鼻ギプスはマスクで隠せる?
鼻整形後は、患部を守るために数日間ギプスやテーピングで固定します。
手術内容や施術部位によってギプスの大きさや範囲が異なります。
隠せる場合
鼻尖や鼻柱だけといった鼻先のみの手術を受けた場合、マスクでギプスを隠すことは容易でしょう。
鼻尖形成術や鼻中隔延長術のみを行った場合、多くの場合鼻先に小さめのギプスを装着します。
鼻翼縮小術など、術後にギプス不要の手術もあります。
隠せない場合
鼻背部、鼻根部、眉間への手術の場合、ギプスを隠すことは難しいでしょう。
例えば、鼻筋へのプロテーゼ挿入、ワシ鼻修正といった手術後は、鼻背~眉間にかけてギプスで覆います。
そのため、マスクの上からギプスやテーピングが顔を出してしまいます。
鼻の骨折を形成外科で治療する場合も同じような処置をとります。
そのため、「鼻の美容整形を受けた」と言わずに「鼻の治療を受けた」と周りに説明している方もいらっしゃいます。
鼻ギプスが必要な美容整形
鼻整形を受けたからと言って、必ずしもギプスが必要になるとは限りません。
手術内容によっては、テーピングで固定するだけ、ギプスだけ、どちらも不要といった場合があります。
それでは、どのような鼻手術を受けた場合、ギプスが必要となるのでしょうか?
鼻尖形成(鼻尖縮小)術
日本人に多い団子鼻、低い鼻、ブタ鼻の解消法として人気のある「鼻尖形成術」。
鼻尖形成ではまず鼻先の脂肪や皮下脂肪といった軟部組織を除去します。
その後、左右に開いた鼻翼軟骨を中央に寄せ、高さを整えながら糸で固定します。
シャープな鼻先、ツンと尖った綺麗な鼻を手に入れたい方におすすめの手術です。
鼻尖形成では、軟部組織の除去、鼻翼軟骨の移動を行うため、一定期間ギプスの装着が必要となります。
鼻尖部軟骨移植
鼻先に高さが欲しい方、鼻先の向きを変えたい方、鼻先の形を整えたい方におすすめの軟骨移植。
耳の軟骨を採取し、形を整えながら鼻先に移植する方法です。
軟骨を数枚重ねれば高さが出ます。
挿入位置や挿入個所を微調整すればアップノーズ気味の鼻、前向きの鼻、斜め下向きの鼻など、鼻先の向きも自由自在です。
鼻尖部軟骨移植では、軟骨を移植して定着させるため、術後はギプスでの固定が必要となります。
鼻中隔延長術
鼻中隔(びちゅうかく)とは、左右の鼻の穴を分ける壁のこと。
この壁が短いと鼻が低くなり、正面から鼻の穴が見えやすくなります。
鼻整形で鼻中隔を伸ばすと、鼻先が下向きになり、鼻の穴が目立たなくなるのです。
鼻中隔延長術では、耳軟骨、肋軟骨、保存軟骨などを使い鼻中隔軟骨を伸ばします。
鼻の高さや長さを調整したい方におすすめの手術です。
手術によって軟骨を移動させるため、術後はギプスで固定する必要があります。
プロテーゼ隆鼻術
鼻整形の中で最も人気のある鼻プロテーゼ。
当院では、鼻の穴の中を切開しプロテーゼを挿入、鼻筋を整えます。
顔に立体感が出るためとても満足度の高い施術です。
プロテーゼ挿入後は、鼻筋をギプスで固定します。
鼻先だけではなく、鼻全体を覆うため、マスクからは少しはみ出してしまいます。
ワシ鼻修正
鼻筋にハンプ(コブ)がある場合、削ったり切除したりすることでワシ鼻を解消します。
術後は鼻筋の出っ張りが滑らかになるので、スッと通った鼻筋が手に入ります。
ワシ鼻修正では、鼻の穴の中を切開し、そこから施術を進めます。
鼻骨にアプローチする手術なので、術後はギプスでの固定が必要となります。
鼻背部~鼻根部にかけてギプスで覆うので、マスクでは隠せないかもしれません。
鼻ギプスはなぜ必要?
