悪徳美容外科に騙されていませんか?
2024.7.10

悪徳美容外科に騙されていませんか?美容クリニックの実態をご紹介します

近年、美容外科の広告が多く見られるようになり、美容整形の存在がより身近なものとなりましたね。

一方で、実際に行われた施術によるトラブルに対する苦情や相談が増えているのも事実です。

今回は美容外科業界の実態や、騙されないための心得についてお伝えします。

美容外科の実態

最近の美容ブームからも分かるように、多くの方が抵抗なく美容外科を受診できるようになりました。

その理由としては

・美容外科医やクリニックの増加
・美容外科の広告が見られるようになったこと
・美に対する意識の変化

このようなことがあげられるでしょう。

さらに、SNSや口コミサイトを通じて体験談や症例写真を見ることもできるため、美容外科を身近に感じる人も増えたのではないでしょうか?

ここで、美容クリニックが掲載している症例写真について少し触れたいと思います。

症例写真からわかること

私は、美容クリニックがホームページ等に症例写真を掲載することに賛成です。

お客様目線で見る症例写真は、施術後の具体的なイメージを抱くための一つの目安となります。

また、同じ施術でも医師によっては仕上がりに違いが出ます。

医師ごとの症例写真を比較することで、クリニックや医師選びに役立ちますよね。

いつ撮影された症例写真か?

ここで気を付けていただきたいのは、その症例写真がいつ掲載(撮影)されたものなのか、ということです。

写真に写るお客様の髪形やメイクが今の時代とかけ離れているな、と感じた場合は、相当昔の写真を使用している可能性があります。

古い写真を掲載し続けるクリニックは、現在はあまり施術を行っていないか、成功例が少ないと考えられます。

症例写真のココをチェック!

・更新頻度
・最終更新日

症例写真を見る場合は、この2つのポイントに注目しましょう。

最新の症例写真が高頻度でアップされていれば、そのクリニックは現役でその施術を行っていて日々更新できる環境にあるというわけです。

当院では毎日のように症例写真を更新しています。

これは、毎日施術を行っている証拠でもあり、技術の証明にもなります。

症例写真をチェックすることは、お客様にとっても医師選択の基準になるのではないでしょうか?

画像は加工していないか

ただし、これも正確な情報であれば、の話です。

最近の技術を使えば、画像編集が簡単にできてしまいます。

医師の技量を高く見せるために加工後の写真が掲載されている場合もあるそうですが、これを見抜くのは至難の業です。

広告ガイドライン違反にもなるため、加工後の写真を使用してはいけません。

誠実なクリニックかどうかを見極めることも大切なことですね。

集団訴訟に至った美容整形

過去に起きた「美容整形に関する集団訴訟」をご存じですか?

これは、顔のたるみを取る手術を受けた20代~70代の男女70名ほどが起こした訴訟。

施術後、事前の広告や説明になかった強い痛みや顔の腫れが出たことに対して賠償を求めたものです。

実はこの訴訟は「ヒアルロン酸注入1万円」という趣旨の広告で多くのお客様を集め、半ば強引に別の手術を勧めたことが問題となりました。

しかし、この訴訟に対し国は「症例写真に問題がある」と判断し、広告掲載時のガイドラインが強化されました。

減らない苦情

広告掲載に対する規制の強化によって苦情が減れば良かったのですが、そううまくはいきませんでした。

理由は、根本的な原因を解消できていなかったからです。

消費者センターに寄せられる相談内容のほとんどは

「無理やり契約させられた」
「高額な施術を押し付けられた」
「術後の経過が悪い」

といった契約や保証に関することです。

国が症例写真の掲載を禁止してしまうと、お客様は技術の良しあしを決める方法がなくなり、何を基準に医師やクリニックを選べばよいかがわからなくなります。

糸リフトを利用した悪徳な手口

長時間にわたる拘束や医師の言い値での契約は悪徳であるといえるでしょう。

私はとある会合で、ある医師から直接こんな話を聞きました。

自慢げに話す医師

『お客様をカウンセリングと称して5時間にわたり拘束し、「最新の糸リフトを行いましょう。本来ならば1,000万円かかる施術ですが、特別に800万円にします」と提案し、ローンを組ませた。契約上は6本の糸を入れることになっているが、実際には4本しか入れなかった。』

