おでこの傷跡は意外と多い
顔の傷跡に悩む方は多くいらっしゃいますが、おでこの傷跡を気にしているという方は意外に多くいらっしゃいます。
例えば、子供のころの怪我、ニキビ跡によるもの、ヘアアイロンのやけどなどが挙げられます。
前髪で隠すことはできますが、恥ずかしく感じている方もいらっしゃいます。
おでこの傷跡は目立つ?
露出することの多いおでこは、どうしても目がいってしまいます。
第一印象を左右する部分とも言えるので、傷跡を隠すために前髪を作っているという方も。
しかし、前髪を作ると思い通りの髪形にできなかったり、おでこが見えていないか常に気にしたり…
さらに、おでこの傷跡を誰に相談したらよいか分からず困っている方もいらっしゃいます。
おでこの傷跡がコンプレックスになるのは、決して珍しいことではありません。
おでこに傷跡が残る理由
露出していることが多いおでこは、怪我や皮膚トラブルを起こしやすい部分です。
また、立体的な形をしているので、日に当たりやすいという特徴も。
これがおでこに傷跡ができやすい理由です。
傷の治り方
通常、深い傷跡は、皮膚の繊維組織がチャックのように傷口をつなぎ合わせることで治癒していきます。
このチャックのような役割を果たすのが傷跡です。
傷が残る理由
ふさがってすぐの傷は、赤みを帯びています。これは、まだ傷が治っていない証拠です。
この時期に日光に当たってしまうと、メラニンの働きによって色素沈着が起こります。
茶色や黒の傷跡がある方は、メラニン色素が原因かもしれません。
傷ができやすい部分
おでこは、服などの布で覆われていない部分です。
むき出しになっていることが多く、怪我や火傷をしやすい部位と言えます。
さらに、ニキビができやすい部分でもあるので、傷跡が残ってしまうのです。
おでこの傷跡の種類
おでこにできる傷跡には、さまざまな種類のものがあります。
よくある傷跡の種類を順番にみていきましょう。
切り傷
先端が尖っているような鋭いもので切れてしまった傷を「切り傷」と呼びます。
テーブルや扉など角にぶつかっておでこがぱっくり割れたように見える傷も「切り傷」に分類されます。
傷が深く、なかなか治らないような場合は、縫合処置を行います。
おでこには、眉毛を動かす筋肉や顔面神経などが位置しています。
前頭筋や顔面神経が断裂・損傷するほどの強い衝撃を受けてしまった場合、手術が必要となることも。
縫合処置にせよ、手術にせよ、傷を縫っていくため、縫合による傷跡が残る可能性があります。
命を守るために止血をするのが最優先、といった状況下では、傷跡が残らないように縫合することができない場合があるのです。
やけど痕
熱湯や火など、熱いものに皮膚が触れるとやけどを起こします。
ヘアアイロンや調理中の湯気、サウナ内での蒸気なども、おでこを火傷する原因の中で多くなっています。
原因が何であれ、やけど跡として残ってしまうと、鏡を見るたび気分が沈んでしまいますよね。
やけどすると
やけどを負うと、始めは痛みを伴います。
軽度のものであれば、すぐに冷やすことで落ち着きます。
しかし、表面に変化がなくても、皮膚の深部が損傷している場合も。
そのような場合は特に注意が必要です。
やけど跡になるまで
火傷し、炎症がおさまっていく中で皮膚が剥がれ落ちたり水ぶくれができることがあります。
さらに、新しくできる皮膚に色素沈着すると、色味のある傷跡として残ってしまいます。
おでこのやけど跡が精神的ストレスにつながる可能性もあるため、そういった場合は早めに医療機関を受診してください。
瘢痕(はんこん)
手術や怪我が原因でできた傷跡は医学用語で瘢痕と呼ばれています。
瘢痕の種類 | |
成熟瘢痕(せいじゅくはんこん) | 赤かった傷跡が時間の経過とともに肌色となり、白っぽく変化したもの |
陥凹瘢痕(かんおうはんこん) | ニキビ跡や水ぼうそうの跡のように凹凸があるもの |
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん) | 治ったはずの傷が再びミミズ腫れのように赤くなってきたもの |
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)は、ケロイドとよく似ていますが、治療法が異なるため、しっかりと見分ける必要があります。
