後悔しないために…業界事情のココをチェック!その1
2019.5.27

VOL24後悔しないために…業界事情のココをチェック!その1

近年では、プチ整形などが広く浸透しているせいか、美容医療に対して抵抗を感じる人が少なくなってきています。だからこそ、クリニック選びは慎重になって頂きたい。
そこで今回は、美容医療の裏側についてお伝えしていきます。業界の実態を知り医師選択の参考になれば幸いです。

業界事情の「ここ」をチェック!美容業界の裏話から、真実を見極める

ポイント⑱ インフルエンサーを使って誇大広告をするクリニック

美容外科では、患者さんの理想に近づけるために複数の施術を行うケースがあります。
しかし、その施術が本当に必要かどうかを患者さんが判断することは困難でしょう。多くの人はインターネットやSNSでクリニックの情報や体験談を参考に是非を判断しているのではないでしょうか。

ところが、インターネットやSNSの情報を鵜呑みにするのは、実はとても危険なことなのです。残念ながら、それを利用して意味のない手術を契約させる医師が少なからず存在するからです。
僕もかつてそんなドクターの噂を耳にしたことがあります。その医師は現在、SNSを利用した営業戦略で大きな売り上げを維持していると聞きます。インスタグラムのフォロワーが何万人もいるような「インフルエンサー」に、ビフォーやアフターの写真を載せてもらうといった広告の手法をとっているのです。
しかし、SNSはあくまで「個人の感想」であり、技術を保証しているわけではありません。また、彼のホームページには「広告塔募集」のバナーが堂々と貼り付けられています。つまり、彼女たちは情報発信を交換条件に施術費用を割り引いてもらえるのですから、酷評するわけがなく、過大評価である可能性もあります。

情報に偽りがなければSNSを利用した戦略的な広告と言えるでしょう。ところが困ったことに、そのクリニックのお勧めの施術が、以前、大手クリニックで訴訟に発展した『いわくつきの施術』と同じようなのです。具体的には「糸で行うリフト」になります。
糸で行うリフトは、糸の本数=持続力だということは、これまでにもお伝えしてきたとおりです。ここのクリニックでは12本で120万円以上の費用がかかります。一方、僕のクリニックでは40本で80万円前後です。

この違いがお分かり頂けるでしょうか。
1本の糸が高すぎると、患者さんによっては本数を減らすことを希望するでしょう。そうなれば当然、持続期間は短くなります。

おそらくSNSで情報を発信した女性たちのなかにも、効果に疑問を抱いている人もいるはずですが、「モニター契約書」にサインをした以上、真実を言えないというのが実際のところではないでしょうか。

ポイント⑲ 有名院長は「広告塔」でしかない

美容や健康に関する広告に過度の表現があると、消費者(患者さん)が著しい被害を受ける可能性が高まるため、大変厳しい規制が敷かれています。例えば、新聞の折り込みや電車やバスの中吊り広告を出す際、「安全」「永久保証」「痛くない」「手軽」「絶対」などの言葉は使用できません。ほかにも、施術の優位性や施術を受けた有名人の名前、術前・術後の写真を並べて掲載することや、モニターの方からの感想を載せてはいけない、という規定があります。
そのため、美容外科クリニックの広告には、医院の名前や住所、連絡先、営業時間、行っている施術名くらいしか掲載できません。高額な広告費のわりに、集客効果はあまり期待できないという現状があります。

では、どのようにクリニックのことを広く知ってもらうのか――。それは経営者や院長が、テレビや雑誌などに頻繁に登場し、クリニックの名前を覚えてもらえるようにアピールすることです。クリニックの方針や施術について世の中の人たちに知ってもらうためにはとても良い方法ですから、僕も依頼されたときには、できる限り取材には協力するようにしています。
しかし、なかには美容とは関係のない番組に多数出演をしていたり、慈善団体などに個人としては多額すぎる寄付をしていたりと、有名院長の露出が多すぎるなと感じることがあります。
ここで寄付を例にしてみましょう。寄付は税金対策にもなりますし、何より、多額の寄付をしたことが報道されることで、「立派な院長」「社会貢献しているクリニック」という印象が強くなり、クリニック全体の評価は上昇するでしょう。
もちろん、慈善事業や社会貢献は素晴らしいことですし、否定するつもりはまったくありません。しかし、実際に施術を受けようと思っているのであれば、冷静になって判断してほしいことがあります。
その院長が確かに仁徳のある人物だったとしても、「知識・技術・センス」があるドクターなのかどうか――。凄腕の医師だったとしても、メディアに出るなど多忙ななか、普段どれだけの施術に関われているのでしょうか。

本当に重要なのは、「誰に、どのような施術をしてもらうか」です。有名なクリニックのなかには、院長は「広告塔」として働き、ほとんど手術を行っていない場合も多々あります。ですから、どうしてもその院長に施術をお願いしたいと思うであれば、事前に問い合わせておく必要があります。
また、その院長が担当をしてくれるとなった場合は、最近の施術経験や症例写真を必ず確認させてもらいましょう。なぜなら、しばらく施術を行っていないようであれば腕が鈍っている可能性を考慮する必要があるからです。

まとめ

近年、インターネットの急速な発展にともない、SNSやネットの広告、口コミ、ホームページなどを見て、クリニック選びをする方が多いかと思います。知りたい情報がすぐに手に入ることは便利で良いことなのですが、素直にそれらの情報を信じてしまうのは良くありません。いろいろな角度から情報を集めて、判断をしましょう。

また、頻繁にメディアに登場していて広く知れわたっているクリニックだから「安心できるクリニック」だとは限りません。注目すべきところは施術を行うキーパーソンである、あなたの担当医師なのです。担当医師のプロフィールや経歴、症例写真などを、しっかりと確認しましょう。