ヒアルロン酸とは
人体にもともと存在する成分であるヒアルロン酸。
保水力に優れており、肌の潤いや弾力に欠かせません。
美容クリニックでは、ヒアルロン酸で作られた製剤を注射器で注入する「注入施術」を行っています。
ヒアルロン酸注射の目的
・輪郭の形成 ・リフトアップ ・ボリュームアップ |
ヒアルロン酸注射は主にこのような目的で行います。
例えば、おでこの形を整え、あごを少し前に出すことで横顔が整います。
また、涙袋や唇に注入してボリュームアップ、肌のハリや弾力を出してほうれい線を目立たなくすることもできます。
目的に合わせてさまざまな使い方ができるヒアルロン酸注射は、年齢を問わず人気ですよ。
特徴
ヒアルロン酸注射後、万が一気に入らなければ、ヒアルロン酸溶解注射によって溶かすこともできます。
また、ヒアルロン酸は永遠に残るものではありません。
良くも悪くも徐々に体内に吸収されていくのです。
多くの場合1年前後で吸収されますが、注入する部位や製剤によっては吸収される速度が異なります。
ダウンタイム
ヒアルロン酸注射を行うと、内出血や腫れが出る場合があります。
1~2週間ほどで引くので、美容施術の中では比較的手軽な施術といえますね。
重大なリスク
ヒアルロン酸注射には、実は「血流障害」と呼ばれる重大なリスクが潜んでいます。
血流障害とは、ヒアルロン酸製剤を誤って血管に注入してしまい血管が狭くなったり詰まったりしてしまうこと。
鼻のつけ根の鼻根部へのヒアルロン酸注射は血流障害のリスクが高いため、おすすめできません。
リスクを避けるためには解剖学を熟知している医師、丁寧に施術を行ってくれる医師、リスクの説明もしっかりと行ってくれる医師との出会いが大切です。
おすすめの注入部位
・おでこ ・唇 ・あご |
顔のさまざまな部分に注入可能なヒアルロン酸ですが、その中でも特におすすめの部分を3つご紹介します。
◆おでこ
世代を問わず人気が増しているのが、おでこへのヒアルロン酸注射。
丸くて少し広いおでこは女性らしさがあり柔らかい印象を受けます。
鼻を高くする手術と併せて行うことで、横顔美人に近づきますよ。
30代を過ぎるとおでこ・ほほ・あご・フェイスラインなど、部分的に骨のボリュームが低下し、顔がたるみやすくなります。
年齢に合わせてボリュームを補うことは、美しさを保つ秘訣ですよ。
施術方法
おでこの上の方に針穴を空け、とても細いカニューレを使い細かくヒアルロン酸を注入します。
その際、眉のあたりに2か所ブロック麻酔を行いおでこの痛覚を弱めます。
局所麻酔を神経付近に打つことで、痛覚の神経経路がブロックされ、痛みがかなり軽減されるのでご安心ください。
効果の持続期間
おでこへのヒアルロン酸注射の場合、骨膜上の深い部分に製剤を注入します。
そのため、他の部位に比べると効果の持続期間が長くなります。
長い方だと数年持つという方もいらっしゃいます。
ダウンタイム
注入量が多ければ多いほど腫れやすいです。
血管の多いこめかみにも注入する場合は、内出血が出やすくなります。
2週間ほどは大事な予定を入れない方が良いでしょう。
◆唇
リップのデザインは、好みが分かれます。
M字リップが好きな方、ナチュラルなボリュームが欲しい方…
理想の唇の画像をお持ちいただくと理想のデザインが伝わりやすくなります。
また、上唇にヒアルロン酸を注入することで、人中が短くなるという効果も。
人中が短くなると若く見えたり、顔の印象が変わったり…
鼻の下を切開して人中を短くする手術は傷跡が目立ちやすいので、まずはヒアルロン酸注射を試してみてはいかがでしょうか?
施術方法
ヒアルロン酸注射において、唇は特に痛みを感じやすい箇所です。
そのため、歯科治療で使うようなブロック麻酔を4か所行うことで痛覚を麻痺させます。
鏡でボリュームを確認しながら注入するので、好みに合わせた仕上がりにすることができます。
効果の持続期間
ヒアルロン酸製剤は種類によって硬さや持続期間が異なります。
唇に注入する場合は柔らかい質感のものを使うため、一般的な効果は3~4か月ほど。
効果を持続させたい方は定期的な注入がおすすめです。
ダウンタイム
個人差はありますが、腫れや赤み、内出血が出る場合も。
多くの場合1~2週間ほどで落ち着くのでそこまで不安に感じる必要はありません。
◆あご
フェイスラインの美しさを左右する重要なパーツであるあご。
あごがしっかりとしていると横顔がきれいに見えますよ。
あごが後退している方、Eラインを整えたい方にはあごのヒアルロン酸注射がおすすめです。
あごの施術にはさまざまな方法があります。
まずはカウンセリングで、医師にどの方法が適しているのかを聞いてみると良いでしょう。
施術方法
カウンセリングでは理想のイメージや悩みをお話しください。
ヒアルロン酸注射が適応であれば、顔全体のバランスやEラインを確認しながらデザインを決めていきます。
デザインが決まれば、局所麻酔を行いヒアルロン酸注射を行います。
効果の持続期間
あごに使用するヒアルロン酸は硬めの製剤を使います。
そのため、期待される持続期間は1年以上。
ただし、使用するヒアルロン酸製剤によって持続期間には差があるのでクリニックにご確認ください。
ダウンタイム
あごは他の部位に比べるとダウンタイムが起こりにくい部分です。
ただし、個人差があるので腫れや赤み、内出血などが出る場合もあります。
多くの場合、1~2週間ほどでおさまります。
まとめ
今回はヒアルロン酸注射がおすすめな部位を3つご紹介しました。
さまざまな部分に注入可能なヒアルロン酸ですが、特におでこ、唇、あごへの注入がおすすめです。
反対に、鼻へのヒアルロン酸注射は血流障害のリスクがあるためおすすめできません。
ヒアルロン酸注射を検討中の方は、しっかりとメリット・デメリットを知ったうえで施術を選択するようにしましょう。