クマの改善方法「目袋」と「くぼみ」への対処法
2023.11.4

眼窩脂肪を除去するクマ取り治療!「目袋」と「くぼみ」への対処法について解説します

加齢によってできる目の下のクマは、立体的な変化が起こっているため、メイクではごまかしきれません。

クマを完全になくすためには外科的なアプローチが必要です。

今回は「クマ取り整形」とも呼ばれる方法をご紹介します。

これまで数万件の若返り施術を担当してきた私の経験から、劇的な改善にはクマやたるみがポイントとなると確信しています。

そして最適な方法を選択することが高い完成度と長持ちのカギとなるのです。

クマを改善する方法

美容外科で行うクマへのアプローチ法は大きく分けて2つ。

1つ目は目袋へのアプローチ、2つ目はくぼみへのアプローチです。

①目袋へのアプローチ

1つ目は目袋のふくらみの除去です。

眼球は眼窩脂肪(がんかしぼう)という脂肪に取り囲まれており、その脂肪は目の下にある筋膜(眼窩隔膜:がんかかくまく)によって支えられています。

しかし、加齢によって筋膜の支える力が低下すると、眼球の重さによって眼窩脂肪が前にせり出してきてしまうのです。

これが目袋のふくらみとなります。

目袋が膨らむとその下に影ができ、クマとなるため、目袋のふくらみを除去することがクマ改善への第一歩となるのです。

②くぼみへのアプローチ

2つ目は顔全体の皮膚のたるみによって目袋の下に現れるくぼみの解消です。

加齢によって頬の皮下脂肪が下へ移動すると、目袋の下の皮膚のボリュームがなくなり、くぼみが現れます。

このくぼみが深くなり、影ができると目の下のクマが余計に目立つようになるのです。

クマを解消するにはこの2つの施術を同時に行う方法が最適だといえます。

目袋の脂肪を除去する方法

くぼみ解消に向けた眼窩脂肪の除去

まぶたの裏側からアプローチ

目袋のふくらみを解消するには、前にせり出した脂肪を取り除かなければなりません。

その場合、まぶたの裏側からアプローチして余分な眼窩脂肪を取り除く術式が効果的です。

皮膚は切らず、まぶたを裏返して穴を開け、そこから眼窩脂肪の奥にある余分な脂肪を取り除くのです。

施術でできる傷は下まぶたの裏側(結膜部分)ですから、顔には傷が残りません。

眼窩脂肪を除去する量

ここで重要なのが、除去する眼窩脂肪の量です。

私が美容外科医になりたての頃、先輩医師から

「眼窩脂肪は取り過ぎるな。取り過ぎるとくぼみができて不自然な仕上がりになってしまう」

と教わりました。

しかし、経験を重ねるうちにその教えが間違いであると気付いたのです。

脱脂のみを行うリスク

この方法は脂肪除去(脱脂)だけでクマを消そうとしていたため、いくつかのリスクがありました。

本来、クマ解消にはふくらみの除去とくぼみの解消が必要です。

また、クマを気にしている方はもともと目の下が窪んでいることが多く、脱脂のみを行うとほとんどの場合クマは残ったままとなるのです。

さらに、取り残した脂肪があると、見る角度によってはクマが残っていたり、再発したりといったケースも。

クマを完全に消す方法

そこで私は、くぼみに脂肪成分を注入することを前提に、脂肪は控えめに取るのではなく、しっかり取れるだけ取ることにしました。

脂肪をしっかりと取り除くと、その分くぼみができますが、脂肪を残す必要はなくなります。

さらに、脂肪の取り残しがないため、再びふくらみができるまでの期間を延ばすことができるというメリットも生まれます。

脂肪を注入するメリット

高品質の脂肪成分を注入することで、目元にハリが生まれます。

もともとくぼみがある人もふっくらとした目元になり、若々しい印象が得られるのです。

つまり、クマが解消されるだけではなく、肌質も改善され、寄り若返り効果が得られるのです。

しかし、まだ脱脂だけで終わっているクリニックも見受けられるため、施術の際には注入が行われるかどうかを確認してほしいと思います。

仕上がりを左右する注入物

目の下の脂肪を除去して目袋のふくらみを取り除いた後は、目の下のくぼみを埋めるために新たな成分を注入していきます。

注入自体は注射器を使って行うだけですから大掛かりな手術ではありません。

重要なのは注入する成分です。

目の下は皮膚が薄いため、注入物の質が悪いと表面が凸凹します。

しこりができるといったトラブルにも発展しかねません。

ですから、当院では最低でも次の3つを満たした注入物を推奨しています。

・仕上がりが滑らかで表面に凹凸がない
・細部まで繊細に注入しやすい
・定着率がよく長持ちする


ヒアルロン酸の注入

ふくらみを持たせるだけであれば、ヒアルロン酸でも良いのでは?

と思われるかもしれませんが、人工的なヒアルロン酸は脂肪よりも硬いため、塊で入ると異物感を受けることがあります。

さらに、笑ったときなどに一部だけ盛り上がって見えるなど不自然な印象を与えることも。

これらは全て「硬さ」が原因です。

ヒアルロン酸のデメリット

また、ヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されてしまいます。

そのため、効果が長続きしません。

ですから、美容外科ではよくお客様自身の脂肪を使用します。

太ももや二の腕から脂肪を採取し、注射器を使ってくぼみに注入するのです。

不純物を取り除いた脂肪を注入

遠心分離機のイメージ

ご自身の身体から採取した脂肪であっても安心はできません。

採取した脂肪には老化した細胞や死んでいる細胞など多くの不純物が含まれています。

不純物はしこりや仕上がりの悪さにつながりますから、注入する際にはできるだけ不純物を取り除くことが大切です。

方法はクリニックによってさまざまですが、基本的には遠心分離機にかけて質の良い部分だけを取り出す方法が採用されています。

純度別脂肪名称

遠心分離の方法も年々進化しています。

当院では簡単な遠心分離だけを施したものを「リッチフェイス」分離をよりしっかりと行ったものを「コンデンスリッチ」と呼び分けています。

現在多くのクリニックの主流は「コンデンスリッチ」です。

コンデンスリッチの作り方

「コンデンスリッチ」ではまず専用のシリンジ内に採取した脂肪を入れ、遠心分離機にかけて不純物を取り除きます。

シリンジ内には採取する際に使用した麻酔駅や本人の血液が含まれていますが、比重の差によって脂肪は上部、それ以外の脂肪より重い成分は下部に溜まります。

また、シリンジには「ウェイトフィルター」と呼ばれる脂肪より重いフィルターがついており、その重みで脂肪に圧力がかかるようになっています。

すると、老化した細胞や死活細胞などはオイルに変化し、フィルターを通ってシリンジの上部に、そして中間層に溜まったものがコンデンスリッチで使用する脂肪成分となります。

この「コンデンスリッチ」は従来の脂肪処理法より定着率が格段に上がっています。

まとめ

目元のクマを改善するだけでも、かなりの若返り効果が実感できます。

クマの改善においてポイントとなるのは目袋の脂肪を除去すること。

さらに脂肪を除去した後にくぼみを埋めること。

この2つを組み合わせた術式こそが、きれいで長持ちする「最強」のクマ撃退方法ではないでしょうか。

また、注入する脂肪も質の良いものを選びましょう。

次回は「コンデンスリッチ」よりもワンランク上の「マイクロCRF」について解説します。

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