※当院での治療を検討中の方は事前に写真診察を受けていただきます。
保険診療のメリット
保険診療の最大のメリットは、費用を抑えられるところでしょう。
10割負担の自由診療と比較すると、3割の負担で済む保険診療は魅力的です。
傷跡修正の場合、傷跡ができた経緯や部位、範囲によっては保険適用となります。
ただし、病気や怪我の種類、治療方法が厚生労働省で承認されていなければなりません。
内容も細かく分類されているため、すべてを点数化し治療費を請求することができます。
心の傷につながる傷跡
顔や体に残った傷跡は、心の傷やコンプレックスになりかねません。
傷を見るたびに毎日つらい思いをすることになるので、修正を希望する方が多くいらっしゃいます。
もしその傷が保険適用になるのであれば、費用を抑えて治療を受けることができます。
しかし、保険診療でできる治療は限られています。
自由診療を選ぶべきケースもあるので、治療方法については医師と相談して決めるようにしましょう。
保険適用となる傷跡修正
傷跡修正にはさまざまな方法があり、保険適用となるもの、保険適用外のものに分けられます。
保険適用となるのはどのような傷跡なのでしょうか?
瘢痕の治療
瘢痕治療のための傷跡修正は保険適用となります。
「瘢痕(はんこん)」とは医療用語で傷跡を意味します。
私たちの身体に傷ができると患部に繊維組織が作られます。
繊維組織とは、簡単に言えば傷口をつなぎ合わせる接着剤のようなもの。
傷口に繊維組織ができることで治っていくのです。
この繊維組織はやけどや怪我、手術でできる傷跡に対しても作られ、跡として残ってしまいます。
これが瘢痕と呼ばれる状態なのです。
ケロイド治療
ケロイド状になった傷跡の修正も保険が適用されます。
ケロイドとは瘢痕が盛り上がり広がってしまったもののこと。
傷が原因のもの、体質によるもの、自然に発症するものなどがあります。
瘢痕やケロイドで皮膚が引きつれると、身体が動かしづらくなります。
日常生活に支障をきたすため、瘢痕やケロイド状の傷跡は保険治療が可能となるのです。
外傷性刺青
外傷性刺青(がいしょうせい しせい)とは怪我をしたときに異物が皮膚の中に入り込んでしまった状態のこと。
異物を閉じ込めたまま皮膚がふさがれることで、刺青のようになってしまうのです。
ほとんどの場合、外傷性刺青が自然に消えることはありません。
外傷性刺青は、一般的なタトゥー(刺青/入墨)やアートメイクとは異なります。
意図して作られた色素沈着ではないため、保険が適用されます。
つまり、保険適用となるかどうかは、傷跡ができた経緯が関係しているということです。
保険適用外の傷跡修正
傷跡ができた経緯や傷跡の種類によっては保険適用が難しい場合も。
どのような症状だと自費診療になるのでしょうか?
リストカット跡
カミソリやカッターなどで腕や手首を傷つける行為をリストカットと呼びます。
リストカットによる傷跡は数本~数十本となるケースも。
自傷行為となるため、保険が適用されることはありません。
「傷跡を見るたびにつらい記憶が蘇る」 「人に傷跡を見られたくない」 「半袖を着ることができない」 |
このような悩みがあり、傷跡修正を希望される方がいらっしゃいます。
残念ながら傷跡を完全になくすことはできません。
しかし、傷跡が目立たなくしたり、隠しやすくしたりすることであれば可能です。
保険適用外ではありますが、心をケアするためには必要な治療ではないでしょうか。
妊娠線や肉割れ
保険適用外の傷跡修正として、妊娠線や肉割れの治療もあげられます。
妊娠線や肉割れは、外傷による傷跡ではありません。
皮膚の表面が切れたわけではないため、保険で傷跡修正をすることができないのです。
妊娠線や肉割れは、妊娠や体重の増加によって皮膚が急激に伸びることでできます。
皮膚が耐え切れず、真皮が裂けてしまうことで線になるのです。
皮膚は外側から表皮→真皮→皮下組織で構成されています。
表皮よりも内側にある真皮が傷つくことで皮膚の表面に線ができるのです。
肉割れは、おなか周りにできる妊娠線や太もも、お尻に見られることが多いですね。
傷跡修正の治療法
傷跡修正には主に2つの治療方法があります。
・レーザー治療 ・外科手術 |
傷跡がある部位や大きさによって適した治療法は異なります。
医師と相談して慎重に治療法の選択を行うことが大切です。
レーザー治療
傷跡にレーザー照射を行い、傷跡を目立たなくする治療法。
特に、赤みの強い傷跡や外傷性刺青の治療に用いられることが多いです。
レーザー治療のメリットは、周辺組織への影響が少ない点。
ピンポイントで照射を行うため、周りの皮膚を傷つけません。
デメリットは治療期間が長い点。
1度のレーザー治療で傷跡が目立たなくなるわけではありません。
複数回の治療を経て少しずつ目立たなくなるので、根気強く治療を受ける必要があります。
また、レーザー治療による色素沈着のリスクもあるため、治療を始める前にしっかりと説明を受けましょう。
外科手術
レーザー治療が適していない傷跡の場合、外科手術を行うこともあります。
傷跡を切除し、周囲の皮膚を縫合することで細い線状の傷となります。
メスを入れるため、手術の跡は残りますが、もともとの傷跡よりも目立たない状態にすることは可能です。
比較的大きな瘢痕の場合外科手術を行いますが、大きすぎる場合は1度の手術で終わらないことも。
数回に分けて行うケースもあります。
皮膚の移植
大きく引きつれている場合やケロイド状の傷跡の場合、皮膚の移植を行うこともあります。
ケロイド部分を切除し、他の部分の皮膚を患部に移植するという方法です。
移植元と移植先の2か所に傷跡ができることにはなりますが、瘢痕は目立たなくなるでしょう。
手術の痛み
外科手術を行う場合は麻酔を使用するため、術中の痛みはほとんどありません。
大がかりな手術の場合は局所麻酔ではなく、全身麻酔を行うことも。
傷跡修正における保険診療と自由診療
傷跡ができた経緯や傷の範囲、部位によっては保険が適用されます。
では、傷跡修正において保険診療と自由診療はどのように違うのでしょうか?
