クマの改善方法「目袋」と「くぼみ」への対処法
2024.8.22

眼窩脂肪を除去するクマ取り治療!「目袋」と「くぼみ」への対処法について解説します

加齢によってできる目の下のクマは、立体的な変化が起こっているため、メイクではごまかしきれません。

クマを完全になくすためには外科的なアプローチが必要です。

今回は「クマ取り整形」とも呼ばれる方法をご紹介します。

これまで数万件の若返り施術を担当してきた私の経験から、劇的な改善にはクマやたるみがポイントとなると確信しています。

そして最適な方法を選択することが高い完成度と長持ちのカギとなるのです。

クマを改善する方法

美容外科で行うクマへのアプローチ法は大きく分けて2つ。

1つ目は目袋へのアプローチ、2つ目はくぼみへのアプローチです。

①目袋へのアプローチ

1つ目は目袋のふくらみの除去です。

眼球は眼窩脂肪(がんかしぼう)という脂肪に取り囲まれており、その脂肪は目の下にある筋膜(眼窩隔膜:がんかかくまく)によって支えられています。

しかし、加齢によって筋膜による支える力が低下すると、眼球の重さによって眼窩脂肪が前にせり出してきてしまうのです。

これが目袋のふくらみとなります。

目袋が膨らむとその下に影ができ、クマとなるため、目袋のふくらみを除去することがクマ改善への第一歩となるのです。

②くぼみへのアプローチ

2つ目は顔全体の皮膚のたるみによって、目袋の下に現れるくぼみの解消です。

加齢によって皮下脂肪が下へ移動すると、目袋の下の皮膚のボリュームがなくなり、くぼみが現れます。

このくぼみが深くなり、影ができると目の下のクマが余計に目立つようになるのです。

クマを解消するには、この2つの施術を同時に行う方法が最適だといえます。

目袋の脂肪を除去する方法

まぶたの裏側からアプローチ

目袋のふくらみを解消するには、前にせり出した脂肪を取り除かなければなりません。

その場合、まぶたの裏側からアプローチして余分な眼窩脂肪を取り除く術式が効果的です。

皮膚は切らず、まぶたを裏返して穴を開け、そこから眼窩脂肪の奥にある余分な脂肪を取り除くのです。

下まぶたの裏側(結膜部分)にしか傷はできませんから、顔には傷が残りません。

眼窩脂肪を除去する量

ここで重要なのが、除去する眼窩脂肪の量です。

私が美容外科医になりたての頃、先輩医師から

「眼窩脂肪は取り過ぎるな。取り過ぎるとくぼみができて不自然な仕上がりになってしまう」

と教わりました。

しかし、経験を重ねるうちにその教えが間違いであると気付いたのです。

脱脂のみを行うリスク

この方法は、脂肪除去(脱脂)だけでクマを消そうとしていたため、いくつかのリスクが考えられます。

本来、クマ解消には膨らみの除去とくぼみの解消が必要です。

また、目の下のクマに悩む方は、もともと目の下にくぼみがあることが多いです。

そのため、脱脂のみを行っても、ほとんどの場合クマは残ったままとなります。

さらに、眼窩脂肪の取り残しがあると、角度によってはクマが残っているように見えてしまいます。

残った眼窩脂肪が原因で、クマが再発するケースも。

クマを完全に消す方法

そこで私は、くぼみに対する注入を前提に、眼窩脂肪を控えめに取るのではなく、しっかり取れるだけ取ることにしました。

脂肪をしっかりと取り除くと、その分くぼみができますが、脂肪を残す必要はなくなります。

さらに、脂肪の取り残しがなくなるため、再びクマができるまでの期間を延ばせるというメリットも生まれます。

脂肪を注入するメリット

高品質の脂肪成分を注入することで、目元にハリが生まれます。

もともとくぼみがある人もふっくらとした目元になり、若々しい印象が得られるのです。

つまり、目の下のクマが解消されるだけでなく、肌質も改善され、より若返り効果が得られるのです。

しかし、まだ脱脂だけで完了しているクリニックもあるため、クマ取り整形を希望する方は、施術内容を詳しく尋ねてみてください。

仕上がりを左右する注入物

目の下の脂肪を除去し、目袋の膨らみを取り除いた後は、目の下のくぼみを埋めるために新たな成分を注入していきます。

注入は注射器を使って行うだけですから、大がかりな手術ではありません。

重要なのは、何を注入するか、です。

目の下は皮膚が薄くとてもデリケートな部分。

そのため、注入物の質が悪ければ、表面に凹凸ができてしまいます。

さらに、しこりができるといったトラブルにも発展しかねません。

ですから、当院では、最低でも次の3つの条件を満たした注入物を推奨しています。

・仕上がりが滑らかで表面に凹凸がない
・細部まで繊細に注入しやすい
・定着率がよく長持ちする

ヒアルロン酸の注入

膨らみをもたせるだけであれば、ヒアルロン酸でも良いのでは?

