斜鼻とは?
鼻が曲がっている状態である斜鼻(しゃび)。
斜めに歪んでいるだけではなく、カーブを描くように湾曲していたり、歪み方は人それぞれです。
鼻が歪んでいると、見た目に悩まされるだけではなく、鼻の通りが悪くなるなど、さまざまな影響を与えます。
斜鼻の原因
鼻がゆがむ原因は、外傷によるもの、生まれつきのものに分けられます。
◆鼻骨骨折
斜鼻のほとんどは外傷によるもの。思いがけない事故や怪我によるものが大半です。
頭蓋骨から続く鼻骨は、鼻筋の途中までしかありません。
その先は軟骨で形成されているため、鼻骨が折れてしまうと鼻全体が歪んで見えるのです。
鼻骨は軟骨と違って硬い骨ではありますが、とても薄いので軽い衝撃ですぐに折れてしまいます。
ちょっと肘が当たっただけでも簡単に折れてしまうのが鼻骨なのです。
◆成長過程での癒着
また、子供の時に知らず知らずのうちにヒビが入っていた、成長の過程で骨折したまま骨が癒着していた、といったケースも考えられます。
本来ならば骨折から数時間以内に鼻筋を元に戻す手術を受けることが理想です。
しかし、手術を受けなくても、1~2週間もすれば特に症状もなくいつも通りの生活に戻れることも。
自然と痛みが治まったから大丈夫だろう、と放置してしまうと、歪んだまま鼻の骨がくっついてしまいます。
◆生まれつき
中には生まれつきの骨格が原因で鼻が歪んでいる方も。
子供の頃はほんの少しの歪みだったものの、成長とともに大きくゆがみ始めたという方もいらっしゃいます。
シェーディングやハイライトを上手に使って目立たなくすることは可能ですが、どうしても気になってしまいますよね。
斜鼻の治療法
通常、けがを負った場合は形成外科などで治療を受けます。
折れた鼻をもとの位置に戻す手術を受けることが多いです。
しかし、形成外科で受ける応急処置では、鼻の見た目の美しさまでは補えません。
治療が終わった後も鼻の歪みが残ってしまった場合、美容整形によって美しい鼻を取り戻せる可能性があります。
斜鼻修正の目的
美容整形は基本的に「美しくなるため」に行います。
しかし、「斜鼻修正」の場合は、外傷による歪みを元に戻す「治療」であることがほとんど。
「美容整形」と聞いてためらう方もいらっしゃいますが、鼻の歪みは心の傷にもなりかねません。
ひとりで悩まずに、まずは専門の医師に相談してみませんか?
斜鼻の種類
鼻の歪みには大きく分けて3つのタイプがあります。
◆3つの斜鼻タイプ ・ストレート型 ・C Shape型 ・S Shape型 |
どのような歪みなのか、順番にみていきましょう。
ストレート型
鼻筋がまっすぐな状態で歪んでいる、ストレート型。
鼻のつけ根からまっすぐ下ろした直線上に鼻先がありません。
骨格のズレが原因であることが多いため、「斜鼻修正」が最も難しいタイプといえます。
このタイプの場合、鼻が曲がっているのではなく土台となる顔が歪んでいることが多いです。
例えば右側のあごで噛むことが多い場合、必ず左側を下にして寝る場合、成長過程で片側にだけ何らかの力が加わった場合…
こういった顔の歪み、体の歪みが関係しているかもしれません。
そのため、ストレート型の斜鼻を完全にまっすぐに戻すことは非常に難しいです。
C Shape型
アルファベットのC字を描くような斜鼻。
カーブの始まりと終わりが縦に一直線上にあるのが特徴です。
鼻筋が曲がってはいますが、鼻の付け根と鼻先が一直線上にあるので、比較的治療しやすい形状といえます。
C Shape型の場合、外傷が原因であることがほとんど。
鼻骨が片側に寄ることで、鼻中隔軟骨も一緒に引き寄せられることでこのようなカーブを描きます。
S Shape型
アルファベットのS字を描くような斜鼻。
鼻骨と鼻中隔軟骨がそれぞれ反対方向に湾曲しているような状態です。
このタイプもC Shape型同様、カーブの始点と終点が縦一直線上にあります。
そのため、S Shape型も「斜鼻修正」で治療しやすい歪みと言えますね。
斜鼻修正の具体的な方法
「斜鼻修正」では「ワシ鼻修正」と同様に、顔全体を見ながら鼻の高さや角度を整えていきます。
斜鼻とは、正面から見たときに鼻筋がカーブを描いている状態のこと。
カーブの原因となる突出した部分の骨や軟骨を削ったり切り取ったりすることで歪みを修正します。
あるいは、窪んでいる部分にプロテーゼやヒアルロン酸を注入して高さを整えていくといった方法も有効です。
C Shape型
鼻の骨が出っ張ることで鼻中隔軟骨も一緒に湾曲するC Shape型の場合は、まず鼻骨を修正します。
出っ張った部分の骨を切ったり削ったりすることで、鼻骨の位置を中央に戻した後、鼻中隔軟骨を外して中央に寄せます。
鼻先の軟骨も引っ張られている場合は、同時に軟骨も中央に戻します。
S Shape型
鼻骨と鼻中隔軟骨が反対方向に張り出しているS Shape型の場合は、飛び出している部分をそれぞれ中央に戻す作業を行います。
外側に引っ張られている鼻骨と鼻中隔軟骨をそれぞれ中央に戻すことで鼻筋をまっすぐに整えます。
鼻先もズレている場合は、先端の軟骨も同時に中央に戻していきます。
手術時間
鼻の歪みの程度や採用する手術方法によって時間が前後する「斜鼻修正」。
簡単な手術の場合でも20分以上かかります。
ダウンタイム
「斜鼻修正」では、かなり深いところまである鼻中隔軟骨を動かします。
そのため、難しい手術ではありますが、ダウンタイムは他の鼻手術と大差ありません。
術後2~3日ほどは痛みを感じることもありますが、鎮痛剤で和らぐ程度です。
また、腫れや内出血もまれにありますが、7~10日で自然と消えていきます。
アフターケア
術後3日間はギプスで固定します。ギプスを外すまでは患部を濡らさないように注意しましょう。
5~7日後に抜糸を行いますが、最低でも術後1か月間は鼻に触れないでください。
斜鼻修正では治療できないケース
先天的に鼻が曲がっている場合やストレート型の斜鼻の場合は、「斜鼻修正」での治療が難しいことも。
鼻以外にも歯列や顔の歪みを矯正しなければならないケースもあります。
また、極度に曲がっている場合、完全にまっすぐにならないことも。そういった場合は、しっかりと相談したうえで改善策を提案します。
まとめ
今回は「斜鼻修正」の具体的な手術方法について解説しました。
斜鼻とひとことで言っても、原因や見た目はさまざまです。
鼻手術の中でも難しい手術なので、クリニック選びは慎重に行い、適切な治療を選択することが大切です。