手術やケガの縫い傷を目立たなくさせる方法を解説!治療の種類や注意点も紹介します
2023.8.1

手術やケガの縫い傷を目立たなくさせる方法を解説!治療の種類や注意点も紹介します

美容整形

ほとんどの方は大きなけがをすることも、手術を受けることも人生で数えるほどしかありません。

そのため、縫ったばかりの傷口を見ると、ちゃんと治るのかと不安な気持ちになってしまいます。

きちんと医師の診断・治療を受けることで傷跡を分かりにくくすることは可能です。

しかし、残念ながら傷跡が100%元通りになることはありません。



今回は縫い傷を目立たせなくする方法、治療方法や注意点を美容医療の専門医が解説します。

縫い傷に悩まされている方、これから手術を受ける予定の方…

手術後の傷跡がきれいに治るかが不安な方は是非参考にしてみてくださいね。

縫い傷は消えるのか?

事故による怪我、病気の治療などで手術を受けることがあります。

切開した部分を縫合すると、どうしても縫い傷ができてしまいます。

さらに、部位によっては、衣類で隠すことができずコンプレックスになってしまうことも。

このような縫い傷を無かったことにはできません。

しかし、治療によって目立たなくすることは可能です。

縫い傷が治りにくいケース

・傷が深すぎる
・ケロイド体質
・高血圧
・妊娠中

縫い傷にはさまざまなものがあります。

その中でも、特に治りが遅くなるケースを4つご紹介します。

傷が深すぎる

浅いかすり傷程度であれば、2週間ほどできれいに治ります。

しかし、切り傷や刺し傷など、深い部分まで傷ついている場合、すぐに完治することはありません。

傷が深い場合、基底層における「基底細胞の再生」が上手く行われなくなります。

また、真皮の深い部分まで損傷してしまうと、真皮層の密度が小さくなってしまいます。

このようなことが原因で、表皮の再生が遅れるのです。

ケロイド体質

傷ができるとしばらく炎症が続き、最終的にはミミズ腫れのような状態になってしまうケロイド。

ケロイドは別名「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」といいます。

ケロイド体質の場合、傷を治すためにわざと炎症反応を起こし、コラーゲンを蓄積させます。

その際、痛みやかゆみ、拘縮(こうしゅく)などを発症しやすくなります。

ケロイドの原因って?