こう自慢げに話す医師に驚きを隠せませんでした。

これはつまり、お客様に嘘をついていることになるため、立派な詐欺です。

私は、この話を聞いて強い怒りを感じ、この医師の資格をはく奪してほしいとさえ思いました。

きっとこのお客様は多額のローンだけが残ったことでしょう…。

2つの問題点

このケースで悪いのは当然悪徳な医師なのですが、なぜこのような問題が起こってしまったのでしょうか?

問題点は大きく2つあります。

①契約を交わしてしまったこと

なぜお客様がこの高額な契約を交わしてしまったのか、というところにあります。

糸リフトの本数は6本で800万円という金額は高額すぎます。

美容クリニックのほとんどは糸の本数と金額をホームページに記載しているので、事前に複数のクリニックを比較していれば、金額を提示された時点で気づくはずです。

施術の相場を事前に知っておくこと、少しでもおかしいと思ったらその場から離れることが大切なのです。

②持続期間を知らなかったこと

実際、糸リフトによる効果の持続期間は長くても2~3年ほど。

持続期間をあらかじめ知っていれば、数十年にわたる長期ローンなんてあり得ません。

糸リフトの効果がなくなってからもローンが残るような金額が提示された場合は、一旦冷静になって考え直すべきです。

悪徳な手口を見抜くために

これは悪徳な手口にお客様が引っかかってしまったために起きた悲劇です。

私は、お客様には冷静な判断をしていただきたいと思いますし、医師やクリニック選びは慎重に行っていただきたいです。

インフルエンサーを利用した悪徳クリニック

最近はインフルエンサーと呼ばれる存在を使ったSNS広告が増えています。

インターネットに詳しい方ならご存じかと思いますが、SNSにはそれを見た人に非常に大きな影響を与えるインフルエンサーと呼ばれる存在がいます。

【フォロワー数】
100万人以上:トップインフルエンサー
10万人以上:ミドルインフルエンサー
1万人以上:マイクロインフルエンサー
~1万人:ナノインフルエンサー

インフルエンサーたちのフォロワー数は桁外れに多いので、

「この商品はとても良い」
「こんなに綺麗になりました」



このようなSNS投稿をするだけで、一般の人に大きな影響を与えます。

加工された可能性

インフルエンサーによって投稿された画像は、加工されている可能性があります。

自分をきれいに見せアピールするのがSNSなので、画像加工は当然のことですよね。

企業の新商品や美容化粧品をSNSで紹介し、企業から報酬を得る。

こういった「プロインフルエンサー」に見栄えの良い写真を掲載してもらうことで集客しているのです。

中には、お客様にインフルエンサーの個人SNSを見せ、このようになりたいなら、と高額な費用を請求するクリニックも。

インフルエンサーの存在を利用してぼったくりをしている悪徳な美容クリニックには注意が必要です。

まとめ

「美容整形」や「美容外科」が世間に広く浸透したとはいえ、まだまだ悪徳な美容外科は存在します。

それに騙されてしまうお客様が後を絶たないことも問題です。

口先だけで詐欺まがいのことをする悪徳美容外科医、真面目にコツコツと腕を磨きお客様と真摯に向き合う美容外科医。

どちらの医師に「美」を任せるべきなのでしょうか?

答えは明白ですよね。

美容クリニックを選ぶ際は、医師の人となりを見極め、慎重に判断することをおすすめします。

次回からは美容クリニック選びで後悔しないためにチェックすべき20のポイントを順番にご紹介します。

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