日焼けに関する豆知識
Q.マスクや衣類が紫外線を通すのか? Q.室内にいれば日焼けをしないのか? Q.日傘を差せば日焼け止めは不要なのか? |
このような紫外線に関する疑問について解説していきます。
マスクは紫外線を通す?
素材によりますが、マスクは紫外線を通します。
中でも、不織布マスクが一番紫外線を通すと言われています。
不織布マスクは、感染対策の観点から推奨されていますが、実は紫外線を通しやすい素材なのです。
すっぴん+不織布マスクで外出するのは避けた方がよさそうです。
窓際は日焼けしやすい?
室内にいれば日焼けしないだろう、と日焼け止めを塗らない方が多いのではないでしょうか?
しかし、窓際にいることが多い方は、日焼け止めを塗るべきです。
というのも、一般的な窓ガラスは、UV-Aを通してしまうからです。
紫外線にはUV-AとUV-Bの2種類がありますが、UV-Bはガラスを通過しません。
一方、UV-Aは窓ガラスをすり抜けて肌に届きます。
ガラスが1枚の場合、30~40%の紫外線を通すと言われているので、注意が必要です。
ただ、窓ガラスから1m離れると、届く紫外線の量が5%まで減るそうです。
つまり、窓から1m以上離れておけば、理論上日焼けはしません。
紫外線反射率
窓から1m以上離れていても、注意が必要なケースもあります。
例えば、白い壁や白いデスク、白い床に囲まれている場合。
紫外線は反射する性質があるので、表面が白い部分で反射し、肌に影響を与えます。
【紫外線反射率】 ・木材の壁や床:4~12% ・アスファルト:10% ・白い壁:20~25% ・白いデスク:20~25% ・砂浜:25% ・雪:80% |
窓から離れていても、反射によって日焼けすることもあります。
紫外線の反射経路は目に見えないため、屋内にいても日焼け止めは塗っておいた方がよさそうです。
また、屋外で日傘をさしていても、日焼け止めは塗っておきましょう。
アスファルトの紫外線反射率は約10%と低そうに見えますが、長時間となると膨大な量になります。
砂浜やスキー場は特に紫外線反射率が高い、ということも覚えておいてくださいね。
紫外線を通しにくい素材
生地の素材、織り方、厚さによっても紫外線透過率は変動します。
綿やシルクといった天然素材は紫外線を通しやすく、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維は紫外線を通しにくい素材と言えます。
天然素材 | 綿 シルク | 高い (通しやすい) |
合成繊維 | ナイロン ポリエステル | 低い (通しにくい) |
【生地ごとの紫外線防御率】 麻 < 綿 < シルク < ウール < ポリエステル < レーヨン |
生地の厚さも、厚ければ厚いほど紫外線を通しにくくなります。
さらに、特殊なUVカット加工を施すことで、紫外線防御率を100%に近づけている商品も登場しています。
夏場の暑い時期に分厚い生地を身につけることは、熱中症対策の観点からおすすめできません。
UVカット率が記載された商品を選ぶなど、工夫して紫外線対策を行ってください。
紫外線を通しにくい色
「色」も紫外線対策において重要なポイントとなります。
薄い色は紫外線を通しやすく、濃い色は紫外線を通しにくいことが分かっています。
中でも、一番紫外線透過率が高い色は「白」。
「白」は数ある色の中で一番紫外線を通すということです。
さらに、「白」は紫外線を通すだけでなく、反射率も高いため、顔周りに紫外線を集めてしまいます。
【紫外線対策におすすめの色】 ・濃い色:黒、赤 ・寒色:青、紫 ・中間色:黄色、緑 など |
素材や色をチェックして服装を選び、上手に紫外線対策してくださいね。
マスクの選び方
花粉症や鼻炎、職業によっては普段からマスクの着用が避けられないという方も多いでしょう。
夏場にマスクをつけていると、「マスク焼け」状態になってしまうことも。
そこで、マスクの素材別で紫外線透過率を調べてみました。
【マスクの紫外線透過率】 ・不織布:14~24% ・ポリウレタン:13~19% ・綿:ほぼ0% ・ポリエステル+ウレタン:ほぼ0% |
不織布マスク
感染対策や見た目のオシャレさといった部分から不織布を着用している方が多いですね。
しかし、実は不織布マスクは意外に紫外線を通してしまうのです。
