やけど跡のレーザー治療を解説!やけど跡でよくある悩みや施術後の注意点もご紹介します
2023.7.8

やけど跡のレーザー治療を解説!やけど跡でよくある悩みや施術後の注意点もご紹介します

美容整形

医学的に「熱傷」と呼ばれている火傷(やけど)。

高温の物質に触れることで、皮膚や粘膜が損傷した状態を指します。

出血はほとんどなく、赤みや腫れ、水ぶくれなどの症状が出ます。



これらの症状はやけどの深度と関係しており、軽度の場合はほとんどの場合跡は残りません。

しかし、中度~重度のやけどを処置せずに放置するとほとんどの場合跡が残ってしまいます。

今回はやけどの治療法の一つであるレーザー治療についてご紹介します。

やけどの深度

やけどはその深さにより、次のように分類されます。

Ⅰ度熱傷

表皮までの損傷。
・皮膚に赤みが出てヒリヒリとする。
・一時的な色素沈着はあるが、数日で治癒し跡は残らない

浅達性Ⅱ度熱傷

真皮表層までの損傷。
・赤み、痛み、水ぶくれなどの症状がある。
・色素沈着が起こることも。
やけど跡として残ることは少ない
・やけど直後の処置によっては跡になってしまう。

深達性Ⅱ度熱傷

真皮深層までの損傷。
・赤み、腫れ、水ぶくれの症状がある。
・痛みは軽度。
やけど跡として残りやすい。

Ⅲ度熱傷

皮下組織までの損傷。
・赤み、腫れ、水ぶくれなどの症状がある。
・痛みは軽度。
やけど跡が瘢痕として残りやすい。

やけど跡はレーザー治療で治るのか?

