ヒアルロン酸とはどんな成分?
美容医療では「ヒアルロン酸注射」というワードを見かけることが多いですよね。
ヒアルロン酸注射とは、注射器を使用してヒアルロン酸製剤を局所へ注入し、美容効果を促すというものです。
では、ヒアルロン酸とはそもそも、どういったお薬なのでしょうか。
体に優しいヒアルロン酸
一般的には「ヒアルロン酸」と呼ばれていますが、その正体は 「N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸によって構成された物質」です。
これだけだと分かりにくいですが、人の体の中に存在している「糖」の一種です。
高い粘性をもつことが特徴で、関節の中にある軟骨の元であり、水分を保持する役割などがあります。
体内に存在するヒアルロン酸
化粧品や美容医療の広告などでよく見かける成分ではありますが、「眼の硝子体を構成する成分」として発見された多糖(たとう:複数の「糖」が化学的な結合をしていること)類です。
人の体の中では、眼(硝子体)や皮膚、筋肉、軟骨、腱だけではなく、脳や血管にも広く存在しています。
しかし、ヒアルロン酸は、加齢とともにその量が減ることが分かっています。
加齢による関節痛やスムーズな動作が難しいケースでは、注射薬として使用します。
ヒアルロン酸が効果を発揮する部位は?
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸は、前述したようなケースでは「関節」に直接注入することが多いお薬です。
例えば、加齢に伴って関節の中でクッションの役割をしている「軟骨」がすり減ってくると、関節を動かすたびに痛みが発生したり、動かしにくくなったりします。
これを改善するために、関節に注入して不快な症状を緩和する、という目的で使用されています。
ヒアルロン酸飲み薬
ヒアルロン酸はお薬ですから、注射薬の他にも「飲み薬」が考えられます。
しかし、仮にヒアルロン酸を多く含む飲み薬があったとしても、ヒアルロン酸は 消化管の中を通るときに分解されて体中に分散してしまうため、「今痛い関節」に集中的にその効果をもたらすことが難しくなります。
そのため、注射薬として関節などへ直接注入することが多いのです。
手術中のヒアルロン酸
手術を行うときに、ヒアルロン酸を使用することもあります。
眼の中には「硝子体」と呼ばれる、透明なゼリー状の組織がありますが、この硝子体を構成しているのがヒアルロン酸です。
この時も、ヒアルロン酸を成分とした注射薬を使用します。
美容外科とヒアルロン酸の関係
シワをなくす美容医療
美容面に関しては主に「シワとり」としての効果が期待されています。
ほうれい線や目の下のくぼみなどの深いシワを改善するために、シワが気になる部分に直接ヒアルロン酸を注入します。
こうすることで、シワとなっている部分がボリュームアップし、ふっくらさせることで深いしわを目立たなくする効果が期待できます。
セルフケアでは改善できなかった「深いシワ」も、改善できる可能性がありますので、諦めずに「ヒアルロン酸注射」という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
安全性の高い美容医療
美容医療で使用されるヒアルロン酸の安全性は高く、美容効果が高いのが特徴です。
表面に塗るよりも皮下への注入の方がヒアルロン酸の効果を発揮させやすいといえるでしょう。
ただし、ヒアルロン酸も「お薬」ですので、高い効果が期待できる反面、使い方を誤ると体にとって悪い影響をもたらす可能性もゼロではありません。
個人販売しているヒアルロン酸については、その安全性が確立していないことが多いため、当院のような専門のクリニックなどでヒアルロン酸注入の施術を受ける必要があります。