と思われるかもしれませんが、人工的なヒアルロン酸製剤は脂肪よりもかたく、塊で入ると異物感を受けることがあります。

さらに、笑った時などに一部だけ盛り上がって見えるなど、不自然な印象を与えることも。

これらは全て「かたさ」が原因です。

ヒアルロン酸のデメリット

また、ヒアルロン酸は、時間と共に体内に吸収されてしまいます。

そのため、半永久的な効果は得られません。

美容外科では、お客様ご自身の脂肪を使用します。

太ももや二の腕などから脂肪を採取し、注射器を使ってくぼみに注入していきます。

不純物を取り除いた脂肪を注入

ただし、ご自身の身体から採取した脂肪であっても安心はできません。

採取した脂肪には、老化した細胞や死んでいる細胞など、多くの不純物が含まれています。

不純物は、しこりや仕上がりの悪さに直結するので、注入する際はできるだけ不純物を取り除くことが大切です。

方法はクリニックによってさまざまですが、基本的には遠心分離器にかけて質の良い部分だけを使用する方法が採用されています。

純度別脂肪名称

遠心分離の方法も、年々進化しています。

当院では、簡単な遠心分離だけしたものを「リッチフェイス」、よりしっかりと分離したものを「コンデンスリッチ」と呼び分けています。

コンデンスリッチの作り方

「コンデンスリッチ」では、まず専用のシリンジ内に採取した脂肪を入れ、遠心分離器にかけて不純物を取り除きます。

シリンジ内には、採取する際に使用した麻酔液、本人の血液が含まれていますが、比重の差によって脂肪は上部、それ以外の成分は下部に溜まります。

また、シリンジには「ウェイトフィルター」と呼ばれる、脂肪よりも重いフィルターがついており、その重みで脂肪に圧力がかかるような設計になっています。

すると、老化した細胞や死活細胞などはオイルに変化し、フィルターを通ってシリンジの上部に、そして中間層に溜まったものがコンデンスリッチで使用する脂肪成分となります。

この「コンデンスリッチ」は、従来の脂肪処理法よりも定着率が格段に上がっています。

まとめ

目元のクマを改善するだけでも、かなりの若返り効果が実感できます。

クマの改善においてポイントとなるのは目袋の脂肪を除去すること。

さらに脂肪を除去した後にくぼみを埋めること。

この2つを組み合わせた術式こそが、きれいで長持ちする「最強」のクマ撃退方法ではないでしょうか。

また、注入する脂肪も質の良いものを選びましょう。

次回は「コンデンスリッチ」よりもワンランク上の「マイクロCRF」について解説します。

Related
関連する施術
目の下の切らないたるみ取りイメージ
忙しいアナタでも大丈夫!
スッキリ若々しい目を取り戻そう!

目の下の余分な脂肪を除去する施術です。施術の傷跡はまぶたの裏側なので、お顔表面に傷が残りません。 1時間程度の短時間で終わるため、忙しい会社員や主婦の方にも人気です。下まぶたの膨らみには「眼窩脂肪(がんかしぼう)」という余分な脂肪が溜まっています。この余分な脂肪を取り除くことで、下まぶたのたるみを解

コンデンスリッチフェイスイメージ
お肌を内側から持ち上げて、
ふっくらスベスベに

ご自分の脂肪をお肌に注入してハリと潤いを呼び戻し、ふっくらとした健康的なお顔にする施術です。採取した脂肪は不純物を除去してから濃縮(=コンデンス)した細胞だけを使用するため、定着率が高いことが特徴です。簡単な施術で高い効果を得たいという方にオススメ。また、仕上がりをより、自然に見せたいという方にも最

マイクロCRFイメージ
半永久的に効果が持続!
注入当日から効果を実感できます!

患者様ご自身の脂肪を活用し、シワやくぼみなどを解消します。ヒアルロン酸注入は効果の持続性が限定的ですが、こちらは効果が半永久的です。最強のエイジングケア法ともいわれています。患者様自身の脂肪を活用し、シワやくぼみなどを解消します。注入当日から効果を実感できるため、早くから効果を得たいという方におすす

ナノCRFイメージ
従来の脂肪注入より
なめらかな仕上がりへ

コンデスリッチフェイスと同じく、患者様ご自身の脂肪を活用し、お顔のくぼみやシワなどを解消します。取り出した脂肪は不要物を取り除き濃縮しますが、シルキーファット(ナノCRF)はさらに不純物を取り除き抽出した洗練された滑らかな脂肪細胞を使用します。とても滑らかなため、お肌の薄い部分や繊細な部分での注入に

Category
記事のカテゴリーとキーワードをご紹介
Category 01
新着記事
Category 02
杉崎理事長の著書
Category 03
鼻の整形
Category 04
目の整形
Category 05
美容整形
Category 06
美容皮膚科