美容皮膚科と美容外科 アプローチ法の違い
2023.1.11

眼窩脂肪に対するアプローチ法!皮膚科と美容外科の治療法の違いを解説します!

アンチエイジング

さて、今回は美容皮膚科と美容外科の治療方法の違いについて説明します。同じ美容医療の分野ではありますが、アプローチの仕方に違いがあります。その違いを知って頂き、ご自分にあった「若返り」の対策選びの参考にしてみてください。

皮膚科の治療だけでは劇的に若返らない

日々のスキンケアやメイク、エステでは対処しきれなくなった時、次に望みを託す候補として挙がるのが「皮膚科」です。

皮膚科には、大きく分けると2つの科があります。

【皮膚科】
保険適用の範囲内である湿疹やニキビ、アトピー、イボの除去など、外用薬、内服薬などによる治療を行う

【美容皮膚科】
皮膚科の知識を応用しシミやほくろの除去、肌のアンチエイジングなど、メスを使わない施術を行う


もともと「皮膚科」は、治療や治癒を目的とした診療を行う「皮膚科」、美容に関する肌の悩みのための施術を行う「美容皮膚科」、別々に発展してきました。

しかし近ごろは「皮膚科・美容外科」と併記するクリニックが増えています。

その理由は、クリニックとしての収入源にあります。

保険診療と自由診療

皮膚科の治療は保険適用であるため、治療費が日本全国で統一されており、診療報酬点数によってクリニックの経営は左右されます。

一方、美容目的の施術は、自由診療になるため保険適用外の治療が多く、治療費も自由に設定できます。

そのため、「皮膚科」だけでは経営が困難なクリニックは「美容皮膚科」で補う、というところもあります。



「ニキビ」を例にしてみましょう。

治療のためにお薬を使う方法は保険適用となり、改善した後に残ったニキビ跡を消すレーザーなどを使った施術は自由診療となります。

このように2つの診療科を示しておくと、幅広い治療や施術が可能となり、経営が向上する仕組みです。

ただし、規定により同日に保険適用治療自由診療が行えないため、最低2日以上の通院が必要になります。



こうした背景から、皮膚科のドクターが美容機器を導入して、さかんに美容皮膚科の施術を始めています。

もちろん、若返りのための施術もたくさん行われていますが、皮膚科にとって美容の分野は比較的新しい分野であり、またメスを使わない治療のため、残念ながら「最速・最強・最長」の治療とは言えません。

それを知らずに何度も通って治療を受け続けてしまうと、満足のいく「若返り」には至らず、また多額の出費を伴うことがあります。

仕上がりに限界あり!長持ちしないヒアルロン酸治療

(図1)目の下のクマの原因

図1 目の下のクマの原因


「美容皮膚科」が行う施術の中で最もアグレッシブな若返り治療は注入系でしょう。

例えば、ヒアルロン酸

注射器で体内に入れるとすぐに一定の効果を実感できますから、多くの美容皮膚科が「目の下のクマ」への治療として、ヒアルロン酸注入を行っています。

ここで、ヒアルロン酸について簡単にご説明をします。

ヒアルロン酸とは?

ヒアルロン酸とは皮下組織を構成する成分の1つで、私たちの身体の中にもともと備わっているものです。

そのため、外部から組織の中に注入しても、異物による副反応を引き起こしにくく、比較的安全であるといわれています。

しかし、このヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されてしまうため、その効果は永久的に持続するものではありません。

早くて半年、長く持って1年程で効果は失われてしまいます。



話は戻りまして、「目の下のクマ」へのヒアルロン酸注入ですが、注入する場所や深さが重要となってきます。

それらを誤ると、表面がデコボコになり不自然な仕上がりになってしまったり、時間経過と共に希望通りでない形に変化してしまったりします。


最悪の場合、血管内に針先が入り、ヒアルロン酸がそのまま注入されてしまうと、血管が詰まって血行障害を起こし、皮膚が壊死したり、場合によっては失明をしてしまうこともあります。

上手く注入できたとしても、効果が長続きしないデメリットがあります。

定期的な注入が必要であり、長い目でみると大きな費用がかかってしまいます。

美容外科のクマ治療

かたや、美容外科でのアプローチ法は違います。

詳しくは後々説明しますが、実はクマの原因は「くぼみ」だけではなく、「涙袋」のさらに下にある「目袋」という膨らみも関係しています。(図1)

この「目袋(めぶくろ)」は年齢を重ねるごとに目立つようになります。



美容皮膚科で改善をする場合、ヒアルロン酸はこの目袋の高さに合わせて注入されます。

くぼみが埋まることで、一見、クマが改善したように思うかもしれませんが、これではボリューミーな仕上がりになってしまうのです。

根本的な改善には至らず、一時的にクマを目立たなくさせることしかできません。

(図2)クマの改善方法は皮膚科と美容外科では違う

図2 クマの改善方法は皮膚科と美容外科では違う


皮膚科美容外科の形成ラインの違いを見れば、お分かり頂けると思います。(図2)

つまり、完全に目の下のクマを取り除くためには、ヒアルロン酸の注入だけではなく、前に飛び出た目袋の余分な脂肪を除去する必要がある、ということです。

それが美容外科のアプローチ法です。


余分なところは除去し、くぼみを埋める。

これが本当の理想的な仕上がりと言えます。

たるみレーザーでの治療は「リフトアップ」ではない

もう一つ、美容皮膚科ではレーザー照射による施術があります。

強い光を照射してシミやしわを取り除く治療はご存知の方も多いかと思いますが、実はたるみの改善にもレーザーが使われています。

たるみの治療に使用するレーザーは、厳密には「レーザー」とは呼びませんが、「たるみレーザー」と言われることが多いので、ここでは「レーザー」とします。



皮膚筋膜にレーザーを照射して熱を加えることで、組織は一度破壊され、収縮します。

組織が強力に引き締まると同時に、破壊された組織(コラーゲン)が新たに生成されることでハリと弾力を整えていく、というのがたるみを取るレーザーの考えです。

この施術による引き締め効果は僕も認めてはいますが、あくまで予防としての効果であって、たるみが進行している頬にレーザーを照射しても、劇的に引き上げることは不可能です。

クリニックによっては、高い治療効果を謳い、勘違いをさせているところも見受けられますが、レーザーによる強力なリフトアップは、理論的には難しいと言えます。



一方、美容外科では、溶けるをフェイスラインに通して引き上げる方法や、たるんだ皮膚を切除して引き上げる方法があります。

このアプローチ法であれば、高いリフトアップ効果を得ることができます。

まとめ

美容皮膚科美容外科の違いを、お分かり頂けたでしょうか。

美容皮膚科は「皮膚科医」によって発足され、多くのクリニックがメスを使わない治療を行います。

治療内容は注入系レーザーによるものが主となりますが、若返り効果には、限界があると僕は考えています。


誤解しないで頂きたいのは、美容皮膚科による施術は良くないと言っているわけではありません。

予防策として利用するのであれば、充分な効果を実感できる方法です。

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