◆保険診療
保険診療とは、健康保険が適用になる診療のこと。
健康保険料を支払っていれば、医療費の負担を3割に抑えることができます。
【保険診療の例】 実際にかかった治療費:30万円 保険適用後の自己負担:9万円 |
このように費用を大幅に抑えることができるのです。
保険診療の制限
保険を使って治療を受ける場合、さまざまな制限があります。
・検査 ・治療方法 ・治療期間 ・使用する薬剤 |
保険診療では厚生労働省に承認された治療方法や薬剤などを使用することしかできません。
治療の幅が狭まってしまうとも言えますね。
保険診療は自由診療に比べて自己負担は抑えられますが、治療に制限がかかる点がデメリットといえます。
◆自由診療
自費診療とも呼ばれる自由診療。
健康保険料を支払っていても保険は使わず、100%自費で治療費を支払います。
自由診療の場合、医師とお客様の間で治療に関する契約を自由に結ぶことができます。
そのため、保険診療のように制限されることはありません。
例えば、厚生労働省がまだ承認していない最新の治療を受けることも可能なのです。
自由診療でできること
傷跡ができた経緯や傷跡の範囲、部位に関わらず希望する治療を受けることのできる自由診療。
次のような治療を受けることも可能です。
・美容医療 ・美容整形 ・タトゥー除去 ・リストカット跡修正 など |
自由診療では幅広い選択肢の中から自由度の高い治療を受けることができます。
ただし、クリニックによって対応していない場合もあるので事前に確認しておきましょう。
当院では、目頭切開の傷跡修正を行っています。
傷跡修正における治療費の違い
傷跡修正には保険診療・自由診療があります。
診療内容や治療の目的が異なるため、治療費も大きく変わってきます。
保険診療の費用
保険診療だと医療費の自己負担は3割です。
診療内容に制限はありますが、健康保険が適用になる検査や治療、薬剤であれば医療費を大幅に抑えることができます。
ただし、さまざまな面で制限されてしまうため注意が必要です。
せっかくお金を払って治療を受けるのであれば、理想に近い仕上がりを手に入れたい、と願う人もいるでしょう。
専門医と相談して、自分に合った治療法を選択することが大切です。
自由診療の費用
自由診療の場合、保険がきかないので全額自己負担となります。
その代わり、希望する治療を自由に選択することができます。
保険診療と違って、費用はクリニックによって異なります。
治療費の相場を下調べしてから施術の選択をするようにしましょう。
【傷跡修正の費用相場】 ・レーザー治療:1万円前後(1回) ・外科手術:5万円~ |
レーザーを照射する範囲、手術方法などによっても費用が前後します。
同じ治療方法でもクリニックによって金額が異なる場合も。
治療方法や医療費に関して事前にクリニックと話し合ってから施術を受けるようにしましょう。
傷跡修正は専門医に相談
人によって傷跡の悩みはさまざまです。
「日常生活に支障をきたしている」 「傷跡が精神的負担になっている」‥ |
いずれにせよ、傷跡の悩みを抱えながら過ごす毎日はとてもつらいでしょう。
保険が適用となるか、完全自己負担となるかは、診察してみないと分かりません。
まとめ
今回は、傷跡修正が保険適用となる場合、全額自己負担になる場合の例をいくつかご紹介しました。
保険治療は医療費を抑えることができますが、受けられる治療は限られてきます。
反対に、自由診療では希望する施術を自由に選択することができますが、費用は全額自己負担となります。
傷跡によっては保険適用外となる場合もあります。