
鼻プロテーゼの入れ替えは必要か解説|入れ替えが必要な症例や治療方法を詳しくご紹介
プロテーゼとは、人工血管などにも使われる医療用のシリコンでできた人工軟骨のことです。
プロテーゼは、「鼻を高くしたい」「鼻筋を通したい」といった理由で鼻に挿入されることが多く、1度挿入すると効果は半永久的と言われています。
しかし、術後の状態やプロテーゼ挿入がうまくいっていないと、入れ替えが必要になる可能性が高いです。
今回は鼻プロテーゼの入れ替えが必要な症例や治療方法などを詳しくご紹介していきます。
鼻プロテーゼの入れ替えは必要?

基本的に、プロテーゼがきちんと挿入されていて特に異常がなければ、入れ替えの必要はありません。
変形のリスクも低いため、効果が半永久的に続くと言われています。
しかし、プロテーゼが正しく挿入されていなかったり、術後に違和感があったりすると数ヶ月~数年後にプロテーゼの入れ替えが必要になってしまう可能性があります。
とくに、鼻先を高く見せるためにL型のプロテーゼを挿入していると入れ替えのリスクが高くなりますが、これはプロテーゼが鼻先の皮膚を突き破ってしまうことがあるためです。
また、皮膚を突き破るリスクのほかにも挿入の仕方によりさまざまな問題が起こる可能性があり、プロテーゼが浮き上がる、固定されていないなどの理由で入れ替えが必要な場合もあります。
鼻プロテーゼの入れ替えをする主な理由

鼻プロテーゼの入れ替えをするのにはどういった理由があるのでしょうか。入れ替えの理由について2つご紹介します。
イメージと違った
プロテーゼは、既製品をお客様の希望に合わせて形を整えて挿入する場合と、完全オーダーメイドのプロテーゼを挿入する場合の大きく2つに分けられます。
どちらの場合も医師との間でしっかりとカウンセリングが行われているはずですが、実際にプロテーゼを挿入してみると「イメージと違う」と思われる方も少なくはありません。
プロテーゼを挿入することで、鼻が高くなる、鼻筋が通る、鼻全体の印象が改善されメリハリのある顔立ちになるといったメリットはありますが、仕上がりは医師の技術力により差があります。
イメージ通りの鼻を手に入れるためにも、事前のカウンセリングと医師の技術力はとても大切です。
術後のトラブル

プロテーゼは鼻骨と骨膜の間に挿入することで安定しますが、プロテーゼが骨膜の上に挿入されてしまうと固定されず、触ると動いてしまったり浮いてくる可能性があります。
また、プロテーゼの形が合っていないとずれる、浮く、赤くなるなどのトラブルの原因になりやすく、こういった場合にはプロテーゼの入れ替えが必要です。
ほかにも傷口から細菌感染したりなどの理由で入れ替えが必要になることもあります。
鼻プロテーゼの入れ替えが必要な症例

では、鼻プロテーゼの入れ替えが必要な症例をいくつかご紹介しましょう。
鼻プロテーゼが浮き上がってる
鼻プロテーゼが浮き上がる原因は、正しい位置に挿入されていないかプロテーゼの形が合っていないかのどちらかの場合が多いです。
これは医師の技術力の問題であり、原因がどちらにせよ、プロテーゼの入れ替えをしなければ解決することはできません。
また、浮き上がってくるプロテーゼがL型の場合はI型プロテーゼに入れ替えるか、抜去後に鼻軟骨を形成して整えると改善できる可能性があります。
鼻プロテーゼの形が不自然
鼻プロテーゼを挿入後、鼻の形が不自然だと感じる方がいます。
実はその原因はプロテーゼではなく、元々の鼻の形にあるかもしれません。
元々の鼻の骨が曲がっている状態のことを斜鼻といいますが、これには生まれつきのものと怪我や事故などで曲がってしまった後天的なものがあります。
曲がっている程度は人それぞれですが、プロテーゼは元々の鼻の形を土台として修正する手術になるため、土台の鼻が曲がっているとプロテーゼも曲がって挿入されてしまいます。
挿入前には気にならなかった斜鼻がプロテーゼを挿入することで目立つようになるため、鼻の形が不自然だと感じてしまうのです。
斜鼻の方でプロテーゼを挿入される場合は、事前に斜鼻の修正手術をすることをおすすめします。
軽度の斜鼻はご自身ではわからないことが多いので事前の診察などで斜鼻かどうかを見極められる医師を探すのが良いです。
鼻プロテーゼが固定されていない
鼻プロテーゼは鼻の骨の周りを覆っている骨膜の下に挿入するのですが、挿入の位置がずれてしまうとプロテーゼが固定されず、動きやすくなります。
正しい位置にプロテーゼが挿入されている場合は1ヶ月程度で固定され動かなくなりますが、挿入した位置がずれている場合は時間が経ってもプロテーゼが固定されることはありません。
感染症の発症
プロテーゼの挿入時は鼻にメスを入れますが、この時に細菌に感染してしまうことが稀にあります。
また、プロテーゼ挿入後に鼻ににきびができてしまったり、鼻の穴をいじったりすると細菌に感染するリスクが高いです。
感染してしまうと、ひどい場合には鼻がぱんぱんに膨れ、目元まで腫れたような感じになってしまったり、鼻から膿が出てきたりします。
軽度の感染であれば適切な薬を服用することで治療が可能ですが、何度も繰り返し感染したり重度の細菌感染がおこったりした場合はプロテーゼの抜去が必要です。
プロテーゼの抜去後も、感染が落ち着けば入れ直しはできます。
細菌感染を放置すると壊死してしまう可能性もあるため、少しでも違和感があれば早めに病院を受診することをおすすめします。
鼻プロテーゼの入れ替えの治療方法

