糸リフトの種類
医療用の糸を使ってたるみを引き上げる糸リフト。
皮膚を切開してたるみをなくすフェイスリフト(切開リフト)に比べると手軽に受けられます。
しかし、糸を入れるだけの施術ではありますが、どのクリニックで受けても効果が同じというものではありません。
糸リフトで失敗しないためには、具体的な施術方法や糸の種類を理解しておくことが大切です。
まずは、糸リフトの種類についてみてみましょう。
溶けない糸
糸リフトで使用する糸には、溶ける糸と溶けない糸の2種類があります。
「溶けない糸の方が効果が続きそう」と思う方もいるかもしれません。
しかし、溶けない糸は体内にずっと残ってしまうため、アレルギーや肌トラブルのリスクが高まります。
さらに、溶けない糸が入っていると、ハイフやレーザー、高周波、超音波治療が受けられなくなる可能性も。
そのため、近年の糸リフトでは、溶ける糸が主流となっています。
溶ける糸
溶ける糸とは、挿入から一定期間が過ぎると、体内に吸収される安全性の高い糸のこと。
さまざまな種類があり、素材やトゲ(コグ)のつき方が異なります。
最近では、糸リフトの普及に伴い、どんどん新しい糸が開発されています。
使用する糸の形状や特徴が異なるため、クリニックによって糸リフトで得られる効果も違います。
種類が豊富な糸リフトですが、素材は主に次の3種類です。
PDO | ポリデオキサノン | 昔から使用されている |
PLA | ポリ乳酸 | 生体組織に対する親和性に優れている |
PCL | ポリカプロラクトン | 持続力が高い |
素材によって特徴が異なるため、効果の持続期間やリスクが異なります。
例えば、強い引き上げ力を持つPLAは強度がある分、糸が硬いです。
そのため、引きつれのリスクがほかの素材よりも高まります。
つまり、
「効果が高い=良い◎」
「引き上げ力が強い=良い◎」
とは言い切れません。
自然で美しい仕上がりを手に入れるためには、たるみの度合いや皮膚の状態に合わせて適切な位置に適切な糸を挿入することが重要なのです。
糸リフトの効果とは?
美容医療において「得られる効果」は特に気になるポイントですよね。
ここでは、糸リフトの主な効果をご紹介します。
シワ改善
シワやたるみの治療方法として人気の糸リフト。
皮下組織に糸を挿入し、物理的にたるみを持ち上げるため、気になる部分のたるみ改善が叶います。
年齢とともに生じたたるみを改善し、若々しい印象を取り戻すことが可能です。
・ほうれい線 ・ゴルゴライン ・マリオネットライン |
このような年齢を感じさせるシワの解消にも効果的です。
たるみ予防
糸リフトの挿入後は、これまで顔の筋肉や皮膚だけで支えていた重みを糸が一緒に支えてくれます。
本来、重力によって下がってくる皮膚や脂肪が糸で支えられるため、たるみにくい状態を維持する効果も期待できますよ。
小顔効果
顔が引き締まることで、小顔効果も得られる糸リフト。
まだシワやたるみが気にならないという方でも、小顔効果を目的に糸リフトを受けることができます。
輪郭をしっかりと引き上げ、フェイスラインがスッキリすることで顔全体に立体感が生まれます。
顔が引き締まるとシャープな印象に近づくため、痩せたように見える方もいます。
ハリ・ツヤUP
さらに、糸リフトには、肌のハリやツヤを高める効果も期待できます。
意外に思われるかもしれませんが、挿入した糸が線維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンを増やすのです。
真皮層の弾力やしなやかさの元となるコラーゲンやエラスチンですから、嬉しい効果ですよね。
糸リフトがもたらす肌質の変化を上手に利用することで、見た目の魅力がアップするでしょう。
糸リフトの施術詳細
糸リフトの効果の持続期間
