2020.12.1

VOL4「クマ」「たるみ」こそ、改善すべきところ

対処すべきもう一つの理由

近年はアンチエイジングの概念が広く浸透し、多くの人たちが色々な努力をしています。しかし、どれだけ高価で効果的な化粧品を使い、毎日エステに通ったとしても、長い年月を生きてきた「証」は、私たちの顔に現れてきます。「老化」です。
これは誰にでも起こる変化であり、その速度は、遅くすることは出来ても、止めることはできません。

多くの女性が気にしているシミやシワの原因は主に、「紫外線によるダメージ」。これにより、皮膚の表面(表皮)や、その下にある角質層に、変化を起こします。

図1 紫外線により肌がダメージを受ける

例えば、日焼け止めの活用、生活習慣の改善など、日々のスキンケアで予防したり、進行を防いだりすることもできるでしょう。あるいは、角質層に栄養を与える化粧水などで、ある程度は軽減させることができます。
その一方で、クマとたるみは角質層の更に下にある皮下組織や筋肉の変化によって現れます(図参照)。そのため、角質層にまでしか届かない化粧品などではあまり効果がありません。完全に取り除き、若々しさを取り戻したいのであれば、「若返り手術」が必要となるのです。

図2 「クマ」が出来るメカニズム

目の下のクマは、大きく2つの原因があります。1つは、目の下の脂肪や骨のボリュームがなくなってくぼんでくること、もう1つは、眼窩脂肪を支えている眼窩隔膜という筋膜のたるみにより、目の下にある「眼窩脂肪」が前にせり出してくることです。詳しくはこの後の別コラムでもお伝えしますが、若返り手術では、この「前にせり出してきた脂肪」の一部を取り除き、さらに目の下のくぼみに対して注入を行うことで、クマを目立たないようにします。

僕はこれまで、数多くの患者さんへの若返り手術を行ってきましたが、外見が若々しくなられた方は、気持ちも若々しく生まれ変わります。この劇的な変化は、第三者に与える印象だけでなく、自身の性格や内面の変化にも効果があると、僕は実感しています。
例えば、実際にあった「患者さんの変化」には、

●挑戦してみたかったファッションを取り入れ、オシャレになった
●「老け顔をカバーするメイク」から、「自分をよりキレイにみせるメイク」に変わった
●自分に自信が持てたことで、新しい世界に飛び込んだ

などというものがありました。実際、人生をとても楽しく過ごしている方が多くいらっしゃいます。
けれども、簡単に「若返り手術」といっても、どのような施術を受けるのか、どのようなクリニックを選ぶのかで、その結果は大きく違ってきます。そこで次章からは、手術の具体的な方法や、クリニック選びのポイントを順にご紹介していきますので、それらを参考に正しい選択をして、失敗のない「若返り」を実現してほしいと思います。
今回はその前提となる「若返り手術とは何か」について、お伝えします。

若返り手術は「美容整形」ではない

「美容整形手術」と聞くと、まぶたを二重にする、鼻にプロテーゼを入れて高くする、エラを削って小顔にする……など、本来の顔の形を変えるといったイメージが強いと思います。
しかし、ここでご紹介する若返り手術は、「整形手術」とは少し違う観点から美容を考えたものです。もともとある顔のパーツの形状を変えるのではなく、老化によって衰えた筋肉や皮膚のハリを蘇らせ、失った潤い成分を補充するのが、美容外科的な「若返り手術」となります。
つまり、早い段階で対処をすればするほど、施術は整形手術よりも簡単に行えますし、綺麗でいられる期間が長くなります。時には、顔にメスを入れ、皮膚下に糸を入れてたるみを引き上げるなどといった、外科的な施術を行うケースもありますが、その場合、手術によってたるみを元の位置に戻すだけですから、顔が別人になってしまうわけではありません。ですから、「今日は肌がきれい」「何だか元気そう」程度の印象の変化しかなく、毎日会っている周囲の人でさえ手術を受けたことに気づかないこともあるのです。
実際、僕のクリニックで手術を受けた方で1週間マスクを付けて過ごし、その後マスクを外してもまったく手術をしたことに気づかれなかった、という人たちが多くいます。
また、自分から「たるみを取ったの!」と夫に告白をして、ようやく「何だかきれいになったと思ったよ」と言われた人もいました。
「何が変わったのかよくわからないけど、きれいになった」あるいは「いつもきれいで若々しい」、そんな最高の誉め言葉が聞けるのが若返り手術であり、一般的な「美容整形」との相違点といえます。
美容整形の手術は、ハードルが高い、怖いといったマイナスのイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、若返り関していえば、一般的な美容整形手術とはまったく意味合いが違うのです。

