クマの改善方法「目袋」と「くぼみ」への対処法
2023.1.7

眼窩脂肪を除去するクマ取り治療!「目袋」と「くぼみ」への対処法について解説します

今回はクマ取り整形についてご紹介します。これまでに数万件の若返り施術を担当してきた僕の経験から、「劇的改善」にはくまやたるみの問題解決がベースになると確信しています。そして、最適な術式を選ぶことが、高い完成度と長持ちのカギになります。

クマの改善には「目袋」「くぼみ」両方の改善が必要

加齢によってできる「目の下のクマ」は、立体的な変化が生じているため、メイクではなかなかごまかすことができません。

完全にくまをなくすには、外科的なアプローチが必要になってきます。

その方法は大きく分けて2つ。

クマを無くす方法①

1つ目は、「目袋(めぶくろ)」の膨らみの除去です。

目袋とは目の下の膨らみやたるみのことで、涙袋とは異なります。


眼球は眼窩(がんか)脂肪という脂肪に取り囲まれていて、その脂肪は目の下にある眼窩隔膜(がんか かくまく)と呼ばれる筋膜によって支えられています。

老化により眼窩隔膜の支える力が低下すると、眼球の重さで眼窩脂肪が前に飛び出してきてしまいます。

これが目袋の膨らみです。


目袋が膨らんでくると、その下に影ができ「クマ」となるため、その膨らみの除去が改善の第一歩となります。

クマを無くす方法②

2つ目は、目袋の下にできる「くぼみ」の解消です。

加齢によって筋力が緩み頬の皮下脂肪が下へと移動すると、目袋の下のボリュームがなくなり「くぼみ」が出現します。


くぼみが深くなり影ができると、クマが余計に目立つようになるのです。

つまり、クマ解消にはこの2つの施術を、同時に行うことが最適な方法となります。

皮膚を切らずに傷も残らない!「目袋」の脂肪除去で若々しい目元に

くぼみ解消に向けた眼窩脂肪の除去

図1 くぼみ解消に向けた眼窩脂肪の除去


目袋の膨らみを解決するには、まぶたの裏側からアプローチして余分な眼窩脂肪取り除く術式が効果的です。

皮膚は切らずに、まぶたを裏返して穴を開け、そこから余分な脂肪を取り除くのです。

施術でできる傷は下まぶたの裏側ですから、顔には傷が残りません

目の下の切らないたるみ取り術式

「目の下の切らないたるみ取り」についての概要

表1「目の下の切らないたるみ取り」についての概要


取り除く時の重要なポイントは、実際に除去する、眼窩脂肪の量です。

僕が美容外科医になりたての頃、先輩医師から「眼窩脂肪は取り過ぎるな、取り過ぎると、くぼみができて不自然な仕上がりになってしまう」と教わりました。

しかし、経験を重ねるうちに、その教えが間違いであることに気づきました。



この方法は「脂肪除去(脱脂)」だけでクマを消そうとしているため、いくつかのリスクがあったのです。

クマを気にしているお客様にはもともと目の下がくぼんでいる方も多く、脱脂だけだとクマは残ったままになってしまいます。

さらに、取り残した脂肪があると、見る角度によってクマが残っていたり、再発したりといったケースがあったのです。



そこで、僕はくぼみに脂肪を注入する前提で、「眼窩脂肪はしっかりと取れるだけ取る」ことにしました。

しっかりと除去すると、その分くぼみはできますが、取り残しがないことで再び膨らみができるまでの期間が長くなるといったメリットも生まれます。

これが、『目の下の切らないたるみ取り』という施術です(表1)。

しかし、他院ではまだ脱脂だけで終わっているところも見受けられるため、施術の際に注入が行われているか確認してください。

くぼみを解消する注入物が仕上がりを大きく変える

「目袋」の膨らみの除去の後は、くぼみを埋めるために新たに成分を注入していきます。

注射器を使って入れていくだけなので大掛かりな手術ではありません。

重要なのは注入する成分です。


高品質の成分を入れることで目元に美しいハリが蘇り、ふっくらと若々しい印象になります。

つまり、クマの解消に加え肌質も改善されるため、より若返り効果が得られるということです。


反対に、注入物の質が悪いと凸凹が表れたり、しこりができたりというトラブルに繋がる可能性が高くなります。

ですから、僕のクリニックでは最低でも次の3点を満たした注入物を推奨しています。

●仕上がりが滑らかで表面に凸凹が出ない
●細部まで繊細に注入しやすい
●定着率が良く、長持ちする

「ヒアルロン酸でもいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、人工的なヒアルロン酸は脂肪よりも硬いので、異物感を感じることがあります。

さらに、笑った時などに不自然な印象を与えることも。

これらはすべて「硬さ」が原因です。



また、ご存知のようにヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されてしまうので長続きしないため、美容外科ではお客様自身の脂肪を使用するのが一般的です。

では、どの部分の脂肪を使うのか?

太ももの脂肪を目の下に注入

それは、お客様の太ももなどから採取した脂肪を使います。



しかし、自身の脂肪とはいえ、そのまま使用することは安全ではありません。

採取した脂肪の中には、老化した細胞や死んでいる細胞など多くの不純物が含まれています。

不純物は、しこり仕上がりの悪さなどのトラブルを起こしますので、注入の際にはできるだけ不純物を取り除くことが大切です。



方法はクリニックによって色々ありますが、基本的には遠心分離機にかけて質の良い部分だけを取り出します。

遠心分離機の方法も年々進化しています。

リッチフェイス・コンデンスリッチ

クリニックにより呼び名が違うため、分かりにくいかもしれませんが、僕のクリニックでは、簡単な遠心分離だけを施したものを「リッチフェイス」、それよりもしっかりと分離を行ったものを「コンデンスリッチ」と呼んでいます。

現在、多くのクリニックでは「コンデンスリッチ」を使用しています。



「コンデンスリッチ」の抽出方法は、まず専用のシリンジに採取した脂肪を入れて遠心分離機にかけ、不純物を取り除きます。

採取した脂肪には、麻酔液や本人の血液などが含まれていますが、比重の差によって脂肪は上部、脂肪より重い成分は下部に溜まっていきます。


また、シリンジには「ウェイトフィルター」という脂肪よりも重いフィルターが付いており、その重みで脂肪に圧力が加わるようにもなっています。

老化した細胞や死活細胞などは圧力に耐えられなくなりオイルに変化し、フィルターを通ってシリンジの上部に溜まります。


そうして中間層に溜まったものが「コンデンスリッチ」であり、注入する脂肪として使用します。

従来の脂肪処理法よりも定着率が格段に上がっており、仕上がりもより自然です。

まとめ

目元のクマを改善するだけでも、かなりの若返り効果を実感できます。

クマの改善には、目袋のしっかりとした脂肪の除去が重要ポイントです。

そして、除去した後にくぼみをきちんと埋めること。


この2つの施術を組み合わせることが、きれいで長持ちする最強のクマ撃退方法だと僕は考えます。

注入物も質の良いものを選んで頂きたいです。

その後の仕上がり具合も左右されますし、トラブルも回避できるでしょう。


次回は、「コンデンスリッチ」よりワンランク上の「マイクロCRF(脂肪)」について解説します。

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