タトゥーを除去する方法
一度入れてしまったタトゥーは、年月を経て自然に消えていくということはまずありません。
除去するには美容外科などのクリニックで専門の治療を行う必要があります。
メスを入れないレーザー治療が一般的ですが、タトゥーの状態によっては皮膚を切除する場合も。
レーザー治療にせよ外科手術にせよ、体への負担が大きく費用や時間もかかってきます。
数多くある方法の中から、自分に合った治療法を選択してください。
切縫法
切縫法ではタトゥーが施されている箇所の皮膚を切り取って、傷口を縫い合わせます。
レーザー治療の次に人気な施術ではないでしょうか。
【切縫法が効果的なタトゥー】 ・比較的小さい ・細長い |
縫った跡が引きつれてしまったり痛みが生じたりといったリスクがあるので、大きいタトゥーには向いていません。
植皮手術
植皮手術は皮膚を移植する方法です。
タトゥーが入っている部分の皮膚を一旦除去し、ほかの部位から健康な皮膚を切り取って移植する、といった術式です。
移植用の皮膚はタトゥーの近くの部位が好ましいですが、ご自身のお尻や太ももなど目立たない部分から切り取ります。
これはタトゥー除去だけではなく、傷跡ややけどの治療にも用いられる方法です。
1~2時間程度の手術でタトゥーを除去することができ、幹部は2週間前後で落ち着きます。
短時間でタトゥーを消したい方に適した方法です。
【植皮手術のデメリット】 ・皮膚がなじむまで数年かかる ・傷跡が残る |
皮膚を移植するので、傷跡が残ってしまいます。
削皮手術
読んで字のごとく、皮を削る手術です。
タトゥーが入った部分の皮膚を「シルバーナイフ」と呼ばれる専用のメスで削り取って除去します。
大きなサイズのタトゥーでも一度の施術で除去できるのでスピード感があります。
治療はスピーディですが、皮膚の深部まで色素沈着しているタトゥーには要注意。
皮膚を深く削る必要があるので、やけどをしたような跡が残ることも。
電気分解法
電気分解法ではタトゥーを電気の力で分解して除去します。
ホクロ除去に使われる高周波電気治療機器を用いタトゥーを除去しますが、あまりポピュラーな方法ではありません。
電気治療器は墨色や紺色、茶色い色素に反応するので、タトゥー以外の皮膚に一切ダメージを与えません。
1回の施術で完了し、痛みも長引きませんが「切除術」や「植皮術」と同様にやけどをしたような跡が残ります。
レーザー治療
タトゥー除去の方法として最もポピュラーなのがレーザー治療です。
ご紹介した中では最も痛みが少なく、傷跡も残りにくい方法です。
タトゥーにレーザーを照射すると、色素が破砕され、やがて体外へ排出されます。
レーザーは墨や茶色といった暗い色に反応しやすい特徴があるので、肌の色が濃い方は効果が出にくいといったデメリットがあります。
【レーザーの種類】 ・ヤグレーザー ・CO2レーザー など |
タトゥーの状態によって効果が異なるので、適したレーザーの種類や治療法をご検討ください。
タトゥー除去にかかる期間
タトゥー除去には、状態や治療法にもよりますが費用や時間、体への負担がかかります。
医師のカウンセリングをしっかりと受けたうえで、ご自身の希望やライフスタイルに合わせて有効な治療法を選択しましょう。
植皮手術 1~2時間の手術。基本的に1回で完了 |
削皮手術 1~2時間の手術。基本的に1回で完了 |
電気分解法 1~2時間の手術。基本的に1回で完了 |
レーザー治療 1回5~15分程度。5~10回の照射が必要 |
タトゥー除去のダウンタイム
植皮手術 2週間から1か月は日常生活に制限あり |
削皮手術 約2か月は痛みを伴う |
電気分解法 移植部が馴染むまで3~4年 |
レーザー治療 2~3ヵ月のスパンで照射 |
タトゥー除去 費用の目安
ワンポイントのタトゥーなら数万円程度で入れられますが、除去する費用はそのおよそ10倍かかります。
1cmあたりの費用を設定しているクリニックが多いですが、施術法によるおおよその治療費は下記を目安にしてください。
【10cm×10cmのタトゥー除去例】 |
切縫法 8万円前後 |
植皮手術 45万円~ |
削皮手術 35万円~ |
電気分解法 50万円程度 |
レーザー治療 6万円前後(1ショット約2,000~3,000円の設定もあり) |
外科治療のメリット
タトゥーの色が黒や紺、茶色の場合はレーザー治療が効果的です。
