ボトックスとは
一般的に「ボトックス」と呼ばれている製剤は、ボツリヌス菌から毒素を取り除いたボツリヌストキシンのこと。
米国アラガン社の商品「ボトックスビスタ🄬」が有名になったことで、「ボツリヌストキシン注射」が全般的に「ボトックス注射」と呼ばれるようになりました。
ボトックス注射の目的
ボトックス注射には、さまざまな効果があります。
・シワ改善 ・ダイエット ・肩こり緩和 ・制汗効果 |
それぞれどのような仕組みで効果を発揮するか、順番に解説します。
シワ改善目的
ボトックスと言えば、シワ改善を連想する方も多いでしょう。
顔には表情筋と呼ばれる筋肉があり、筋肉の動きが原因でシワができます。
ボトックス注射で表情筋の動きを弱めることで、シワができにくくなるのです。
おでこや眉間、目尻のシワが気になる方は、ボトックス注射がおすすめです。
ダイエット目的
筋肉の動きを弱めたり、筋肉を小さくする効果のあるボトックス注射。
エラやふくらはぎの筋肉を縮小する目的でも用いられます。
「顔を小さくしたい」「エラの張りを弱めたい」「足を細くしたい」…
このような悩みにもボトックス注射がおすすめです。
肩こり改善目的
筋肉の動きを弱める、痛みを伝える神経を遮断することで肩こり改善が可能なボトックス注射。
エステやマッサージ、整体や接骨院に通っているのになかなか治らないという方も多いでしょう。
肩こりは、実は美容医療でも改善可能なのです。
肩こりが頭痛や腰痛、目の疲れにつながることもあるので、ボトックス注射を検討してみてください。
制汗目的
ボトックス注射には、エクリン汗腺からの汗を止める作用があります。
ワキ汗や手汗が気になる方、頭皮や顔の汗が気になる方、汗による体臭を防ぎたい方にはボトックス注射がおすすめです。
打たない方が良いボトックス
ボトックス注射の効果を数々ご紹介しましたが、おすすめできない部位があるのも正直なところ。
これからご紹介する3つの部位は、ボトックス注射によって笑顔に影響が出る部分でもあります。
美しくなるための美容医療ですから、施術後の表情は大事ですよね。
ボトックス注射を検討中の方は、必ずデメリットをしっかりと理解したうえで施術を選択してください。
①目の下のボトックス
目元のシワ改善のためにボトックス注射を検討されている方はご注意ください。
「カラスの足跡」とも呼ばれる目尻のシワであれば、ボトックス注射後も笑顔は作れます。
しかし、目の下にボトックス注射を打つと、目を細めることができなくなります。
笑った時に高確率で不自然になってしまうのです。
というのも、目の下のボトックスでは、眼輪筋に作用するように注射します。
目を閉じたり笑ったりするときに使う眼輪筋が弱まってしまうと、上手に笑えなくなる可能性があります。
目の下のシワを改善したい方には、ヒアルロン酸注射やスネコス注射など肌にハリを出す施術がおすすめです。
②ほうれい線のボトックス
笑った時にほうれい線が目立たないよう、小鼻の横にボトックスを打つクリニックがあります。
しかし、唇を上にあげる筋肉、口角を引き上げる筋肉にボトックスが作用してしまえば、笑顔が不自然になる可能性も。
唇や口角が上がらなくなる、歯が出ない笑い方になる、笑い顔が不自然になるといったリスクがあるのでご注意ください。
③中顔面のボトックス
眉下から鼻の下までの中顔面と呼ばれる部分へのボトックス注射もおすすめできません。
頬周辺には、笑う時に使う筋肉が位置しています。
顔の汗を止める、顔を引きあげるといった目的で中顔面にボトックス注射を希望される方もいらっしゃいます。
しかし、効果以上に笑顔に支障が出るリスクの方が大きいです。
浅い層に少しずつ注射したとしても、どうしても筋肉まで到達してしまいます。
そのため、中顔面へのボトックス注射は慎重に検討してください。
満足度の高い部位
ここからは、リピーターの多い箇所をご紹介します。
ただし、効果には個人差があるため、事前に医師とよく相談し、適応かどうか確認しておきましょう。
①エラボトックス
ダウンタイムがほとんどなく、注射のみで輪郭がほっそりするため、かなり人気があります。
エラの張りが気になる方、ホームベース型の輪郭に悩む方、歯ぎしり癖がある方、噛む力が強い方にはエラボトックスがおすすめです。
ただし、元々痩せ型の方はボトックス注射で頬がコケて見えるリスクがあります。
さらに、咬筋が張っていない場合や筋肉が原因ではないケースにおいては、効果が得られない可能性があります。
②ワキボトックス
向いていない人や合わない人がほとんどいないと言われているのが「ワキボトックス」。
大量の汗に悩んでいる方にも、たまに汗がちょっと気になるという方にもおすすめです。
ワキボトックスは、エクリン汗腺に作用し、汗の分泌を抑制します。
効果は半年ほど持続するため、1シーズンに1回、2シーズンに1回ほどの施術頻度が良いでしょう。
③眉間のボトックス
眉間にシワが寄ると怒っているように見えますよね。
気難しい人に見られたり、近づきがたい雰囲気が出るため、あまり良い印象ではありません。
怒ったような表情を改善させることで優しい表情にしたい方には、眉間のボトックス注射がおすすめです。
ただし、眉間や額は目力に直結する部分。
注入量や部位を誤ると、眉毛が動かなくなったり、眉山が極端に上がったりすることも。
注入が難しい部位ですから、ボトックス注射の実績があるクリニックを選ぶと良いでしょう。
当院では、表情が作れなくなるという観点から、眉毛が完全に止まることは良しとしていないため、お一人お一人の筋肉の動きに合わせて注入部位や注入量を調整しています。
まとめ
今回は、おすすめできないボトックス注射の部位、満足度の高い部位を詳しくご紹介しました。
目の下、ほうれい線、中顔面へのボトックス注射がおすすめできない理由は、「笑顔に影響するから」。
ボトックス注射を検討中の方は、効果やメリットのみならず、デメリットや副作用もしっかりと理解したうえで施術を受けましょう。
筋肉のつき方や筋肉の動き方は全員異なるため、当院では一人ひとりに合った施術を提供しています。