⑱インフルエンサーを使って誇大広告をするクリニック
美容外科では、お客様の理想に近づけるために複数の施術を行うケースがあります。
しかし、その施術が本当に必要かどうかをお客様自身が判断することは難しいことです。
多くの人は、インターネットやSNSでクリニックの情報や個人の体験談を参考に、是非を判断していることでしょう。
ネット上の情報に注意
ところが、インターネットやSNSの情報を鵜呑みにするのは危険です。
残念ながら、それを利用して意味のない手術を契約させる医師が少なからずいるからです。
かつて耳にした噂によると、ある医師がいる支店は大手クリニックの中でも常に売り上げが上位でした。
その後、彼は大手クリニックから独立。
現在は個人クリニックを開業しており、SNSを利用した営業戦略でやはり大きな売り上げを維持していると聞きます。
インスタグラムのフォロワー数が何万人もいるようなインフルエンサーに、ビフォー・アフターの写真を載せてもらうといった広告の手法をとっているのです。
SNSは個人の感想
しかし、SNSはあくまで個人の感想です。
技術を保証しているわけではありません。
また、彼のホームページには「広告塔募集」のバナーが貼り付けられています。
つまり、インフルエンサーたちは情報発信を条件に施術費用の割引が受けられるのですから、酷評するわけがありません。
過大評価である可能性もあります。
発信されている情報に偽りがなければ、SNSを利用した戦略的な広告といえるでしょう。
悪質な美容外科に注意
ところが、困ったことに、そのクリニックのおすすめの施術は、以前大手クリニックで訴訟に発展した「糸リフト」だったのです。
糸で行うリフトは、糸の本数=持続力となります。
そのクリニックでは、12本で120万円以上の費用がかかります。
一方、当院では40本で80万円前後となります。
1本あたりの糸の料金が高すぎる場合、お客様は費用を抑えるために糸の本数を減らすことを希望するでしょう。
糸の本数を減らせば、当然持続期間は短くなります。
おそらく、SNSで情報を発信したインフルエンサーの中にも、効果に疑問を抱いている人もいるはずです。
しかし、「モニター誓約書」にサインをした以上、真実を言えないというのが実際のところではないでしょうか?
⑲有名院長は「広告塔」でしかない
美容や健康に関する広告に過度の表現があると、消費者が著しい被害を受ける可能性が高まります。
そのため、大変厳しい規制が敷かれています。
広告掲載の厳しいルール
例えば、新聞の折り込みや電車・バスの中吊り広告を出すとき、
・「安全」「永久保証」「痛くない」「手軽」「絶対」といった言葉 ・施術の優位性 ・施術を受けた有名人の名前 ・術前・術後を並べた写真 ・モニターの感想 |
このようなものを載せてはいけないという規制があります。
そのため、美容外科クリニックの広告には
・医院の名称 ・住所 ・連絡先 ・営業時間 ・行っている施術名 |
くらいしか掲載できません。
高額な広告費のわりに、集客効果はあまり期待できないというのが実際のところです。
効率的にアピールする方法
では、どうやってクリニックのことを広く知ってもらうのか?
それは、経営者や院長がテレビや雑誌などに頻繁に登場し、クリニックの名前を覚えてもらえるようにアピールすることです。
クリニックの考え方、美容外科の施術について一般の人に知ってもらうことはとても良いことですから、依頼されたときはできる限り取材に協力するようにしています。
多額の寄付=腕のいい医者、ではない
しかし、中には1人の名物院長がメディアに露出しすぎている、と感じることもあります。
美容とは関係のない番組に多数出演していたり、慈善団体などに個人としては多額すぎる寄付をしたりするといったケースです。
寄付といっても、膨大な広告費と比較すれば少額ですし、税金対策の一つにもなります。
何より、そうした事実が報道されることで、「立派な院長」「社会貢献しているクリニック」という印象が強くなり、クリニック全体の評判は上昇するでしょう。
メディアへの露出が増えると
もちろん、慈善事業や社会貢献は素晴らしいことですし、否定するつもりは全くありません。
しかし、実際に施術を受けるのであれば、一度冷静になって考えてほしいことがあります。
その院長が本当に人徳のある人物だったとしても、実際の手術が上手な医師なのでしょうか?
仮に凄腕の美容外科医であったとしても、テレビ出演が多ければ多いほど普段の施術に時間を割くことはできなくなります。
医師選びで重要なこと
最も重要なのは、誰にどのような施術をしてもらうかです。
有名なクリニックの中には院長は「広告塔」として動き、ほとんど手術を行っていない場合も多々あります。
ですから、どうしてもその院長に施術をお願いしたいのなら、事前に問い合わせておく必要があります。
また、その院長が担当してくれるというのなら、最近の施術経験や症例画像を必ず確認しておきましょう。
しばらく施術を行っていないようであれば腕が鈍っている可能性があるからです。
まとめ
今回は、美容クリニック選びで後悔しないためにチェックすべきポイントをご紹介しました。
⑱インフルエンサーを使って誇大広告をするクリニック ⑲有名院長は「広告塔」でしかない |
美容クリニックを選ぶ際、多くの方はインターネットやSNS、口コミサイトから情報を得ることでしょう。
知りたい情報がすぐに手に入るのでとても便利ですが、すべての情報を信じることはおすすめできません。
また、広く知れ渡っているクリニックだから安心できるとも限りません。
注目すべきは、施術を行うあなたの「担当医」なのです。
担当医師のプロフィールや経歴、症例写真などをしっかりと確認し、見極めることが大切です。