様々な色のタトゥーがある方や完全に除去したい、という方は外科手術が適しています。
外科治療でのタトゥー除去は基本的に1度の施術で完了するので、お急ぎの方にはぴったりの施術ですよ。
ただし、外科手術に不安を覚える方も多く、術後の過ごし方により傷跡が目立ってしまうリスクも。
十分なカウンセリングをうけ、慎重に選択してください。
タトゥーを綺麗に消せる
外科治療の最大のメリットは、スピーディかつ完全にタトゥーを除去できる点です。
レーザー治療は手軽で傷跡も残りませんが、タトゥーが薄く目立たなくなるものです。
タトゥーを完全に消し去ることはできません。
外科治療はタトゥーを完全に除去することはできますが、傷跡が残るデメリットがあります。
広範囲のタトゥーを消せる
腕全体、背中全体、といった広範囲に入ったタトゥーを消すには1回で根こそぎ取り除く外科治療は有効と言えます。
しかし、メスを使った手術になるので、術後の痛みや傷跡など、体への負担が大きいのも事実です。
レーザー治療のメリット
メスを入れない手軽な治療ということで人気のあるレーザー治療。
タトゥーを除去する治療として多くの方が選びます。
タトゥーの部位や範囲を問わず施術可能なので、外科手術に抵抗がある方にオススメですよ。
色素が薄いタトゥーであれば1回のレーザー照射でかなり目立たなくなりますが、通常は2~3か月ごとに5~10回通う必要があります。
傷跡が残らない
医療用レーザーを用いてタトゥーの色素を分解していくため、傷跡が残らず痛みや肌へのダメージも大きくありません。
タトゥーが多色の場合は効果が薄く、部位によっては色むらが残る場合も。
副作用はゼロではないのでご注意ください。
治療費を抑えられる
レーザー治療の相場は手のひらサイズで約6万円。
2~3か月のスパンで計5~10回の治療が必要なので、目安としては6万円×回数分の費用が必要となります。
タトゥーの深さによっては2~3回でほとんど見えなくなるものや、8~10回の治療でもなかなか消えないものもあります。
タトゥーの状態によって金額は変わってきますので、専門の医師と相談してくださいね。
治療時間が短い
タトゥーの状態によっては年単位の通院を必要とする場合もありますが、1回の治療時間は5~15分ほどととても短いです。
レーザー照射には痛みが伴いますが、輪ゴムでパチンとはじいた程度の痛みなので何とか耐えられるはず。
照射するレーザーの機種にも種類があります。
ピコレーザーと呼ばれるものは従来のQスイッチレーザーに比べて短い照射時間で効果を発揮します。
クリニックによって使う機材が異なりますので、正確な治療時間はクリニックに確認してください。
タトゥー除去の注意点
外科治療はもちろんですが、手軽さが人気となっているレーザー治療も医療行為であるため、医師免許所有者でなければ施術ができません。
インターネットで検索していると驚くほど安価なクリニックが見受けられることがありますが、違法である可能性もゼロではないので金額だけで判断をすることはやめましょう。
タトゥー除去は皮膚に入れた色素を人為的に取り除く行為であるため、簡単なものではありません。
レーザー治療によるタトゥー除去も手軽ではありますが、体への負担も無視できません。
ましてや外科手術を行うのであれば、医師の技術力により仕上がりに差が出ます。
タトゥー除去の実績が十分にあり、信頼できる医師と出会えるかどうかが重要になってきます。
まずはクリニックのHPや口コミを参考にして、カウンセリングを受けてください。
タトゥー除去は美容クリニックに相談しよう
タトゥーを入れた後の後悔に加え、除去後のケロイドでさらに後悔することがないように、クリニックや施術の選択は慎重に行いましょう。
選択する施術によっては治療費が変動し、治療期間やダウンタイムも異なります。
まずは、信頼できるクリニックを選び、施術の内容や術後の過ごし方をしっかりと理解したうえで治療に臨みましょう。
まとめ
現代の文化や日常生活を送るうえで、タトゥーを入れること自体には問題はありません。
しかし、タトゥーが入っていることで温泉に入れない、生命保険に入れない、など制限も多くあります。
タトゥーを入れるときに費用や時間、体への負担がかかりますが、除去するときはその何倍もの負担がかかります。
後悔しないためにも、タトゥーを入れる時と除去するときは慎重に判断してくださいね。