自力で眼窩脂肪を減らすことは困難
目の下の眼窩脂肪によってポッコリと膨らんでいる部分は「目袋(めぶくろ)」と呼ばれます。
もともと目袋が大きい方もいれば、加齢によって大きくなる方も。
眼窩脂肪は眼輪筋(がんりんきん)という筋肉に支えられているため、筋肉が衰えると眼窩脂肪を支えきれなくなります。
そこで眼窩脂肪を減らすトレーニング、マッサージ、スキンケアを行うことで自力で解消しようとするケースが見受けられます。
しかし、残念ながら自力で眼窩脂肪を減らすことはできません。
一時的にハリがでて、改善したように思える場合もありますが、根本的なクマの改善にはならないのです。
眼窩脂肪を減らしてクマをなくしたいのであれば、根本的な方法を検討しましょう。
間違ったケアが別のトラブルにつながることもあるので、ひとりで悩まずに専門家にご相談ください。
眼窩脂肪が膨らむ原因
眼窩脂肪とは眼球がある眼窩(がんか)部分の脂肪のこと。
眼球をおおうように存在し、眼球を守るために必要な脂肪です。
しかし、眼窩脂肪が目の下のたるみを引き起こすと、重大なコンプレックスにつながってしまいます。
【眼窩脂肪が膨らむ原因】 ・加齢によるまぶたの老化 ・生まれつき目袋が大きい |
考えられる原因を順番に見ていきましょう。
加齢によるまぶたの老化
本来であれば眼窩脂肪は眼窩内に収まっているべきもの。
しかし、加齢が原因で眼輪筋やまわりの皮膚が衰えると、眼窩脂肪を支えきれなくなります。
眼球の重みや重力に耐えられなくなった眼窩脂肪は、飛び出るように下がってきてしまうのです。
目の下のふくらみを放置していると、さらなる悪化につながります。
少しでも目の下のふくらみが気になる方は早めにクリニックにご相談ください。
生まれつき目袋が大きい
実は10代や20代といった若い世代でも、眼窩脂肪のふくらみが悩みとなっている方は少なくありません。
この場合は老化が原因ではなく、生まれつき目袋が大きいケースがほとんど。
そのため、目の下のたるみではなく目の下のクマが気になっている方が多いです。
目袋が大きいと、ふくらみが影を作り「黒クマ」と呼ばれる状態になります。
皮膚の色ではなく、凹凸による影が原因なのでメイクで隠すのは至難の業です。
大きすぎる目袋による黒クマは、若々しさがなくどんよりと暗い印象を与えます。
眼窩脂肪を減らし突出をなくすことが悩み解消への近道ですよ。
眼窩脂肪を減らすトレーニングは効果的?
顔の印象を大きく左右する目元の悩みは、できることなら自力で解決したいですよね。
インターネットで検索すると、トレーニングで眼窩脂肪を減らす方法が紹介されています。
実際マッサージやトレーニングで眼窩脂肪を減らすことはできるのでしょうか?
答えはNOです。
根本的な解決にはならず、即効性や持続性に欠けるということを覚えておいてください。
根本的な解決にはならない
スッキリとした目元を手に入れるためには、眼窩脂肪を減らすことが重要です。
しかし、自力で眼窩脂肪を減らすことは非常に困難なこと。
眼窩脂肪は「脂肪」ではありますが、皮下脂肪などとは性質や構造が全く違います。
そのため、トレーニング、マッサージ、ダイエット、スキンケアなどで減らすことはほとんど不可能なのです。
ただし、眼輪筋を鍛えるトレーニングやスキンケアによって皮膚にハリが出ます。
ハリが出ることで、たるみが多少改善する可能性はあります。
しかし、眼窩脂肪の数が減ることはないので、根本的な改善にはつながりません。
眼窩脂肪を減らす方法は基本的に外科手術や美容整形のみです。
即効性や持続性がない
眼窩脂肪を減らすことはできませんが、トレーニングによって目元のたるみを多少改善させることは可能です。
【具体的な方法】 ・眼輪筋を鍛える ・スキンケアで肌にハリを出す ・マッサージでむくみを解消する など |
手軽に行えるものばかりですね。
しかし、効果を感じるためには長期間にわたり根気強く続ける必要があります。即効性がないので途中で諦めてしまう方も。
また、実際に眼窩脂肪が減ったわけではないので得られる効果は一時的なもの。継続しなければすぐに元に戻ってしまいます。
根本的な改善には至らないため、あくまでも悪化を予防する方法だととらえましょう。
眼窩脂肪を減らす美容施術
即効性も持続性も得るためには、美容クリニックで受けられる眼窩脂肪を減らす施術がおすすめです。
眼窩脂肪を減らすアプローチ法にはさまざまなものがあります。