効果の持続期間には個人差がありますが、目安としては1~2年ほどでしょう。
一般的に、施術後半年~1年間がリフトアップ効果のピークと言われています。
その後、糸が溶けるのと同時に効果が薄れていきます。
ただし、溶ける糸を使ったからと言って、突然元に戻ることはありません。
糸リフトによってたるみにくい土台が作られるため、効果が薄れてきてもあまりたるみが気にならないという方もいらっしゃいます。
必要な糸の本数
糸リフトは、挿入方法だけでなく、使用する糸の種類や本数によっても効果や持続期間が変わります。
理論上、1本よりも2本、2本よりも3本の方がたるみを支える力、引き上げる力が強くなります。
さらに、丈夫で引き上げ力の強い糸を使用すれば、その分効果は持続しやすくなるでしょう。
ただし、本数を増やせば増やすだけ良いというものでもありません。
たるみを改善し、若々しい印象を保ち続けたい方は、1~2年おきに糸リフトを入れると良いですね。
ダウンタイム
糸リフトは、たるみ改善の施術の中でも比較的ダウンタイムが短いことで人気があります。
しかし、ダウンタイムが全くないと言えば嘘になります。
個人差はありますが、1週間ほどは腫れや痛み、ツッパリ感や違和感を感じる可能性があります。
腫れと言っても、顔がパンパンに腫れることは稀ですから、そこまで心配はありません。
糸リフト時の腫れは、主に麻酔の影響が大きく、ほとんどの場合数日で気にならなくなります。
内出血が生じた場合も、1~2週間ほどで自然と目立たなくなります。
また、施術直後は、引っ張られるような感覚やつっぱったような違和感を感じる場合も。
しかし、こちらも次第に気にならなくなるのでご安心ください。
仕事はいつから?
糸リフトのダウンタイムには個人差があり、症状はさまざまです。
お客様の中には、施術翌日から仕事をされる方も。
マスクで隠せば他人に気づかれることはほとんどないでしょう。
腫れや痛みが不安な方は、2~5日ほどお休みを取っておくと安心ですね。
糸リフトのメリット
糸リフトは、特にメリットの多い美容医療です。
そのため、たるみ治療や小顔施術の中でも特に人気があります。
では、なぜ糸リフトはこんなにも多くの人に選ばれるのか、そのメリットについて詳しく解説します。
ダウンタイムが短い
糸リフトの魅力の一つに、ダウンタイムの短さが挙げられます。
個人差はありますが、施術後の腫れや痛み、引きつれ感は1週間ほどでおさまります。
腫れてもマスクで隠せる程度ですから、すぐに普段通りの生活に戻れるでしょう。
また、糸リフトは、髪の生え際など目立たない部分から挿入します。
糸を挿入する際の針穴も小さく、周りにバレることはほとんどありません。
ダウンタイムが短く済む糸リフトは、周りに気づかれたくない方、長期休みが取れない方におすすめの施術です。
痛みが少ない
美容医療はどの施術も多少の痛みを伴います。
全く痛みのない施術もありますが、糸リフトと聞いただけで痛みを連想する方もいるでしょう。
糸リフトは、施術中の痛みや施術後の痛みが少ない施術に分類されます。
通常、局所麻酔で施術しますが、痛みが不安な方は笑気ガスや静脈麻酔を使用することも可能です。
効果がすぐ出る
糸リフトは、即効性を求める方におすすめの施術です。
切らないリフトアップ施術には、サーマジェンやサーマクール、ハイフなどがあります。
超音波や高周波を使った施術は、ダウンタイムがほとんどないのでとても人気があります。
しかし、効果を実感するまでに1ヶ月ほどの期間を要します。
マッサージやトレーニングといった自己流のケアも、効果を実感するまでに時間がかかりますし、どれだけ頑張っても効果が得られない可能性も。
その点、糸を使って物理的に皮膚を持ち上げる糸リフトでは、施術後すぐに効果を感じることができます。
フェイスリフトより手軽