おでこの傷跡の治療方法
傷跡の治療方法は、傷跡の種類によって異なります。
ここでは、代表的な治療方法を3つご紹介します。
保存的治療
症状の「緩和」や「改善」を目指す治療を「保存的治療」と呼びます。
【保存的治療の種類】 ・内服薬 ・ステロイド系軟膏 ・クリーム ・固定圧迫 ・ステロイド系テーピング |
このような治療を行います。
固定圧迫やテーピング
赤みがある傷跡、盛り上がった傷跡に有効な治療法である圧迫やテーピング。
手術後の傷を安静に保つために使用されることもあります。
保存的治療の特徴
保存的治療には、完治までに時間がかかるという特徴があります。
毎日お薬を飲んだり塗ったり、テープを貼りなおしたりと手間もかかります。
そのうえ、要する期間や治療方法は、傷跡の状態によって異なります。
そもそも、治療が適しているかどうかも含めて医師と相談する必要があります。
レーザー治療
傷跡にレーザー照射することで治療する、という方法もあります。
多くの傷跡に有効とされているレーザー治療ですが、中でも赤みの強い傷跡に対して効果が期待できます。
しかし、レーザー治療では、1回で完了させることができません。
複数回に分けて照射する必要があるので、こちらの完治までには時間がかかる施術だと言えますね。
また、全ての傷跡にレーザー治療が適しているとは限りません。
他の施術が適している場合もあります。
手術
傷跡の種類によっては、手術が適している可能性も。
ここで「手術を受けたら、縫合の跡が増えるだけでは?」と思った方も多いはず。
しかし、美容外科には、傷跡を目立たないように縫合する特別な技術があるのです。
この技術は、おでこの傷跡だけではなく、鼻整形や目の整形でできた傷跡にも応用可能です。
別のクリニックで受けた美容整形でできた傷跡をなくしてほしい、といった相談も非常に多いです。
当院では、主に目頭切開の傷跡修正を実施しています。
当院では目頭切開の傷跡修正を実施しています。
しかし、傷跡の範囲や部位によっては、レーザー治療の方が向いている場合も。
術後のケアも含めて、まずは専門の医師に相談してみてくださいね。
傷跡を残さないコツ
医師は、傷跡の治療に全力を注ぎます。
しかし、傷跡を残さないためには、ご自身の努力も非常に重要です。
術後の生活を送る中で気を付けていただきたいことや注意点をご紹介します。
乾燥を防ぐ
怪我をしたら、まずはすぐに洗浄・消毒を行います。
従来の情報では、「傷口はしっかりと乾燥させた方が良い」と言われていました。
しかし、現在は「傷口は乾燥させない方が良い」と言われています。
「乾燥させてカサブタを作ることで傷が早く治る」と思われていたのですが、「カサブタを作らない方が傷跡がきれいに治る」ということが分かっています。
※医師によって見解が異なる場合があります
怪我をした身体は、傷口を治すために傷口から液体のようなものを出します。
その上から、医療用テープなどの被覆剤(ドレッシング)で覆うか、軟膏を塗ってガーゼを当てるようにすると乾燥を防ぐことができます。
アフターケア
レーザー治療や手術を受けたら、その後のアフターケアを特に重要視していただきたいです。
日常生活やアフターケアに関しては、医師の指示にしたがって実施してください。
形成外科や美容クリニックでは、傷跡を可能な限り目立たなくする治療を行います。
しかし、アフターケアのやり方によっては、傷跡がなかなか治らないかもしれません。
また、レーザー治療や手術と並行して「保存的治療」を行うケースも。
術後に内服薬や外用薬、テーピングを使って経過を観察する場合もあるので、塗り方や貼り方は、医師の指示に従いましょう。
少しでも分からないことがあれば、必ず医師に確認してください。
傷跡を綺麗にできるかどうかは、治療を受けるご本人も治療に参加するという意識がとても重要なのです。
まとめ
顔にある傷跡をコンプレックスに感じている方は非常に多くいらっしゃいます。
中でもおでこの傷跡は特に目立つため気になりますよね。
傷跡が原因で日常生活や精神的な影響が出てしまうのは決して良いことではありません。
まずは専門医にご相談ください。
傷跡の状態、ライフスタイルに合ったベストな治療法を選べると良いですね。