まとめ

美容整形における「若返りのメニュー」は豊富にありますが、劇的な若返りを求めるのであれば、「クマ」「たるみ」の改善が最適の方法だということは、前回までにお伝えしている通りです。しかも、顔が別人になるわけではありませんから、劇的な変化にも関わらず、周りからは気付かれにくい方法でもあるのです。
特に「目の下のクマ・たるみ」は、年齢に関係なく、若い方でも目立つ方はいます。顔が老けて見えると悩んでいる方は、長年の悩みに対する解決策になるかもしれません。
若返り手術は、顔かたちを変えるのではなく、「老け」の原因を取り除き、「若かりし頃の自分の顔に戻す」事を目的としています。明るく前向きな人生を歩むために、ほんの少し、時計を巻き戻すための手術なのです。

少しの勇気を出して、まずはカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。そしてご自身が納得して手術を受けた後には、あなたの世界観が変わっているかもしれません。

次回は効果的な若返りのポイントなどを紹介したいと思います。

2020.12.1

VOL5効果的な若返りには「最速・最強・最長」

効果的な若返りに必要な3つのポイト

インターネットでたるみやクマの改善策を検索すると、セルフマッサージやエステ、生活習慣の見直しなど、さまざまな方法が出てきます。しかし、前回までの当コラムでお伝えしたように、老化を完全に止めることは出来ません。進行していくものである限り、僕は以下の3つのポイントが重要だと考えています。

1. できるだけ短い時間で=最速
2. できるだけ高い効果を=最強
3. できるだけ長く維持できる=最長

まず1についてですが、効果が表れるまでに時間がかかるものはNGです。老化を予防する食事や生活習慣、セルフマッサージなどは、長い目でみれば美容的な効力はあると思いますが、効果が表れるまでに、老化はさらに進んでいくので、得られる成果は、実際の労力に対して少ないでしょう。

そして次に2です。近年では、ドラッグストアや百均ショップなど、プチプライスでも購入できる美容グッズが人気ですが、これらはコストが安い分、やはり目に見える効果は低いでしょう。もしくは、「改善したように思っているだけ」か「そもそも(劇的な効果は)期待していない」という方も、多いのではないでしょうか。

では、高価なものであれば効力を期待できるのかというと、そうでもありません。なかには、一瞬だけ効果を感じるものの、その効果は数日中には失われるため、購入を繰り返すことになります。結果的にコストパフォーマンスは低くなるので、3の「最長」ではないということです。

また、多くの女性が期待と信頼を置いているものとして、美容液、エステ、美容皮膚科があると思います。しかし、僕はそれらの効果について疑問を抱いています。

高価な美容液やクリームは予防的効果がメイン

アンチエイジングのために多くの女性が行う対策は、美容液やクリームなどの基礎化粧品です。近年、世の中では、アンチエイジング効果があると謳った商品が多数販売されています。各メーカーが研究を重ね、肌改善のための成分を配合していますから、それなりの根拠もあるでしょうし、使用し続けていれば効果を感じられることもあるでしょう。しかし、即効性・持続性という視点からいうと、やはり化粧品は力不足となります。
そもそも化粧品の成分の多くは、角質層までにしか届きません。ですから皮膚の外側からのアプローチで、根本原因である真皮層や皮下組織にまで成分を行き渡らせるのは、至難の業なのです。届くとしても微量ですから、長期間、使い続けることが必須です。高価な美容液やクリームを予防のために使用するのならまだしも、出来てしまったクマやたるみにあせって使い始めても、ほぼ効果は得られないばかりか、非常にコストパフォーマンスの低い結果となるでしょう。

加えて、そのような化粧品はとても高価です。1瓶5万円以上する商品もありますから、使い続けると、膨大な出費となります。それでいて微々たる効果しか得られないのであれば、無駄遣いといわれても致し方ありません。

エステイメージ

エステはラグジュアリーな雰囲気を味わうもの?