やけどの深度や範囲によっては、レーザー治療が可能です。

レーザー治療の他に、切除法やケナコルト注射、再生療法などやけど治療にはさまざまな方法がありますが、

中でも最も多く行われているのがレーザー治療です。

【医療用レーザー】
・フラクショナルレーザー
・エルビウムヤグレーザー など


このような医療機器を使用するクリニックが多いです。

やけど跡でよくある悩み

軽度のやけどであれば跡が残ることはほとんどありません。

しかし、やけどの深度がⅡ度〜Ⅲ度となると跡が残ってしまいます。

ここではやけど跡に関する悩みをいくつかご紹介します。

色素沈着

肌の内部にあるメラニン色素が蓄積されると色素沈着が起こります。

通常、肌のターンオーバーとともにメラニンが少しずつ排出され、半年以内には消失します。



やけどなど炎症が起こると肌の回復する力がはたらき、新しい細胞が作られます。

この時、メラニンを作る細胞が刺激が刺激を受けて活性化すると、メラニンが過剰に生成されてしまいます。

大量に作り出されたメラニンはターンオーバーで排出されず、肌の内部に蓄積されます。

排出されなかったメラニンがやけど跡として残ってしまうのです。

赤み

やけどは損傷の度合いによってレベルが分けられます。

Ⅰ度熱、浅達性Ⅱ度熱傷、深達性Ⅱ度熱傷、Ⅲ度熱傷、のうちⅡ~Ⅲ度のやけどの場合やけど跡として残ってしまいます。

軽い赤みであれば、保湿や紫外線対策だけで改善が望めます。



しかし、中度~重度の場合、やけど直後の処置によって跡として残るかどうかが決まるといっても過言ではありません。

軽度のやけどだと思って適切な処置を怠ると、赤みや色素沈着として残ってしまうことも。

やけどをしてしまったら、すぐに冷水などで冷やし、病院を受診しましょう。

やけど跡のレーザー治療

やけど跡の治療にはフラクショナルレーザーが使用されることが多いです。

ここではフラクショナルレーザーの特徴や費用、治療に必要な期間をご紹介します。

特徴

フラクショナルレーザーとは医療用レーザーの一つ。

点状のレーザーを皮膚表面に照射し、ミクロ単位の穴をあける施術方法です。

皮膚には自己創傷治癒力と呼ばれる再生機能が備わっています。



レーザーによって皮膚表面に微細な穴があけられると、それを埋めるために自力で回復を始めます。

つまり、やけどでできた凹凸を平らな状態に近づけるためには、レーザー治療で肌に刺激を与えることが効果的なのです。

フラクショナルレーザーは、やけど跡だけではなくニキビ跡や瘢痕などの治療にも使用されています。

ダウンタイム

レーザー治療後2日ほどは腫れや赤みなどの症状が出ます。

4~5日ほど経つと表面の皮膚がはがれ始め、新しい皮膚へと生まれ変わります。

レーザー照射後は患部に薄いかさぶたができます。

そこから皮膚が完全に再生するまでには3~6か月ほどの期間が必要です。

治療期間

必要な期間は、やけど跡の状態や範囲によって前後します。

フラクショナルレーザーによる治療は複数回の照射が必要となります。

そのため、半年~1年ほどかけて少しずつ改善していくと思ってください。


治療期間には個人差があります。

医師とのカウンセリングでおおよその期間を確認しておきましょう。

費用

フラクショナルレーザーは保険が適用されません。

そのため、施術にかかる費用はクリニックによって異なります。



また、レーザー照射時に痛みを伴います。

表面麻酔や局所麻酔を使用することがあるので、別途料金が必要な場合も。

具体的な費用は事前に確認しておくと良いでしょう。

レーザー治療を選択するメリット

肩をかく女性

やけど跡治療にはさまざまな方法があります。

【やけど跡の治療方法】
・レーザー治療
・切除法
・ケナコルト注射
・再生療法 など


レーザー照射のメリットとしては施術時間の短さ、ダウンタイムの短さが挙げられます。

レーザー治療は1回30分~1時間ほどで完了します。

術後の腫れや痛みも少ないため、やけど治療の中では手軽な方法と言えます。

そのため、顔や腕などの目立ちやすい場所にできたやけど跡でも治療しやすい点が魅力です。



しかし、やけど跡の状態によっては1度で完了しない場合も。

複数回照射が必要となると、その分費用もかかるので注意が必要です。

やけど跡治療にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

自分に合った施術を選ぶことが大切です。

レーザー治療後の注意点

やけど跡治療に限らず、レーザー治療では照射部位が軽いやけどと同じ状態になります。

そのため、治療後に気を付けるべき点がいくつかあります。

順番にみていきましょう。

かさぶた

レーザー治療では皮膚表面に穴を開けて自己創傷治癒力を高めます。

穴がふさがる過程でかさぶたができます。

通常7~10日程度でポロポロと剥がれ落ちますが、気になるからと無理にはがすことはNGです。

無理にかさぶたをはがしてしまうと傷跡や色素沈着となって残ってしまいます。

レーザー治療の効果を最大限に発揮するためにも、できたかさぶたは触らないでくださいね。

赤み

レーザー照射後は顔が火照ったように熱くなったり赤くなったりします。

レーザーによる熱で軽いやけどが起こっているため、赤みや火照りは正常な反応といえます。

赤みが出た場合は紫外線が当たらないように注意しましょう。

保護テープが処方されている場合は指示に従って貼ってくださいね。

色素沈着

レーザー照射後は肌が敏感になり刺激に弱い状態になります。

ダウンタイム中に紫外線などの刺激を受けると色素沈着を起こす恐れがあるので、刺激を与えない工夫が必要です。

日焼け止めや日傘などの紫外線対策、保護テープなどを上手に使って施術後の肌を守りましょう。



もし色素沈着ができてしまっても、ほとんどの場合肌のターンオーバーによって徐々に消えていきます。

1か月以上たっても薄くならない場合は専門医にご相談ください。

クリニックを選ぶポイント

やけど跡治療としてレーザー治療を検討中の方は、まずはクリニックに相談してみましょう。

その際、クリニック選びが重要です。

これからご紹介するポイントをしっかりとチェックして自分に合った治療を選択してください。

カウンセリングが丁寧

美容クリニックでの事前カウンセリングは非常に重要です。

レーザー治療の場合、皮膚を切除したり縫い合わせるといった処置はありません。

しかし、治療のリスクや副作用がゼロというわけではありません。

カウンセリング時にメリットもデメリットももきちんと説明してくれるクリニックは安心できますよね。

治療内容、治療のリスク、治療期間、費用などをしっかりと説明してくれるクリニックを選ぶと良いでしょう。



カウンセリングを省略して施術を受けると、治療後のトラブルにつながりかねません。

納得したうえで施術を受けるためにも、事前のカウンセリングは大切にしましょう。

実績がある

レーザー治療の実績があるかどうかも重要なポイントです。

過去の実績や症例はクリニックのホームページやSNSで確認することができます。

カウンセリング時に尋ねることもできるので、希望する施術が得意なクリニックなのかどうかを事前にチェックしておきましょう。

アクセス

レーザー治療の場合複数回通うことが多いため、通いやすさも外せません。

クリニックまでの距離が遠かったり乗り換えが多い場合、治療自体を断念してしまうことも。

治療を途中でやめてしまうのはとてももったいないことなので、初めからアクセスの良いクリニックを選ぶことも大切です。

やけど跡を治したい方は

レーザーによるやけど跡治療には、メリット・デメリットがあります。

治療に対する不安や疑問がある方は、まずは専門医のいるクリニックに相談しましょう。



治療について理解し、納得したうえで施術が受けられると良いですね。

不安が残った状態で治療を始めると、術後のトラブルにつながりかねません。

ご紹介したクリニック選びのポイントを参考に、まずはカウンセリングを受けてみてくださいね。

まとめ

今回はやけど跡治療として最も使用されることの多いレーザー治療についてご紹介しました。

レーザー治療は治療時間やダウンタイムが短い一方で、複数回の照射が必要となることがあります。

やけど治療には切除法やケナコルト注射、再生療法などもあるため、やけど跡の状態や範囲に合わせて適切な治療を受けましょう。



やけどの跡は位置によってはとても目立ってしまいます。

術後のダウンタイムを抑えたいという方にはレーザー治療がおすすめです。

ただし、薬物や光線にアレルギーのある方、妊娠中の方、糖尿病や高血圧症の方など施術を受けられない方もいます。

治療を希望されている方は、まずは専門医のいるクリニックにご相談ください。

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