糸リフトが登場するまでは、たるみ改善と言えば切開を伴う「フェイスリフト(切開リフト)」しか方法がありませんでした。
皮膚を切開または切除し、たるみを解消するフェイスリフトは、変化が実感しやすい点が魅力です。
しかし、大がかりな手術となるため、ダウンタイムや傷跡の心配もありますね。
一方、メスを使わない糸リフトは、ダウンタイムが短く、目立つ部分に傷跡もできません。
フェイスリフトに比べて、精神的にも肉体的にも負担が少なく済みます。
糸リフトはこんな人におすすめ
さまざまな効果が期待できる糸リフトは、幅広い年齢層の方にお受けいただけます。
輪郭やフェイスラインの悩み、シワやたるみなどご自身の悩みと照らし合わせて検討してみてください。
たるみが気になり始めた
軽度のたるみや初期のたるみ、将来のたるみ予防には糸リフトがおすすめです。
糸リフトの効果には限りがありますが、年齢とともに生じる変化に合わせて施術できる点は魅力ですね。
その時その時の悩みに合わせて施術方法を変えられる糸リフトはさまざまな使い方が可能です。
小顔になりたい
輪郭やフェイスラインの余白が気になる、という方にも糸リフトがおすすめです。
小顔効果を得るために、マッサージやトレーニング、エステや整体など片っ端から試しているという方も多いでしょう。
顔が大きくなる原因によっては、適した施術が異なります。
これまでの悩みが糸リフトで解消される可能性もあるので、まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。
外科手術に抵抗がある
糸リフトとは、皮下組織に糸を挿入するだけの施術ですから、ダウンタイムが短く手軽に受けられます。
メスを入れるのは怖い、ダウンタイムが不安、という方には、糸リフトがおすすめです。
長期休みが取れない職種の方にも人気があります。
糸リフトで失敗しないためには
糸リフトは、身体への負担が少ない施術です。
しかし、体内に糸を挿入するため、リスクがゼロとは限りません。
また、たるみをどのように引き上げるのか、どの種類の糸が適しているか、どの方向からどの方向に向けて引き上げるか…
こういった医師の経験や技術、美的センスにかかっています。
糸リフトの失敗例
・引きつれが起こる ・針穴から感染 ・糸が透けて見える ・肌が凸凹になる ・効果が感じられない など |
糸リフトには、このようなリスクが伴います。
しかし、これらのリスクは、ほとんどが医師の経験や技術不足が原因です。
術後に後悔したくない方は、経験豊富な医師に依頼することが大切です。
また、たるみの状態に合った施術を選択することも非常に重要です。
クリニック選び
術後の傷跡がほとんど目立たず、ダウンタイムも短い糸リフト。
たるみ改善やシワ予防など、エイジングケアのファーストステップとしてとても人気です。
糸リフトの効果は限られているからこそ、美容医療が初めてでも「お試し感覚」で受けることもできます。
しかし、気軽に受けられるとはいえ、デメリットやリスクもゼロではありません。
糸の選び方や挿入方法、引き上げるデザインなど、医師の技術や美的センスによっては仕上がりが大きく変わります。
糸リフトで失敗しないためには、クリニック選びを慎重に行うことが大切です。
まとめ
今回は、糸リフトの効果が持続する期間、必要な本数について解説しました。
糸リフトの効果が持続する期間は、1~2年ほどと限られています。
人によっては効果が短いと感じるかもしれません。
しかし、シワやたるみの解消と予防が同時にできるため、定期的に糸リフトを入れているお顔とそうでないお顔では見た目の年齢に大きな差が生じます。
美しく年齢を重ねるための心強い味方である糸リフト。
「なんとなく老けた気がする」「顔の輪郭がはっきりしない」
このような変化を感じ始めた方は、是非糸リフトを検討してみてください。