ボトックス治療の重要ポイント
2023.1.19

ボトックス治療の重要ポイント!吊り眉にならないために

最近「ボトックス」という言葉をよく聞くと思いますが、そもそも「ボトックス」ってどんな効果があるの?治療方法は?と疑問を抱く方もいるかと思います。そんな「ボトックス治療」について、今回は詳しくお伝えしていきます。

筋肉の緊張を取り、シワの発生を防ぐ「ボトックス」

グローバルビューティークリニックでのボトックス治療

表1 GBCでのボトックス治療


美容医療におけるボトックス治療の多くはエイジングケアに応用されていて、目尻や眉間、額などに表れる、表情じわの解消に効果を発揮しています。

顔のしわは皮膚の下にある筋肉と密接な関係にあります。


例えば、「笑いじわ」の場合ですと、笑うたびに目尻にある筋肉が同じ収縮を繰り返すことで刻まれていきます。

ボトックスには、この筋肉の動きを止める作用があります。


例えば笑いじわに対しては、「笑ったときに収縮する筋肉の緊張を取る」という作用が期待できます。

つまり、皮膚の折れ曲がりを防ぎ、しわになりにくい肌質にすることができるのです。

3~4ヶ月ごとの治療が効果的

ボトックスは、注射後すぐに効果が現れるものではありません。

個人差はありますが、2~3日かけて末梢神経や筋肉に作用し、徐々に変化が現れます。

筋肉の緊張を抑制する効果があるため、注射後は突っ張った感覚が残るという方もいますが、数日中で解消されます。



効果のピークは、注入後2週間から1ヶ月程度。

その後、3~4ヶ月ほどで効果が緩やかに薄れていきます。

すると、筋肉の動きも元に戻り、表情によって肌が寄ってしまうので、このくらいのタイミングで再び施術を行うことが好ましいでしょう。



ボトックス治療は、繰り返しの治療で身体に大きな負担がかかったり、副作用が現れたりといった問題はほとんどありません。

何もしなければ確実に深く刻まれていく「しわ」。

その進行を防ぐためには、定期的に治療を行い、「顔に折り目を付けない」という予防を続けることが有効です。

注射の打ち方や位置が自然な仕上がりの決め手となる

ボトックス治療は「注射するだけ」といった実にシンプルな方法です。

だからといって、どのクリニックの医師に任せても安心というわけではありません。

医師のセンスと技術力次第では、妙にこわばった顔になってしまうことがあるのです。



ボトックス製剤のシェアが世界No.1であるアメリカのアラガン社は、自社のボトックス使用について独自の方式を推奨しており、多くの医師はこの方式に沿って施術を行っています。

しかし、この方式では稀にお客様の表情が不自然になる場合があるのです。



僕の場合は、顔の筋肉に沿って短時間で数ヶ所注入する方法を採っています。

注入の仕方や注入する場所によって仕上がりが変わるため、強いこだわりを持って僕は治療を行っております。


以下、その違いを説明していきます。

眉間のシワ

眉間のシワにボトックスを打つ位置の例

図1 眉間のしわにボトックスを打つ位置の例


僕が以前アラガン社の講習会で教わった「眉間の縦じわの改善」では、鼻の付け根から縦に伸びる鼻根筋(びこんきん)と、横に伸びる皺眉筋(すうびきん)の中央部分あたりまで注入するように指導されました。

しかし、その位置にボトックスを打つと、眉頭の筋肉は動かなくなる一方で、眉尻にある筋肉は通常通り動くため、「吊り眉」になってしまうことがあります。

実際、他院で施術を受けたお客様が「吊り眉」になったと、当院に来院されたこともあります。



そこで僕は、眉毛の動きは極力止めず、眉間の動きだけを止めるよう、ボトックスを打つようにしています。(図1)

僕はの位置に注入します

×の位置には注入しません

こうすることで、「吊り眉」になることを防いでいるのです。



ただ、お客様によっては×▲の位置にも打つ必要があるときがあります。

ボトックスもお客様の筋肉に合わせて打つことが重要であり、この注入する位置の違いが、「アラガン式」と「杉崎式」との違いです。

額のシワ

杉崎が額にボトックスを打つ位置の例

図2 杉崎が額にボトックスを打つ位置の例


額のしわの対策は、額の下の方にボトックスの作用が効き過ぎてしまうと、眉や目の周辺が重たく下がったようになるため、基本的には、やや上寄りに注入することがポイントです。(図2)

額の横じわは、額を覆う前頭筋が縦に収縮することで生じます。

ですから、基本は額の中心あたりからサイドにかけて注入します。



しかし、その位置はお客様に合わせて微調整が必要です。

額へのボトックス注入でも「吊り眉になった」と、当院にお客様がしばしば来ます。



ある方の場合は、目尻の筋肉の止まりが甘かったため、目尻だけが上がってしまい、吊り眉になっていました。

先ほど、注入位置は「額のやや上寄り」とご説明しましたが、目尻だけは「やや下側」に注入してボトックス効果を効かせるようにしています。

そうすることで、吊り眉が防げますし、まぶたに重さを感じることもなくなります。

目尻と目の下のシワ

目尻と目の下のシワに対し杉崎がボトックスを打つ位置の例

図3 目尻と目の下のしわに対し杉崎がボトックスを打つ位置の例


目尻、目の下のしわの改善では、目の周囲にある眼輪筋(がんりんきん)という筋肉に注入をします。

ただし、目の下への注入には注意が必要で、目頭側や下まぶたの中央あたりに打つと表情がなくなってしまいます。

眼輪筋が縦に収縮したときにしわが寄る、目尻と目の下の外側にだけ打つのがポイントです。(図3)



ボトックスは浸透して広がる性質があるため、注入した部分だけではなく周囲の筋肉にも作用します。

ですから、お客様の顔の状態浸透する範囲を計算しながらボトックス注入を行うのが、杉崎式です。

まとめ

当たり前のことですが、ボトックス治療を行う際にはしわの改善に焦点を当て、必要以上の量を注入しないことが基本です。

広範囲に効き過ぎてしまうと、不自然になってしまう恐れがあります。

満足度の高い施術を実現するには、しわ改善だけではなく、表情に違和感が出ないよう十分に配慮した治療が、重要だと考えています。



ボトックス治療を繰り返すことで身体に大きな負担がかかったり、副作用が現れたりといった問題は、僕はこれまで経験していませんし、一般的にもこうした問題が起こることは少ないでしょう。

だからといって、ヒアルロン酸注入と同様、打ち過ぎはよくありません。

場合によっては、表情のない不自然な仕上がりになってしまいます。



若々しくきれいでいるために行うボトックス治療

一時的ではあっても無表情でステキな笑顔を失ってしまうのは、やはり悲しいですよね。

後悔しないためにも、ボトックスの性質や効果などを丁寧にわかりやすく説明してくれるクリニックを選ぶようにしましょう。

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