もし「エステで若返ることができるの?」と問われたら、僕は首を横に振り「NO」と答えます。
なぜなら、医学的な知識を持った「医師」がエステサロンにはいないからです。老化現象が人体のメカニズムである限り、本当の意味で改善するためには、医学的な知識が必要です。例として「クマ」をあげてみましょう。

クマには「青クマ」「茶クマ」「黒クマ」と種類があり、それぞれ原因が違います。原因が違えば当然、解決方法も違ってきます。
だからといってエステの効果を全面から否定しているわけではありません。リンパや血液の流れ、筋肉の動きなどを勉強しているエステティシャンであれば、一定の効果はあるかもしれません。しかし、マッサージは根本的な改善ではないため、効果は短時間で無くなってしまいます。
また、エステサロンで使用している基礎化粧品が特別なものであれば、肌は水分を沢山含み、若々しさを取り戻した気持ちになるでしょう。けれども、帰宅後はいつもの化粧品を使うことになるので、効果はその日か次の日など、数日程度しか持ちません。
ただ、金銭的な余裕があり、問題なく定期的に通うことができれば、健康的な肌をキープすることはできます。また、エステのゆったりとした特別な非日常空間を体感することで、ストレスからも解放されるでしょう。ストレスは老化現象にも関わりがあるとされていますので、ストレス解消も「若々しさを保つ方法の一つ」になるのではないでしょうか。

まとめ

効果的な若返りのポイントについて、ご理解いただけたでしょうか?
若返りにはたくさんの改善策がありますが、僕はこの「最速、最強、最長」の3つのポイントが重要だと考えています。
老化は誰に対しても容赦なく、待ったなしでやってきます。高級化粧品や高級エステも、すでに進行してしまったクマやたるみに対しては、持続的な効果があまり期待できないでしょう。これらを利用する場合は、改善目的での大きな期待はせず、予防目的や現状維持という意識で使用する方が、賢明ではないかと思います。

次回は美容皮膚科について、僕の考えを述べたいと思います。

2020.12.1

VOL6美容皮膚科と美容外科 アプローチ法の違い

皮膚科の治療だけでは劇的に若返らない

日々のスキンケアやメイク、エステでは対処しきれなくなった時、次に望みを託す候補として挙がるのが「皮膚科」です。
皮膚科には、大きく2つの科があります。

●皮膚科:保険適用の範囲内である湿疹やニキビ、アトピー、イボの除去など、外用薬、内服薬などによる治療を行う
●美容皮膚科:皮膚科の知識を応用しシミやほくろの除去、肌のアンチエイジングなど、メスを使わない施術を行う

もともと「皮膚科」は、治療や治癒を目的とした診療を行う診療科、「美容皮膚科」は美容に関する肌の悩みのための施術を行う診療科として発展しましたが、近ごろは「皮膚科・美容外科」と併記するクリニックが増えています。
その理由は、クリニックとしての収入源にあります。
「皮膚科」の治療は保険適用であるため、治療費が日本全国で統一されており、診療報酬点数によってクリニックの経営は左右されます。
一方、美容目的の施術は、自由診療になるため保険適用外の治療が多く、治療費も自由に設定できます。そのため、「皮膚科」だけでは経営が困難なクリニックは「美容皮膚科」で補う、というところもあります。

「ニキビ」を例にしてみましょう。治療のためにお薬を使う方法は保険適用となり、改善した後に残ったニキビ跡を消すレーザーなどを使った施術は自由診療となります。このように2つの診療科を標榜しておくと、幅広い治療や施術が可能となり、経営が向上する仕組みです(ただし、規定により同日に保険適用治療と自由診療が行えないため、最低2日以上の通院が必要になります)。
こうした背景から、皮膚科のドクターが美容機器を導入して、さかんに美容皮膚科の施術を始めています。もちろん、若返りのための施術もたくさん行われていますが、皮膚科にとって美容の分野は比較的新しい分野であり、またメスを使わない治療のため、残念ながら「最速・最強・最長」の治療とは言えません。それを知らずに何度も通って治療を受け続けてしまうと、満足のいく『若返り』には至らず、また多額の出費を伴うことがあります。

