たるみレーザーでできること
すでに進行したたるみをレーザーで劇的に改善することは不可能です。
しかし、軽度のたるみ改善やエイジングケアとしてたるみレーザーを使用することは有効な方法です。
※たるみ治療に使われる機器は厳密には「レーザー」ではありません。
「たるみレーザー」と呼ばれることが多いので、本コラムでは「レーザー」としています。
引き締める原理
焼肉をするとき、熱した鉄板の上で肉がギュッと縮む様子を見たことはありませんか?
人体でも同様に、皮膚や筋肉などの組織に熱を加えると収縮し引き締め効果が得られます。
もちろん、レーザーの安全性は確保されているのでご安心ください。
たるみレーザーの種類
タイタン、サーマクール、ウルセラ、ポラリスなど、たるみ改善のための機器にはさまざまなものがあります。
次から次へと新しい機器が登場するので、正直すべてを把握しきれていません。
しかし、いずれも「熱の刺激で引き締める」という原理は同じです。
違いは熱エネルギーの強さや照射するターゲットの深さにあります。
皮膚の構造
人の皮膚は表面から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つに分けられます。
たるみ改善の効果を得るためには、皮下組織にまでレーザーが届かなければなりません。
そこで当院では、
・深部に届く「スマートソニック」 ・浅部に届く「イントラジェン」 |
をたるみ治療の主軸として導入しています。
どちらもたるみ改善だけではなく、予防としても効果が期待されます。
しかし、はたらきかける層が異なるため、より高い効果を得るには併用すると良いでしょう。
HIFUスマートソニック
”High Intensity Focused Ultrasound”の頭文字をとったHIFU(ハイフ)は「高密度焦点式超音波」を意味します。
密度の高い超音波を1点に集め、「SMAS筋膜」まで熱を届けます。
SMAS筋膜に作用
「SMAS筋膜」とは皮下組織のさらに下にある皮膚の土台となる筋膜のこと。
ドット式にピンポイントで照射することで即時的なリフトアップ効果が得られます。
従来モデルでは非常に小さな点で超音波を当てていましたが、最新モデルではより大きな円での照射が可能になりました。
脂肪に作用
ターゲットは表皮から3mmもしくは4.5mmの深さにある筋膜ですが、それよりも浅い層にある脂肪にも熱が加わります。
そのため、脂肪層と筋膜を同時に収縮させ、引き締めることができるのです。
ダウンタイム
手術でしかアプローチできない筋膜や脂肪層にノーダウンタイムでアプローチできるのがスマートソニックの魅力。
施術中はチクチクとした痛みを感じることがありますが、麻酔の必要はありません。
料金・頻度
当院で提供しているスマートソニックは、顔全体で3万円。
半年~1年に1回の頻度で施術を受けることをおすすめします。
イントラジェン
引き締まったハリのある皮膚を取り戻したい方にはイントラジェンがおすすめ。
一点集中型の超音波を使ったスマートソニックに対し、イントラジェンでは高周波(RF)を格子状に照射します。
皮膚の奥に行くほど照射範囲が広がっていく仕組みです。
サーマクールの後発品
イントラジェンはたるみ治療で有名な「サーマクール」のジェネリック機器。
治療原理やターゲットとなる層は同じなので、サーマクールとほぼ同じ治療が受けられます。
サーマクールと比較して痛みや費用が抑えられている点がイントラジェンの魅力ですね。
皮下脂肪に作用
イントラジェンが作用するのは真皮層や脂肪層。
スマートソニックよりも浅い層がターゲットなのです。
たるみの元となる皮下脂肪に高周波(RF)を与えることで加熱され、脂肪が引き締まります。
施術直後からキュッと引き締まった感覚が実感できるということで人気があります。
真皮層に作用
イントラジェンには引き締め作用以外にも、肌のハリつやUP効果も期待できます。
真皮層に熱が加わると、コラーゲンが収縮し機能しなくなります。
機能を失ったコラーゲンは2~3か月かけて新たなコラーゲンに置き換わります。
施術直後に即時効果が得られるだけではなく、数か月後に2次的効果が得られるため1度の施術で長期的な効果が得られるのです。
ダウンタイム
スマートソニックと同様に、ダウンタイムはほとんどありません。
施術中熱さを感じることがありますが、痛みはほとんどなく麻酔の必要はありません。
頻度
イントラジェンの効果は3~6か月ほど持続します。
そのため、半年~1年に1回ほどの頻度で定期的に施術を受けると良いでしょう。
さらなる効果を得るために
今回ご紹介したスマートソニックやイントラジェンは単体で受けていただいても十分に効果が得られます。
しかし、より高い効果を求めている方には、施術の併用がおすすめです。
HIFUスマートソニック+イントラジェン
スマートソニックとイントラジェンは作用する層が異なります。
深い層にはたらきかけるスマートソニック、浅い層にはたらきかけるイントラジェン。
この2つを組み合わせることで、浅い層から深い層まで広範囲にわたって引き締められます。
リフトアップ
たるみレーザーでは、たるみの原因である肌のハリや弾力の低下、筋肉の衰えを改善します。
しかし、それだけではたるみを「引き締める」だけであって、本当の意味でのリフトアップは望めません。
たるみの原因を改善したうえで糸リフトや切開リフトといった外科手術を行うことで、本質的なたるみ改善が可能になると考えています。
たるみレーザーは「引き上げ(リフトアップ)」ではなくあくまでも「タイトニング(引き締め)」という位置づけであると思ってください。
「せっかく治療を受けたのに期待した効果が得られなかった」
とがっかりしないためにも、たるみの原因を見極めて正しい施術を受けるようにしましょう。
たるみレーザーは何歳まで?
エイジングケアに限界があるのは事実。
実際に、機器メーカーからも65歳以上の方では効果がほとんど得られないといわれています。
たるみレーザー治療では、自己再生能力を引き出し、新たな組織の生成を促すことでたるみを改善します。
加齢によって全身の衰えが徐々に現れてくるように、治癒力や再生能力も20代、30代と少しずつ衰えていくのです。
回復力が低下すればたるみレーザーの効果も弱まりますよね。
つまり、エイジングケアは早ければ早いほど効果的ということなのです。
まとめ
今回は、エイジングケアとして有効なHIFU(ハイフ)の種類や効果をご紹介しました。
当院では「スマートソニック」「イントラジェン」を使ったたるみ治療を行っています。
たるみの度合いや求めている状態によっては糸リフトや切開リフトとの併用が効果的です。
まずは、カウンセリングを受けてどのような施術が適しているのか知るところから始めましょう。