そのため、マスクを着用していても日焼け止めは塗っておくべきです。
すっぴん+不織布マスクで日に当たることは避けた方が良いでしょう。
布マスク
布マスクは次のような素材で作られています。
綿 | コットン |
絹 | シルク |
麻 | リネン ラミー |
植物性や動物性の天然素材でできているので、化学繊維のマスクに比べて圧倒的に肌に優しいのが特徴。
洗って使えるので、エコ商品でもありますね。
しかし、ポリエステルやポリウレタンのマスクに比べると、紫外線を通しやすいです。
布マスクの中で一番紫外線を通しにくい素材はシルクです。
麻より綿、綿より絹の方が紫外線を通しにくいと言われています。
布マスクを購入する際の参考にしてみてくださいね。
UVカット機能付きマスク
マスクの種類を問わず、UVカット機能が付いた商品もあります。
◆UVカット加工方法 ・酸化チタンなどの紫外線散乱剤成分を繊維の中に練りこむ ・完成した生地にUVカット効果のある薬剤を塗る ・織り方を工夫して生地の密度を上げる ・繊維の断面を一定にせず乱反射させる |
このように、UV加工にはさまざまな方法があります。
薬剤を塗りつけた場合は、繰り返し洗濯するうちに、UVカット効果が薄れていきます。
繊維に練りこまれている場合、半永久的に効果が続きます。
UVカット効果が持続する目安の期間が記載された商品もあるため、詳細をチェックしてから購入すると良いですね。
日焼け止めを塗らないとどうなる?
紫外線には、UV-A、UV-Bと2種類の波長があります。
皮膚の深部に到達してシワやたるみの原因となるUV-A、すぐに炎症を起こすUV-B。
紫外線対策をしておかないと、肌が黒くなるだけでなく、将来のシミやシワにつながってしまいます。
日焼け止め、日傘、アームカバー、サングラスなどを上手に使って皮膚や目を紫外線から守ってください。
日焼け止めの正しい塗り方
日焼け止めは、数時間おきにこまめに塗ることが大切です。
SPF50+、PA++++といった強い日焼け止めを塗っていても、時間が経てば効果は薄れてしまいます。
衣類やタオル、肌同士の擦れによって日焼け止めは取れてしまいます。
買い物や散歩などのちょっとした外出であれば、SPF30程度のものをこまめに塗ることをおすすめします。
日焼け止めの選び方
日焼け止めには紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類があります。
紫外線吸収剤 | 紫外線散乱剤 | |
メリット | 伸びが良い、白浮きしない | 肌への刺激が少ない、トーンアップ効果 |
デメリット | 刺激が強い、石鹸で落ちにくい | 白くなりやすい、商品が少ない |
日焼け止めは、シーンに合わせて使い分けることをおすすめします。
長時間屋外にいる場合、海や山ではSPFやPA値が高いものを、日常生活やちょっとした外出時はSPFやPAが低いものを選ぶと良いでしょう。
また、日焼け止めの使用期限は、だいたい1年と言われています。
去年のものは使わないようにしてください。
日焼け後のケア
日焼けをしないように紫外線対策をすることは大切ですが、どうしても日に当たってしまうことはありますよね。
マスク焼けや半袖焼け、靴下焼けといった「部分焼け」を経験したことがある方も多いでしょう。
ここでは、そんな日焼けを鎮静する方法をご紹介します。
スキンケア
日焼けをしてしまったら、すぐに冷やしてください。
日焼けは火傷の一種ですから、まずは炎症を抑えることが重要です。
また、日焼けした部分は乾燥しがちなので、保湿することも大切です。
ビタミンCや鎮静成分が入ったスキンケア商品を選ぶと良いでしょう。
美容点滴
日焼け後の炎症を抑える、肌を白くするといった効果を希望する方には「美容点滴」がおすすめです。
美容点滴の中には、日焼け予防としてお使いいただけるものもありますが、日焼け後の治療ができるものもあります。
自宅でのスキンケアだけでは治らない、肌の色を早く元に戻したい、という方は是非美容医療に頼ってみてください。
まとめ
今回は、マスクや衣類の素材によって異なる「紫外線透過率」や「紫外線防御率」についてご紹介しました。
生地の素材や厚み、織り方や色によって日焼け止め効果が異なります。
日焼け止めや日傘などで紫外線を遮ることも大切ですが、マスクや服の素材にもこだわってみてください。