ギプスやテーピングは、術後の鼻の形状を維持するためにとても重要な処置です。
しかし、中には「鼻整形は受けたいけどギプスは嫌だ」といった方もいらっしゃいます。
鼻ギプスの必要性について理解を深め、医師の指示に従ってダウンタイムを過ごしてください。
理想の形を保持する
鼻ギプスやテーピングは、術後の鼻の形状を維持するために必要不可欠な装置です。
手術内容や術式によっては、固定不要の場合もありますが、多くの場合ギプスやテーピングなどで固定します。
手術をすればすぐに理想の鼻になる、というものではなく、腫れなどのダウンタイムを経て半年から1年かけて完成に近づきます。
理想の鼻を手に入れるためにも、ギプスやテーピングはとても重要な役割を果たしているのです。
術後の鼻を固定する
手術を受けた鼻はとてもデリケートです。
鼻ギプスは、そんな不安定な鼻を支える役割があります。
術後の形状を保持するためには、ギプスやテーピングを使った固定がとても重要です。
術後の鼻を保護する
鼻整形後は患部が気になって触りたくなる気持ちは分かります。
しかし、術後に鼻を触ることはNGです。
不必要に触ってしまう、寝ている間にぶつけてしまう、無意識のうちに指が鼻に…
といったことを防ぐためにも、一定期間は鼻を固定します。
固定を外してからも、鼻に細心の注意を払って過ごしてほしいですね。
腫れを防ぐ
ギプスやテーピングには、腫れや内出血を防ぐ役割もあります。
術後はダウンタイム期間が生じます。
ギプスの着用で症状をゼロにすることはできませんが、固定しておくことで腫れを抑える効果は期待できるでしょう。
鼻ギプス着用時の注意点
鼻整形後のギプスは目立つので隠したいですよね。
マスクや眼鏡などで隠したいと思う方も多いでしょう。
しかし、ギプスを隠す際には、いくつか気を付けていただきたい点があるのでご紹介します。
圧力をかけない
ギプスやテープの本来の目的は、術後の鼻の形状を保つこと。
鼻に圧力のかかるマスクを着用することで、せっかくの鼻整形が台無しになることは避けたいですね。
鼻を締め付けるようなデザインのマスクはあまり見かけませんが、ゆったりとした大きめのマスクを選ぶと良いでしょう。
眼鏡の着用注意
術後最低でも1か月は眼鏡やサングラスの着用は避けてください。
ギプスが目立てばマスクや眼鏡で隠したくなる気持ちは分かります。
しかし、ギプスに眼鏡の重さがかかれば本来の目的を果たせなくなるかもしれません。
触らない
ギプスで固定している間はかゆみが出る可能性があります。
しかし、気になるからといってむやみに触ってはいけません。
こすったりかいたりという行為はもちろん禁止です。
マスクを交換する
術後は傷があるのでなるべく清潔な状態を保っていただきたいです。
そのため、ギプスの上から着用しているマスクも、汚れたらすぐに交換しましょう。
汚れなくても、人込みや病院といった菌が多い可能性のある場所へ出向いた後はマスクを取り換えると良いですね。
鼻ギプスを装着する期間
基本的には術後3日ほどでギプスを外すためにご来院いただきます。
術後の経過や鼻の様子を確認しますが、その後も1週間ほどご自宅でギプスをつけていただくことを推奨しています。
ギプス装着中はどうしても違和感やかゆみを伴います。
だからといって自己判断でギプスを外さないでください。
かゆくて我慢できないようであれば、すぐにクリニックにご相談ください。
ダウンタイム中の注意事項
術後は鼻ギプスやテーピングをつけていただきますが、その他にも注意点がいくつかあります。
クリニックによって注意点が異なる場合もあるので、医師の指示に従って過ごしてください。
触らない
術後半年間は患部をむやみに触らないでください。
傷口が気になるのはよくわかりますが、完成後の形を美しく保つためにも触ったり動かしたりすることはNGです。
運動を控える
術後1週間ほどは運動を控えましょう。
ダウンタイム中の運動は体温を上げて腫れを悪化させるだけではなく、汗が患部に入ると感染のリスクも上昇します。
術後1週間以降はむしろ軽く運動して、血行を良くした方が腫れは引きやすいので、クリニックと相談しながらウォーキングやジョギングをしてみてください。
睡眠の取り方注意
ダウンタイム中は睡眠時間や寝相に注意しましょう。
寝すぎるとむくみやすくなるので、いつも通りの睡眠時間を心がけてください。
また、心臓よりも鼻が低い位置にあると血が上り、腫れやむくみを悪化させてしまうので、枕を高くして仰向けでお休みください。
寝返りを打って鼻が下敷きにならないようにも注意が必要です。
耳軟骨を採取した方は、患部が下にならないように気をつけましょう。
塩分注意
塩分を多く含んだ食べ物や飲み物には注意が必要です。
血中の塩分濃度が上がると、濃度を薄めるために水分が大量に必要となります。
すると水分を増やそうと血液量が増え、血圧が上昇します。
高血圧の状態になると、傷口からの出血リスクが高まるので塩分の多い食生活は避けましょう。
サウナは3か月たってから
患部に水がかかることを避ければシャワーや洗顔は当日から可能ですが、固定を外すまでは患部の洗顔はできません。
湯船に浸かることは腫れや感染リスクを考えると1か月間はNGです。
また、術後は皮膚が弱くなっており、火傷のリスクも考えられるため、サウナは3か月間控えましょう。
飲酒・喫煙
お酒は術後1週間たってから、タバコは3か月たってからにしましょう。
完成は半年後
鼻整形後に鼻が完成するまでには早くて半年ほどかかります。
術後の症状がおさまっても完全な状態になるまでには一定期間必要です。
完成するまでも完成してからも、鼻は宝物を扱うように丁寧にケアしてくださいね。
鼻ギプスに関する悩みを解決するには?
手術内容、術後の症状や過ごし方、ギプスやテーピングの使用方法に関して分からないことがあればクリニックにご相談ください。
鼻整形に関する疑問や不安はたくさんあると思います。
これから鼻整形を受ける方は、分からないことは手術前に必ず解決しておきましょう。
ネット上の情報
インターネットを開けばさまざまな情報や口コミが見つかりますよね。
しかし、中には間違った情報もあります。
数多くある情報の中から正解を見つけ出すのは難しいことです。
専門知識を持った医師に相談することが一番の近道ですよ。
鼻ギプスの代用
鼻整形の種類によっては鼻ギプスが必要な場合、必要ない場合があります。
また、体質によってはギプスが使えないことも。
そのような場合は、ギプスの代わりにテーピングで固定するなど、臨機応変に対応いたします。
不安点があればカウンセリング時にお話しください。
まとめ
今回は鼻整形後に必要となる鼻ギプスやテーピングについてご紹介しました。
術後にギプスが必要となるケース、ギプスをマスクで隠す際の注意点についてお分かりいただけましたか?
鼻整形は決して安価なものではありません。
ダウンタイムやリスクが心配な方も多いでしょう。
しかし、専門の医師の手術を受け、アフターケアや衛生管理を十分に行えば、リスクは最小限に抑えられます。
鼻に悩みのある方は、お気軽にカウンセリングにお越しください。