代表的なものをご紹介するので、参考にしてみてください。
ヒアルロン酸注入
メスを使わずに注射のみで完結するヒアルロン酸注入は比較的手軽な施術ですね。
施術時間もダウンタイムも短いため、近年人気の高い施術の一つです。
目の下にヒアルロン酸を注入することで、皮膚にハリが出ます。
たるみやクマ改善に期待できるので、加齢による皮膚のたるみや眼輪筋の衰えが気になる方に適しています。
ただし、ヒアルロン酸は体内で分解、吸収されてしまう成分。
持続期間は数か月~1年ほどなので、効果を持続させたい場合は定期的な注入が必要です。
反対に、イメージと違っても月日が経過すれば元に戻ります。
そのため、美容整形が初めての方、メスを使った施術に抵抗のある方にもおすすめですよ。
下眼瞼脱脂
下まぶたの裏側を小さく切開し、眼窩脂肪を取り除きます。
メスは使用しますが、皮膚の切開は行いません。
比較的回復のはやい粘膜部分を切開するため、傷跡が残らず腫れにくいという特徴があります。
下眼瞼脱脂を行うことで、眼窩脂肪を確実に取り除くことができます。
効果も永続するため、ヒアルロン酸のような定期的なメンテナンスも必要ありません。
生まれつき目袋が大きい方、目の下の脂肪が多い方におすすめの施術ですよ。
ただし、加齢による皮膚のたるみが気になる場合、
眼窩脂肪を取り除いてしまうとさらに皮膚がたるんでしまいます。
美しく仕上げるためには、眼窩脂肪を取り除くだけではなく、ご自身の脂肪を注入すると良いでしょう。
費用相場
眼窩脂肪によるクマ、たるみを解消するための
美容施術の費用相場をご紹介します。
ヒアルロン酸注入
費用相場は8千円~10万円ほど。
使用する製剤の種類や量によって金額が大幅に異なります。
下眼瞼脱脂
費用相場は10~20万円ほど。
目の下のクマやたるみ治療は、ほとんどの場合保険適用外になります。
そのため、費用がクリニックによって大幅に差が出ます。
さらに麻酔の追加などで予想より費用がかさむ可能性もあります。
カウンセリングの段階で見積もりを確認しておきましょう。
眼窩脂肪の改善における注意点
眼窩脂肪によるたるみやクマは美容整形によって改善が可能です。
ただし、医療行為を受ける場合は事前に知っておくべき注意点があります。
腫れが出る可能性がある
メスや注射を使用する美容整形。
そのため、多少なりとも皮膚や粘膜にダメージが残ります。
ダウンタイムと呼ばれる期間には個人差がありますが、ほとんどの場合腫れが出ます。
選択する施術や体質によっては、ダウンタイムが終わるまでに数週間かかるケースも。
腫れていると理想と違う仕上がりに見えるため、不安を感じてしまう方も少なくありません。
しかし、腫れがひけば完成形に近づくため、ダウンタイム期間中は焦らず様子をみることが大切です。
ただし、痛みや熱を伴う腫れが長く続くようであれば担当医に相談しましょう。
効果を実感できないことも
症状や骨格はひとりひとり異なります。
そのため、同じ施術を受けてもなかなか効果を実感できないケースも。
美容整形では全員が理想に近づけるわけではありません。
それぞれの特徴、症状、希望を考慮したうえで最適な施術を選択することが大切です。
施術の効果を実感したい方は、経験や技術を伴う医師を選びましょう。
しっかりとカウンセリングを受ける
美容整形において成功を左右する大きなポイントは、実はカウンセリングなのです。
カウンセリングでは、施術方法や仕上がりを医師とすり合わせるだけではなく、不安や疑問を取り除くためにもとても大切な場です。
お客様と医師がコミュニケーションを取り、納得いくまで話し合ったうえで施術をご検討ください。
眼窩脂肪で悩んでいる方は
目元の眼窩脂肪に悩んでいる方はまずは専門医にご相談ください。
インターネットで検索すると、眼窩脂肪を減らすトレーニング、マッサージ、スキンケアなどさまざまな方法がヒットします。
しかし、間違ったケアは時間がかかるうえに根本的な改善にはつながりません。
そのため、途中でやめてしまうケースが多いです。さらに、肌を傷つけるなどさらに悪化してしまうことも。
目元の皮膚は非常にデリケートです。クマやたるみが気になる方はまずは専門医に相談しましょう。
まとめ
今回は、眼窩脂肪を自力で減らす方法、美容クリニックで減らす方法について解説しました。
目の下の悩みにはさまざまな種類があります。
クマやたるみでも原因が異なれば適した治療法も異なります。
目元の印象を変えたい方は、まずは専門医にご相談ください。