「鏡の中の私」はホントの私じゃない…
2023.1.1

美鼻を手に入れ、生活が変わった人たち<症例⑤>整形依存症 その2

前回は、小鼻の広がりにコンプレックスを抱いている専門学校の女子学生さんの例を挙げて、なぜ一度の手術ではなく三度に分けての手術になったのか、手術までの経緯について詳しくお伝えしました。今回はその続編として、彼女の術後の様子を見ていきながら、美容整形のあり方についての僕の考えをお話させていただきます。

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【美人の条件】VOL33鼻整形症例:醜形恐怖症かも…鼻整形を繰り返す女性の症例VOL32から、3度の手術で、娘さんは鼻筋がキレイになり、ずっと愛らしくなりました。しかし、娘さんは、いまでも「自分はブスだ!」と卑下します。何故でしょうか。今回はその続編として、彼女の術後の様子を見ていきながら、美容整形のあり方についての僕の考えをお話させていただきます。

手術の経緯と術後の様子から感じたこと

整形しても自分はブスだと思ってしまう

僕がイメージしていたように、娘さんは鼻筋がキレイになり、ずっと愛らしくなりました。

しかし、娘さんは、いまでも「自分はブスだ!」と卑下します。何故でしょうか。

僕は、この娘さんの状態を、いわゆる「整形依存症」になりかけている、と感じました。



正確な理由は分かりませんが、お母様整形手術を繰り返している(という形跡が見て取れる)ことで美容整形そのものに抵抗がないこと、常に「美しいお母様」のそばにいることで、美への意識が非常に高くなっていること、などが考えられそうです。

あるいは、美しいとはいえお母様もそれなりの年齢ですから、やはり美しさにはわずかながら影が見え始めていることに娘さんが気付いているのかもしれません。


いずれにしても、ご自身の顔を美容整形によって変えていくことに抵抗がない、というのは確かなのです。

整形依存症とは?

依存症と言えば、みなさんがすぐ思いつくものに「アルコール依存症」があるでしょうか。

これは、お酒の量やお酒を飲むタイミングを自分でコントロールできなくなり、いつの間にか「お酒を飲んでいないと何もできない」あるいは「酔った状態が普通だと錯覚している」ような状態です。

過度のお酒は、身体的にも社会的にも有害と分かっていてもやめることのできない、つまりは「病気」なのです。



整形依存症も同じく、美容整形を何度も何度も繰り返してしまう状態です。

自分では「終わり」が決められなくなっているわけです。


周りからは十分きれいになったと思う仕上がりであっても、本人は「もっときれいになりたい」「もっと整形が必要だ」と繰り返し整形を行います。

整形し過ぎで最終的には不自然になってしまう可能性もありますし、何度も整形していることがバレバレになってしまいます。



実際には病名として「整形依存症」というものがあるわけではありません。

強いていうならば、整形依存症の根底には「醜形(しゅうけい)恐怖症」という心の病気があると言われています。


醜形恐怖症」というのは、周りはなにも感じていないのに、自分の外見や容姿に極度にとらわれ、自らを「醜い」と思い込み、日常生活に支障をきたす状態です。

整形依存になりかけている娘さんのために

僕は、娘さんと二人でカウンセリングをさせてもらうことにしました。

今回の娘さんがそうだとは言いませんが、周りから見ても8割の人が「かわいい」と答えるような顔立ちでバランスもよいのに、「自分のコンプレックスはここであり、ここを整形してほしい」と強く要望してきました。

手術も3度に分けてしていることから、整形することに抵抗がないようにも思えました。



しかも手術後も、娘さんは「自分はブスだ!」と、ご自身を卑下していました。

僕はそんな娘さんの今後がとても心配になりました。

理由はどうあれ、まだ未成年の可愛らしいお嬢さんです。



そんな彼女が整形依存症になりかけているのであれば、何とかここで食い止めたい、そう考えて僕は娘さんに以下のことをお話しました。

・あなたはまだ若く、これ以上の美容整形手術は必要ないこと
・若いころに美容整形手術を繰り返すことによって皮膚の老化が進み、中年期以降に悩む人がいること
・今のあなたが一番素敵だということ



また、過去に美容整形手術をしたことがなくても、40代以降になると今度は、皮膚や筋肉が衰え表情も変わり、アンチエイジングのために美容整形を利用する人も多くなることも伝え、今のあなたは人生の中で一番素敵な時期にあることを理解して頂きました。

若い時手術を行なったからといって、生涯修正はいらないってことはない!

美しく年齢を重ねる

人は年を重ねるごとに、顔の印象が変わっていくことはよくあることです。

皮膚や筋肉の衰えにより表情は変わります。


若い時に手術をして美しくなったとしても、その美しい状態が年をとっても続くことは、ほとんどありません。

それは「皮膚」を含む細胞の老化現象ですので、毎日のお手入れや時々のエイジングケアなどにより、少しでも老化のスピードを遅くすることが大切なのです。


若い頃にいくつかの方法で「美」を保とうとしても、年齢を重ねるごとに、何かしらの変化は表れてくるでしょう。

つまり僕のスタンスは「若い時の手術は最小限に留めておくこと」なのです。

いずれ来るであろう変化を見据えて、若い人には、手術をし過ぎることのないよう助言していくことも、美容外科医の役割だと僕は思います。

まとめ

前回と今回の2回に分けて、まだ若いの事例を挙げました。


世の中には、さまざまなコンプレックスを抱いている若い子も、たくさんいるでしょう。

美容整形をすれば美しくなれるのではないかと考えている人もいるでしょう。


でも、一歩とどまって、考えてみてください。

★みなさんがコンプレックスだと思っている部分は、本当に手術が必要な部分ですか?
★自分が思うほど周りは気にしていない、ということはありませんか?



また、自分が抱いているコンプレックス部分ではなく、その他の部分を少し整形しただけで一段と美しくなる、ということも、実際にあります。

自分を客観的に見ることが難しいなら、美の専門家である美容外科医の診断結果を聞いてから、どのような手術を受けるのかを検討してみてはいかがでしょうか?



ちなみにその後の親子ですが、当院に信頼を寄せて頂いたようで、お母様は僕のお客様となりました。

そして娘さんの気持ちも前向きになったということで、とても喜んでおられました。



「手術したい人に手術をする」だけ美容外科医の役割ではありません。

その人の将来のため必要最低限の手術に留めることも必要だと思うのです。

あなたの未来までを考慮した手術法を提供してくれるいい医師と出会えるといいですよね。

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