仕上がりに限界あり!!長持ちしないヒアルロン酸治療

「美容皮膚科」が行う施術の中で最もアグレッシブな若返り治療は注入系でしょう。
例えば、ヒアルロン酸。注射器で体内に入れるとすぐに一定の効果を実感できますから、多くの美容皮膚科が「目の下のクマ」への治療として、ヒアルロン酸注入を行っています。
ここで、ヒアルロン酸について簡単にご説明をします。ヒアルロン酸とは皮下組織を構成する成分の1つで、私たちの身体の中にもともと備わっているものです。そのため、外部から組織の中に注入しても、異物による副反応を引き起こしにくく、比較的安全であるといわれています。しかし、このヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されてしまうため、その効果は永久的に持続するものではありません。早くて半年、長く持って1年程で効果は失われてしまいます。
話は戻りまして、「目の下のクマ」へのヒアルロン酸注入ですが、注入する時の場所や深さが重要となってきます。それらを誤ると、表面がデコボコになり不自然な仕上がりになってしまったり、時間経過と共に希望通りでない形に変化してしまったりします。最悪の場合、血管内に針先が入り、ヒアルロン酸がそのまま注入されてしまうと、血管が詰まって血行障害を起こし、皮膚が壊死したり、場合によっては失明をしてしまうこともあります。
上手く注入できたとしても、効果が長続きしないデメリットがあります。定期的な注入が必要であり、長い目でみると大きな費用がかかってしまいます。
片や、美容外科でのアプローチ法は違います。詳しくは後々説明しますが、実はクマの原因は「くぼみ」だけではなく、「涙袋」のさらに下にある「目袋」という膨らみ(図1)も関係しています。この「目袋」は年齢を重ねるごとに目立つようになります。

(図1)目の下のクマの原因

(図1)目の下のクマの原因
美容皮膚科で改善をする場合、ヒアルロン酸はこの目袋の高さに合わせて注入されます。くぼみが埋まることで、一見、クマが改善したように思うかもしれませんが、これではボリューミーな仕上がりになってしまうのです。根本的な改善には至らず、一時的にクマを目立たなくさせることしかできません。下記、皮膚科と美容外科の形成ラインの違い(図2)を見れば、お分かり頂けると思います。

(図2)クマの改善方法は皮膚科と美容外科では違う

(図2)クマの改善方法は皮膚科と美容外科では違う
つまり、完全に目の下のクマを取り除くためには、ヒアルロン酸の注入だけではなく、前に飛び出た目袋の余分な脂肪を除去する必要がある、ということです。それが美容外科のアプローチ法です。余分なところは除去し、くぼみを埋める。―これが本当の理想的な仕上がりと言えます。

たるみレーザーでの治療は「リフトアップ」ではない

もう一つ、美容皮膚科ではレーザー照射による施術があります。強い光を照射してシミやシワを取り除く治療はご存知の方も多いかと思いますが、実はたるみの改善にもレーザーが使われています(たるみの治療に使用するレーザーは、厳密には「レーザー」とは呼びませんが、「たるみレーザー」と言われることが多いので、ここでは「レーザー」とします。)
皮膚や筋膜にレーザーを照射して熱を加えることで、組織は一度破壊され、収縮します。組織が強力に引き締まると同時に、破壊された組織(コラーゲン)が新たに生成されることでハリと弾力を整えていく、というのがたるみを取るレーザーの考えです。
この施術による引き締め効果は僕も認めてはいますが、あくまで「予防」としての効果であって、たるみが進行している頬にレーザーを照射しても、劇的に引き上げることは不可能です。
クリニックによっては、高い治療効果を謳い、「勘違い」をさせているところも見受けられますが、レーザーによる強力なリフトアップは、理論的には難しいと言えます。
一方、美容外科では、溶ける糸をフェイスラインに通して引き上げる方法や、たるんだ皮膚を切除して引き上げる方法があります。このアプローチ法であれば、高いリフトアップ僕効果を得ることができます。

まとめ

美容皮膚科と美容外科の違いを、お分かり頂けたでしょうか。美容皮膚科は「皮膚科医」によって発足され、多くのクリニックがメスを使わない治療を行います。治療内容は注入系やレーザーによるものが主となりますが、これら「若返り効果」には、限界があると僕は考えています。
誤解しないで頂きたいのは、美容皮膚科による施術は良くないと言っているわけではありません。「予防策」として利用するのであれば、十分な効果を実感できる方法です。

次回は僕が何故、美容外科をお勧めするのか。その理由をお伝えしていきます。