肌トラブルの原因は腸?
体調不良や肌トラブルの原因には、腸内環境の乱れが挙げられます。
肌トラブルを防ぐためにも腸内環境を整えましょう。
便秘と肌荒れの関係
今回は、便秘を例に挙げてご説明します。
便秘が続くと腸内で便が腐敗し、悪玉菌が増えてしまいます。
悪玉菌が増えるとアンモニアなどの有害物質が腸内に溜まることに。
小腸や大腸には成分を吸収するはたらきがあるので、腸粘膜から吸収された有害物質は血液を通って全身に運ばれます。
皮膚に運ばれた有害物質は汗や皮脂とともに体外に排出されます。
その際有害物質が肌を刺激し、ターンオーバーの乱れにつながるのです。
ターンオーバーが乱れると肌のきめが乱れたり乾燥したり皮脂が溜まったり…
あらゆる肌トラブルやニキビの原因となるのですね。
腸内環境はなぜ乱れる?
では、腸内環境が乱れる原因を見ていきましょう。
【便秘の原因】 ・食物繊維不足 ・水分不足 ・極端なダイエット ・運動不足 ・腹筋が足りていない など |
このような原因が考えられます。
研究によると、日本人は食物繊維が不足しがちなのだとか。
お腹がゆるくなるので摂りすぎは良くありません。
一日当たり男性は21g以上、女性は18g以上摂取するようにしましょう。
腸内環境とは
そもそも腸内環境とは何なのでしょうか?
「善玉菌」「悪玉菌」「腸内フローラ」などといったよく聞くワードについて説明していきます。
善玉菌
腸内環境を整える菌として知られているのが善玉菌。
乳酸菌やビフィズス菌などがありますね。
善玉菌が増えることで腸の運動が活性化され、お腹の調子が整います。
善玉菌のはたらきにはビタミンの合成や消化吸収の補助、免疫力の向上などがあります。
悪玉菌の増加を抑えるはたらきもあるので、善玉菌を増やしたいですよね。
悪玉菌
ウェルシュ菌、大腸菌、ブドウ球菌などが悪玉菌と呼ばれています。
悪玉菌には腸内を腐敗させたり毒素やガスを発生させるはたらきがあります。
腸の消化吸収作用も妨害するため、せっかく摂取した栄養が全身に行き渡りません。
便通異常や肌荒れなどのトラブルにもつながるので腸内で増やしたくない菌ですね。
日和見菌
日和見菌(ひよりみきん)とは腸内環境に応じて変化する菌で、バクテロイデス、連鎖球菌、大腸菌(無毒株)などがあります。
腸内環境が整っていて健康な時は悪さをせずにおとなしくしています。
しかし悪玉菌が増えると豹変し、悪玉菌の味方をするような菌なのです。
【理想的な腸内細菌の比率】 善玉菌:日和見菌:悪玉菌 =2:7:1 |
腸内細菌のバランスを保つためには、腸内フローラを整える必要があります。
腸内フローラ
腸内フローラの正式名称は「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」。
菌が種類ごとの塊になって、壁に隙間なくびっしりと敷き詰められています。
その様子が色とりどりのお花畑(フローラ)に見えるため腸内フローラと呼ばれているのだとか。
人は無菌の状態で生まれ、生後3か月~1年ほどで腸内細菌が成長します。
3歳になるころには腸内環境が決まるといわれています。
腸内環境を整えるには
腸内フローラのバランスを整え、善玉菌優勢の腸内環境にすることを一般的に「腸活」と呼んでいます。
腸を整えると体調がよくなったり、肌がきれいになったり、と良いことばかりです。
食事、睡眠、運動、マッサージなど腸活と呼ばれるケアはたくさんあります。
取り入れやすいものから取り入れて、腸内環境を整えましょう。
善玉菌を増やす方法
腸内フローラのバランスを整えると、体内に有毒ガスや老廃物が溜まりにくくなります。
必要な栄養素を吸収し、不要なものを体外に排出する、この機能が整うことで体調や肌の調子が良くなるのです。
ここでは手軽に「腸活」ができる食材をご紹介します。
【発酵食品】 ・ヨーグルト ・チーズ ・納豆 ・キムチ ・ぬか漬け ・味噌 など |
このような食品には「プロバイオティクス」と呼ばれる乳酸菌、ビフィズス菌、酵母菌、麹菌などが含まれています。
食材から善玉菌を直接取り入れることができるので、手っ取り早い方法ですね。
ヨーグルトやチーズに含まれる動物性の乳酸菌は、生きて腸に届くのが難しいといわれています。
しかし、死滅してしまった場合も善玉菌のエサとして活躍しますよ。
毎日少しずつ発酵食品を食べることで、多種多様な善玉菌を腸内に増やせるとなお良いです。
【水溶性食物繊維】 ・キノコ類(なめこ) ・海藻類(ヒジキ、ワカメ) ・豆類(大豆、ひよこ豆) ・果物(キウイ、いちご、みかん) ・野菜(アボカド、ほうれん草、ブロッコリー) ・根菜(ゴボウ、ニンジン) など |
水溶性食物繊維は善玉菌のエサになるので、腸内の善玉菌を増やしてくれます。
【オリゴ糖】 ・バナナ ・大豆 ・アボカド ・玉ねぎ など |
オリゴ糖も善玉菌のエサとなります。
水溶性食物繊維やオリゴ糖は善玉菌のエサになるので「プレバイオティクス」と呼ばれています。
反対に悪玉菌のエサとなるのは動物性のタンパク質やアミノ酸。
脂肪が多い食べ物や動物性のタンパク質を摂りすぎると悪玉菌が増える原因になりかねません。
腸活で美肌が手に入る?
肌荒れやニキビがおさまらない、という方は腸内環境が荒れているかもしれません。
肌トラブルに悩まされている方は、善玉菌を増やして腸内環境を整えてみましょう。
お通じが良くなったり免疫力が上がったりするので、お肌以外の不調も改善されるかもしれません。
腸のゴールデンタイム
みなさんは腸のゴールデンタイムという言葉をご存知でしょうか?
朝7時に起きた場合、夜10時〜深夜2時ごろを腸のゴールデンタイムと呼びます。
この時間帯に腸が一日のうちで一番活発になるといわれています。
つまり人が眠りについた後、腸は消化吸収を始めるのです。
そこで、腸が活発になる時間帯に合わせて善玉菌を送り込むことができれば良いですよね。
夜7時〜8時頃にヨーグルトを食べておくと、ゴールデンタイムに合わせて腸を活性化させることができますよ。
美容施術と腸活
ニキビ治療や肌質改善などで美容外科や美容皮膚科へ通われている方は多くいらっしゃいます。
ケミカルピーリングやダーマペンといったニキビ治療、美白注射やビタミンC点滴などの美容点滴…
これらは施術だけでも十分な効果が得られるため大変人気のある施術です。
しかし、腸内環境が整っていないことが原因でなかなか肌トラブルが治らないなんてことも…。
美容施術と同時に腸活も行うことで、さらに美しい肌を手に入れられるかもしれません。
まとめ
今回は、腸内環境と美肌の関係性、ということで腸について詳しくご紹介しました。
お肌をいたわるためには、善玉菌を増やして腸内環境を整えることが大切です。
善玉菌が多く含まれた食材や善玉菌のエサとなる食材を取り入れ、腸内フローラのバランスを整えましょう。
食事のバランスを整えることが難しい場合はサプリを活用しても良いですね。