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2018.10.29

美人は「鼻」に左右される


vol.1からこれまで、「鼻」について、僕がお伝えしたいすべてをお話しました。
いかがでしたでしょうか。鼻手術に対するイメージも変わりましたか?みなさんが思っていたことと違う部分も、多かったかもしれません。今回はこのシリーズを締める意味で、医師としての考え方、美容外科医としての生き方についてお伝えします。

自分の道は自分で選ぶ、医師としての転身

「医師とは、人が今よりも幸せになる手助けをする仕事である」。
これは、私が医師を目指そうと思った小学生の時から、ずっと心に抱いている信念のようなものです。もし、私が内科医であったとしても、精神科医であったとしても、その思いは変わることがなかったと思います。
医大を卒業してから、私が最初に飛び込んだのは心臓外科の世界でした。多忙で過酷ではありましたが、多くの知識を身に付け、貴重な経験を積み上げることができた、僕の人生にとってとても大切な日々です。大動脈瘤や弁置換などの高度な手術、冠動脈バイパス術のような繊細な血管吻合の技術も習得し、この上ない充実感を味わっていたのですが、あることがきっかけで医師としての第二ステージ、美容外科の世界へ飛び込むことになりました。


僕が美容外科医を目指したことで、周囲から聞こえてくるのは「180度違う世界でやっていけるのか」「せっかく築いた実績があるのに……」と、心配してくださる声が大多数でした。
しかし、私の中では心臓外科医も美容外科医も、同じメスを握る仕事であり、人を幸せにする仕事であることに変わりはありませんでした。同じくらい、いやそれ以上のやりがいが得られると、期待に胸をふくまらせながらの転身となったのです。

心臓外科医と美容整形外科医 共通するのは?

医師として、再び「ゼロ」からのスタート。右も左も分からない美容整形の世界で、自分がやりたいこと、やるべきことを見つけるために、諸先輩方の手術を徹底して研究しました。なぜ、その術式が正しいのかを私なりに分析し、もっと良い方法はないのか、同じ方法でも患者さんの満足度を上げるにはどうしたら良いのかと、常に考えを巡らせていました。
実際に手術を担当するようになり、心臓外科医として培ったすべてが美容整形に活かせるということに気づきました。繊細な技術を要求される心臓手術を数多く行ってきた私にとって、美容整形手術はある意味、とても分かりやすいものだったのです。また、麻酔に関する知識とスキルを持っていたことも幸いしました。心臓外科の世界では、シビアな麻酔の使い方や全身管理の技術を必要とします。その経験が、美容整形手術では大いに役立つことになったのです。何千回、何万回と手術を行い、たくさんの症例、つまり経験を積んでできました。そのなかで、私が目指し続けたことは次の4つです。

  • 患者さんが必ず満足すること
  • 余計な手術はしないこと
  • できるだけ短時間で侵襲の少ない手術をすること
  • 失敗しないこと

この目標を掲げ、今まで一度もこの目標が達成できなかったことはありません。
唯一、私が患者さんを満足させられないのは、他院でどうしても修正の利かない手術をされた患者さんが失敗を修正してほしいと来院されたときだけです。
プロテーゼの入れ直しや移植術などはやり直しが利きますが、鼻翼縮小術で極端に切られ過ぎてしまった方などは、再び元に戻すことはできません。仕上がりのイメージができないまま手術をした前院の責任であることは間違いありません。しかし、同じ美容外科の世界にいる医師が、患者さんの心と身体を傷つけたことに悔しさが沸き上がってくる瞬間でもあります。もちろん、そのような場合は、できる限り見た目が整うような修正をさせて頂きますが、技術もセンスもない美容外科医が、手術件数を大きく掲げて患者さんを集めていることには、憤りさえ感じます。
そういう意味で、美容外科医には、「病気を治療する」という一般の医師とは、若干異なる資質が必要だと私は思っています。病気の治療をする医師は、たくさんの症例を診て、人の身体や病気の特性を理解することで、スキルアップしていきます。つまり、たくさんの患者さんを診察し、治療したベテランの医師ほど、有益な知識や情報を持てる可能性があります。しかし、美容外科医は手術回数や経験年数が患者さんの満足度に直結するわけではないのです。

患者さんの笑顔のために、最高のパフォーマンスを

少し極端なたとえをするなら、美容外科医はF1レーサーでなければなりません。
医師免許が自動車の普通免許だとしましょう。業務として人を乗せることのできるタクシードライバーは二種免許を取得しなければなりません。とはいえ、それほど高度な試験ではなく、講習を受けて普通免許取得時のスキルにほんの少し上乗せすれば取得できるものです。

医師の世界での二種免許は専門医の資格に相当すると考えられます。しかしこの制度もどちらかと言うと机上の資格であって、技術が伴っているかどうかは定かではありません。厚生労働省も専門医のことを「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」と定義し、「神の手を持つ医師」や「スーパードクター」を意味するものではないと明言しています(「専門医の在り方に関する検討会/報告書」より)。
「資格=患者さんを満足させる」わけではなく、あくまでも「標準」をクリアしているだけに過ぎません。
だからこそ、私はF1レーサーでありたいと思うのです。専門医でもなく、大学病院の外科部長といった経歴もありませんが、美容整形というサーキットのなかで、最高のパフォーマンスを見せることのできる医師。それが美容外科医の目指すべき境地のはずです。特に鼻の手術に関しては、F1レーサー並みのスキルがなければ「常に成功」することは難しいと私は確信しています。

二重にするとか、シワ取り、豊胸などの手術は、ある一定の技術がある医師であれば、遜色なく仕上げることができます。しかし、鼻に関しては数ミリ単位でメスを入れ、縫い、形を調整する必要があります。しかも患者さんの鼻の形状は二つとして同じものはありませんから、毎回同じ手術法というわけにはいきません。顔全体のバランスを考え、仕上がりを具体的にイメージしながらの手術。その仕上がりの優劣は、残念ながら手術をこなした回数には比例しません。新人であっても、センスがあって鼻の手術に長けている人はいます。そういう人材を利益のために浪費せずにしっかり育てていくことは、これからの美容外科業界にとっての課題でもあります。

前職の心臓外科医も、非常にやりがいのある仕事でした。しかし一般医療では「医者は病気を治して当たり前」という前提が、患者さんの心根にあることも事実です。それに比べて美容整形の世界は、手術が終わるごとに患者さんの笑顔を見ることができますし、感動を分かち合うことができます。
私にとってこれほど幸せなことはありません。そして天職に巡り合えたことにも感謝しています。この感謝の気持ちは、これからの人生のなかで、笑顔になる患者さんをさらに増やしていくことで、表現していきたいと思っています。

「日本の鼻の整形手術に、杉崎あり」。そう、世界中の人から認めてもらえるように、これからも精進していきたいと思っています。
当コラムを読まれた方が、前向きで笑顔溢れる人生を歩まれることを祈って、おわりの言葉とさせていただきます。
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