ケロイド体質となる明確な原因は不明です。

元々の体質やニキビ、虫刺されなどさまざまな要因によって引き起こされると言われています。

また、ケロイドは、人種や遺伝によるものもあると考えられています。

近親者にケロイド体質の方がいる場合は、ご自身もケロイド体質になる可能性があります。

高血圧

傷の治りが遅くなる原因の一つに、血流障害、神経障害、免疫機能の低下などが挙げられます。

血流障害の一種である高血圧も、縫い傷の治りに影響します。

血圧が上昇すると、血管が厚く硬くなる(動脈硬化)と言われています。

血管が硬くなり弾力を失うと、血液はスムーズに流れなくなるため、酸素や栄養は行き渡りにくくなるのです。

傷の治りを早めるためには、血圧を下げ、血液の流れを正常に戻すことが求められます。

妊娠中

女性は妊娠すると、ホルモンバランスや体質に変化が起こります。

それに伴い、健康状態が不安定になることも。

さらに、血液量の増加により、妊娠前よりもむくみやすくなる場合があります。

妊娠高血圧症候群などの病気を発症する方もいらっしゃいます。

傷跡を予防する方法

手術が終わってから患部に縫い傷が残ることはできるだけ避けたいですよね。

そこで、傷跡を目立たなくするために、術後気を付けたいことを4つご紹介しまsう。

刺激を避ける

患部に外的刺激・物理的刺激が加わることは避けてください。

縫い傷は、周辺の皮膚が引っ張られることで、どうしても炎症を起こしてしまいがちになります。

治療していく過程で、新しい細胞が増殖し、傷のスペースを埋めていきますが、衣類などで摩擦が起きれば炎症は長引いてしまいます。

意図的に刺激を防ぐことで、傷跡の盛り上がりや赤み、かゆみなどの炎症を和らげることが可能です。

紫外線に当てない

縫い傷を目立たなくするためには、紫外線対策もとても大事な方法の一つ。

紫外線を浴びると、赤みやかゆみ、色素沈着が生じます。

縫い傷を隠すようにUVカット率の高い衣類を身につけましょう。

ただし、衣類による摩擦にはご注意ください。

保護テープを貼る

外的刺激・物理的刺激を避ける方法として、傷跡専用の保護テープを貼ることも有効です。

術後1~3か月ほどは、傷口が赤みを帯びます。

次第に落ち着いていきますが、日常生活の中で紫外線や摩擦によって皮膚が過剰に反応してしまえば、治りは遅くなります。

傷跡が大きくなったり、患部が盛り上がったり、色素沈着が起こったり…

炎症を防ぐためには、刺激をさえぎる保護テープがおすすめです。

傷跡専用のテープは、粘着部分が肌に優しく設計されており、剥がす際の刺激も最小限に抑えられます。

専用のテープを貼れば、傷跡を隠せるだけでなく、外部からの刺激を遮ってくれるので、上手に活用できるといいですね。

傷跡が目立たない治療法を選ぶ

これから手術を受けるという方は、可能であれば傷跡が目立ちにくい治療法を選択すると良いでしょう。

術後に傷跡がそれほど目立たなければ、精神的ストレスが軽減されます。

痛みや赤み、腫れが軽減される可能性もあるため、傷跡を考慮した治療法を選択しましょう。

縫い傷を目立たせない手術

では、術後に傷跡が目立たない方法とはどのようなものなのでしょうか?

順番にみていきましょう。

真皮縫合(減張縫合)

傷跡を目立ちにくくする方法の一つに「真皮縫合」があります。

皮膚は、表面から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」と層になっています。

通常、縫合は表皮に針を通し縫合しますが、真皮を縫い合わせる方法があるのです。

真皮は表皮よりも深い部分にある層ですから、表面からは見えない部分を縫い合わせることができるのです。

【真皮縫合のメリット】
・傷口にかかる負担が減る
・縫い目や結び目が表面から見えない
・縫い目が突っ張らない
・抜糸が不要

このようにメリットがたくさんある真皮縫合であれば、術後の精神的苦痛を和らげてくれるはず。

しかし、真皮縫合は高度な技術が必要とされるやり方なのです。

傷跡の修正手術

肥厚性瘢痕やケロイドなど、術後の縫い傷が目立つ場合は、傷跡そのものを治療する方法を選択してください。

修正手術では、目立つ縫い傷を部分的に切除し、新たに縫い直すことができます。

その際、真皮縫合を行うことで、傷跡が目立つのを防ぎます。

ただし、真皮縫合自体が難しい技術ですから、傷跡の修正手術を得意とするクリニックは限られています。

当院では、目頭切開の修正手術を実施しています。

傷跡治療後の注意点

たとえ、縫い傷に対する最適な治療を受けても、術後の過ごし方によっては、傷跡がきれいに治らない可能性も。

術後の日常生活の中で気を付けていただきたいことをいくつかご紹介します。

こすらない

縫い傷の治療後は、赤みや腫れ、かゆみが生じることがあります。

しかし、かゆいからと言って掻いたりこすったりすることはNGです。

傷口が気になるかもしれませんが、外的刺激を与えないよう過ごしてください。

運動を控える

術後すぐは、汗をかくことや体温を上げる行為は避けましょう。

汗をかいたり血行が良くなったりすることが傷口への刺激となり、治りが遅くなる原因となります。

入浴や温泉、サウナやプールなど感染リスクの高い場所は、許可が出るまでは我慢してください。

まとめ

人間の皮膚には、常に新しい細胞を作り出し、自然治癒する力が備わっています。

しかし、外傷や病気で手術を受けた際、縫い傷ができてしまうことは多々あります。

今回ご紹介した方法を参考に、傷跡が目立たない皮膚を目指してくださいね。

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