一度鼻プロテーゼの挿入に失敗してしまうと、もう一度プロテーゼを入れるのに不安になってしまう方もいます。
プロテーゼ以外の鼻の修正方法をいくつかご紹介しましょう。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸は鼻だけでなく、目元や口元などにも使われる素材です。
プロテーゼと違い繰り返し施術が必要なため、施術費用や回数がかかり、効果の持続期間には個人差がありますが半年〜1年程度が目安になります。
プロテーゼのような半永久的もしくは長期間の効果の持続を希望する方には不向きの治療方法ですが、ダウンタイムが少なく手術も必要ないのがメリットです。
当院では失明や血管拴塞のリスクを考え鼻へのヒアルロン酸注入はおすすめしていません。
鼻中隔延長術

「鼻を高くしたい」「団子鼻を治したい」といった方には鼻中隔延長術という方法もあります。
鼻の穴の間にある壁のことを鼻中隔といいますが、ここに軟骨を移植し鼻中隔を延長させ、延長した先で鼻翼軟骨を縫いつけて鼻先を下げる手術が鼻中隔延長術です。
鼻中隔を延長させ鼻先を下げることで、正面から見たときに鼻の穴が目立ちにくくなったり、鼻全体のバランスが整うことで団子鼻が目立たなくなったりといった効果が期待できます。
術後1週間は強い痛みが出たり内出血になったりする場合があり、個人差はありますが腫れも1〜2週間程度あるため、気になる方は仕事を休んだり外出を控えたりなどの対応が必要です。
耳介軟骨移植
耳介軟骨移植は、自分の耳から軟骨を採取し鼻筋や鼻先に移植する手術です。
自分の軟骨を移植するため、異物反応が起こりにくいのがメリットですが、耳から軟骨を採取するための手術が必要になります。
鼻中隔延長術や耳介軟骨移植は、プロテーゼの挿入と併用して行われることも多いです。
鼻プロテーゼの入れ替えでかかる費用

鼻プロテーゼの入れ替えにかかる費用の相場は30〜50万円程度です。プロテーゼの挿入は自由診療となり、医院によって料金設定が異なります。
また、他院で挿入したプロテーゼの入れ替えでは費用が高額になることも多く、ホームページなどで事前に確認しておくことがおすすめです。
鼻プロテーゼの入れ替えの注意点

鼻プロテーゼは抜去した後にも多少のダウンタイムがあり、数日は腫れることがあるため、気になる方は長期休暇を取ることをおすすめします。
また、感染が起きている場合のプロテーゼの入れ替えは感染が治まってからになるため、1ヶ月程度の休息期間が必要です。
プロテーゼの入れ直しの間隔は医師の判断によるため、しっかり確認するようにしましょう。
鼻プロテーゼの入れ替えは、元の医院で入れ替えるのか別の医院を受診するかで費用などが変わってきます。
入れ替えを希望する理由にもよりますが、もし挿入時の失敗で入れ替えになった場合、元の医院で入れ替えを行うとまた同じことの繰り返しになる可能性もないとは言い切れません。
医師の判断によりますが、プロテーゼの抜去後すぐに再挿入できることもあれば、半年あけてから再挿入する場合もあります。
プロテーゼの入れ替えを希望する場合は事前のカウンセリングをしっかり行い、費用や入れ替えまでの期間なども相談するのが良いです。
鼻プロテーゼの入れ替えは信頼できるクリニックへ相談しよう

プロテーゼを挿入した医院で入れ替えもする場合はあまり気にせずとも良いのですが、人によっては元の医院には行きたくないと思う方もいます。
プロテーゼの入れ替えで失敗しないためにも、信頼できるクリニックを見つけることが大切です。
事前のカウンセリングでは費用やデザインの話だけでなく、不安に思っていることなども相談しましょう。
また、1つの医院で決めるのではなく、複数の医院でカウンセリングを受けることもおすすめです。
まとめ

プロテーゼは、きちんと挿入されていれば効果は半永久的で変形などのリスクも低く、入れ替えの必要もありません。
しかし、仕上がりに不満がある、プロテーゼが浮いている、動いているなどの場合には入れ替えが必要になります。
プロテーゼの挿入は医師の腕により仕上がりもさまざまで、技術力の乏しい医師だとその後のトラブルも起こりやすいです。
また、プロテーゼ挿入後の細菌感染はプロテーゼを抜去しないと感染が治まらない場合もあるため、自己判断はせず、少しでも違和感があれば病院を受診するようにしましょう。
術後のトラブルを避けるためにも事前のカウンセリングはしっかり行い、術後のリスクなどの説明もきちんと聞いたうえで、プロテーゼを入れ替えるか決めることをおすすめします。

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